けい砂などを高温で溶かし、原子が規則的に並ばないまま固めた非晶質の材料。板ガラスはフロート法で製造される。

ガラス

ガラスとは、けい砂、ソーダ灰、石灰などを高温で溶かし、原子が規則的に並ばないまま冷やし固めた非晶質の材料のこと。透明性と硬さをもつ一方、衝撃に対しては脆い。

解説

家具や照明に用いられる板ガラスは、フロート法という方法でつくられる。溶かした錫の浴槽に、高温で溶融したガラスを流し込んで浮かべるのである。ガラスの比重が約2.5、錫が約6.5であるため、液体の錫の上でガラスは平らに広がる。液面という完全に平坦な面に接することで、研磨を経ずに歪みのない表面が得られる。板の厚みは、固まりかけたガラスを引く速さで決まり、速く引けば薄く、ゆっくり引けば厚くなる。この方法による製品は日本産業規格のJIS R 3202「フロート板ガラス及び磨き板ガラス」に定められている。

家具では天板、扉、棚板、照明のシェードやディフューザーに使われる。透明であることは、物理的な面がありながら視線を遮らないという性質をもたらす。ガラス天板のテーブルが空間を狭く感じさせないのはこのためで、下に置いた敷物や床の表情もそのまま見える。ガエ・アウレンティのタヴォロ・コン・ルオテ(車輪付きテーブル)は、15mm厚のフロートガラスとキャスターだけで構成され、脚も幕板ももたない。透明な板がそのまま構造材になるという性質が、そのまま形になった例である。

そのまま用いると割れたときに鋭い破片になるため、家具の天板には強化ガラスが使われることが多い。加熱したガラスの表面を急冷し、表面に圧縮の力を、内部に引張の力を残した状態にすることで、同じ厚さの板ガラスより高い強度が得られる。割れた際には全体が細かい粒状に砕けるため、大きな破片による切創が起きにくい。強化ガラスの種類と品質はJIS R 3206に規定されている。カルロ・モリーノのアラベスコ・テーブルが10mmと8mmの強化ガラスで二段の面を構成しているように、薄い板で強度を確保したい部位に用いられる。

ただし強化ガラスには扱い上の制約がある。強度を生む応力の釣り合いが全体で成立しているため、切断も穴あけも研磨も、強化した後にはできない。加工はすべて強化の前に済ませておく必要がある。また、小口や角の欠けは内部の引張層に達しやすく、そこから全体が突然砕けることがある。天板の縁を硬いものにぶつけないこと、熱いものを直接置かないことが、扱いの基本になる。透明でありながら割れにくい材料が求められる場面では、ポリカーボネートが選ばれることもある。

Reference

フロートガラスとは?製造方法や特徴を詳しく解説(AGC Glass Plaza)
https://www.asahiglassplaza.net/knowledge/rg_knowledge/vol34/
JIS R 3202:2011 フロート板ガラス及び磨き板ガラス(日本規格協会)
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+R+3202:2011
JIS R 3206:2023 強化ガラス(日本規格協会)
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+R+3206:2023
板硝子協会が関与するJIS一覧(一般社団法人 板硝子協会)
https://www.itakyo.or.jp/standard/hf/revise_1.html

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