Longhi(ロンギ)

Longhiは、1950年代にイタリア・ブリアンツァ地方の家具産業の中心地メダにおいて、ロンギ兄弟によって創業されたラグジュアリー家具ブランドである。 木製テーブルや小型家具の製造からその歴史を歩み始め、半世紀以上にわたり「Made in Italy」の伝統と職人技を継承しながら、 世界のハイエンド家具市場において確固たる地位を築いてきた。現在は二代目が経営を担い、国際市場への積極的な展開を推進している。

同社のコレクションは、イタリアンコンテンポラリーデザイン家具の真髄を体現するものである。 洗練されたソファ、装飾性の高いドア、そして機能美を追求したファニシングコンプリメントの数々は、 熟練の職人による手仕事と最高品質の素材が織りなす芸術作品として、世界中のインテリアデザイナーや建築家から高い評価を受けている。

ブランドの特徴・コンセプト

Longhiが掲げる哲学の核心には、「信頼性」「唯一性」「エレガンス」という三つの価値観がある。 創業以来、ファミリービジネスとしてのアイデンティティを大切に守り続け、それを計り知れない財産として捉えている。 同社の製品は単なる家具ではなく、しばしばカスタマイズされた一点物の芸術作品として、伝統的な職人技への敬意を体現している。

素材へのこだわりも特筆すべき点である。天然石や大理石には真贋証明書と品質保証が付され、 レザーやファブリックは信頼のおける供給元から調達される。希少な銘木は熟練工の手によって加工され、 各製品に唯一無二の個性が吹き込まれる。顧客の要望に応じた完全オーダーメイドにも対応し、 寸法、仕上げ、カラーのすべてにおいてパーソナライズされた限定一点の製品を提供することが可能である。

Loveluxe コレクション

Loveluxeは、Longhiの旗艦コレクションとして「Luxury Living」の世界を牽引する存在である。 デザイナーの創造性と天然素材の特性が融合し、エレガントで洗練された美意識を表現している。 ソファ、アームチェア、チェア、ダイニングテーブル、コーヒーテーブル、コンソール、ベッドなど、 リビングエリアからスリーピングエリアまでを網羅する包括的なラインナップを擁する。 細部に至るまで職人の手で丁寧に仕上げられた製品群は、すべて100%イタリア製であることを誇りとしている。

コレクションは毎年テーマ性を持って拡張されており、「Nobles(2013年)」「Royal(2014年)」「Regency(2015年)」 「Vanity(2016年)」「Essence(2017年)」「Illusion(2018年)」「Rhythm(2019年)」「Sartoria(2020年)」 「Rhythm'21(2021年)」と続き、常に新しい美的提案を発信し続けている。

Aluminium Chic コレクション

Aluminium Chicは、空間の分割と建築的な内部空間の定義に特化したシステムコレクションである。 ドア、スライディングパネル、シェルビングユニット、ウォークインワードローブを展開し、 アルミニウムの自社加工技術を活かした製品群は、サイズ・スタイルともに進化を続けている。 技術的な完成度を追求しながらも、洗練されたエレガンスを失わない点がこのコレクションの真髄である。

Breath コレクション

2023年に発表されたBreath コレクションは、COVID-19パンデミック終息後の新しい時代を象徴するものとして誕生した。 ストレスと不確実性に満ちた困難な時期の終わりを祝福するかのように、穏やかで包み込むようなスタイルが特徴である。 外部の刺激を敏感に捉え、それを独自かつ際立ったデザインに昇華させるLonghiの才能が遺憾なく発揮されている。

ブランドヒストリー

1950年代、イタリア・ロンバルディア州モンツァ・ブリアンツァ県メダにて、ロンギ兄弟の発案により創業。 当初は木製テーブルや小型木製家具の製造を手がける工房として出発した。メダはミラノの北に位置し、 イタリア家具産業の中心地として知られる地域であり、カッシーナやB&B Italiaなど世界的家具メーカーが集積している。

年月を重ねるなかで、木工技術に加えてソファ製作のためのアップホルスタリー(張り地加工)技術、 そしてドア製造のためのアルミニウム加工技術を獲得し、事業領域を拡大していった。 この強い職人的影響力は、近年ではより贅沢で洗練されたビジョンへと昇華されている。 二代目の慧眼により、Longhiは国際市場への成長・拡大プロセスを開始し、 現在では売上の大部分を海外市場が占めるまでに至っている。

1965年よりミラノ・サローネ・デル・モビレへの出展を開始し、以来毎年新作コレクションを発表。 2019年には創業60周年を迎え、メダ本社のショールームを一新した。 1,320平方メートルの展示スペースは2フロアにわたり、1階にはドアと小型家具、 2階にはLoveluxeコレクションが展示されている。

2020年代に入り、グローバル展開をさらに加速。ミラノの中心部ヴィスコンティ・ディ・モドローネ通りに 600平方メートルの旗艦店をオープンし、ハノイ(ベトナム)、クアラルンプール(マレーシア)、 ウィーン(オーストリア)、ロンドン(イギリス)などに店舗を展開。 ドバイ、ニューヨーク、マイアミ、オスロ、アムステルダムなど世界の主要都市にもショップインショップを構えている。

主なインテリアとその特徴

Elda アームチェア

1963年、イタリアの伝説的デザイナー、ジョー・コロンボによってデザインされた「Elda」は、 20世紀を代表するアイコニックなデザインのひとつとして世界的に知られている。 この名称はコロンボの妻エルダに捧げられたものである。 回転する円形のベースの上に、二枚の花弁状のグラスファイバー製シェルが載り、 その内側にはレザー張りの取り外し可能なチューブ状クッションが配されている。

コロンボはこの作品において、1950年代のアメリカとスカンジナビアの家具デザインと、 1930年代の未来主義と機能主義を融合させたクラシックとの独創的な統合を達成した。 高い背もたれと包み込むようなシェルの形状がプライバシーを確保しつつ、 人間工学に基づいたクッションと隠されたキャスターによる360度回転機能が、 身体的・精神的な安らぎを提供する。当時の観察者にとっては「未来的デザイン」そのものであった。

Eldaは映画『007 私を愛したスパイ』(1977年)や『ハンガー・ゲーム』シリーズにも登場し、 ニューヨーク近代美術館(MoMA)やシカゴ美術館、ルーブル美術館のコレクションにも収蔵されている。 Longhiは創業当初よりComfort社とともにこの椅子の製造に携わり、現在も原設計に忠実な製造を続けている。 2023年にはElda誕生60周年を記念し、世界限定20脚のゴールドエディションを発表した。

Bravery ソファシステム

モジュラー構造を採用した現代的なソファシステムで、多様なコンポジションに対応する。 Longhiの職人技術の粋を集め、上質なレザーやベルベットの張り地と精緻な縫製が、 最高級の座り心地とエレガントな佇まいを両立させている。

Keope テーブル

建築家ジュゼッペ・ヴィガノがデザインしたダイニングテーブル。 大理石やオニキスの天板と、精緻な金属フレームワークの組み合わせが、 空間に堂々たる存在感をもたらす。カスタマイズ可能なサイズと仕上げにより、 あらゆるインテリアスタイルに調和する。

Forever System ボワズリー

壁面装飾システムとして2022年のサローネ・デル・モビレで注目を集めた製品。 伝統的なボワズリー(壁面木工装飾)の美学を現代的に解釈し、 アルミニウムフレームと多様な仕上げオプションにより、 空間全体の統一感を創出するアーキテクチュラルエレメントとして機能する。

Aoyama アームチェア

デザイナー、マルゲリータ・ファンティによる幾何学的フォルムが特徴のアームチェア。 その名称は東京・青山に由来し、東西の美意識の融合を象徴している。 幅広いファブリックとマテリアルフィニッシュの選択肢により、 顧客の個性的なスタイルに合わせたカスタマイズが可能である。

主なデザイナー

ジョー・コロンボ(Joe Colombo, 1930-1971)

ミラノ生まれの伝説的デザイナー。ブレラ美術アカデミーで絵画を、ミラノ工科大学で建築を学んだ後、 1950年代は抽象表現主義の芸術家として活動した。1958年に家業を継ぎ、プラスチック製造に着手。 1963年にデザインした「Elda」アームチェアは、スペースエイジを象徴するマスターピースとなった。 わずか10年余りのデザイナーとしてのキャリアにおいて、革新的な家具、照明、プロダクトデザインを数多く生み出し、 1972年にはニューヨーク近代美術館の「Italy: The New Domestic Landscape」展で紹介された。 未来のネットワーク化されたライフスタイルを予見した先見性は、今日においてもなお輝きを放っている。

ジュゼッペ・ヴィガノ(Giuseppe Viganò)

イタリアを代表するインダストリアルデザイナーの一人。家具製品のデザインおよび企業のアートディレクションを専門とする。 アート、ファッション、詩からの参照を重視し、絵画的なコンセプトやグラマラスなディテールから生まれる独創的な製品で知られる。 Longhi以外にも、Poliform、Arflex、Minotti、Lema、Porada、Bonaldo、Arketipoなど イタリアを代表する家具ブランドとのコラボレーション実績を持つ。 Longhi向けには「Ritual」ソファ、「Damien」テーブル、「Vivienne」アームチェア、「Keope」テーブル、 「Glen」ベッド、「Atar」ソファなど数多くの製品をデザインしている。

ジュゼッペ・イアスパッラ(Giuseppe Iasparra)

2004年にミラノのIDI'Acインテリアデザイン研究所を卒業後、 ミラノ、ロンドン、パリ、モスクワ、サンクトペテルブルク、バンコクなど 世界各地で住宅・商業インテリアのプロジェクトを手がける。 ソファ、テーブル、シート、カーペットなど多様な製品カテゴリーにおいて、 ディテールへのこだわりを共有する「拡張する世界」の創造を追求している。 Longhi向けの「Nobles」および「Royal」コレクションで顕著な成果を残しており、 「Cohen」ソファ、「Lloyd」アームチェア、「Karen」コーヒーテーブル、「Lotus」テーブルなどを手がけている。 2024年のサローネ・デル・モビレにおけるLonghiブースのデザインも担当した。

アレッサンドロ・ラ・スパーダ(Alessandro La Spada)

イタリアンスタイルを世界に伝える最も才能あるストーリーテラーの一人として評される。 オブジェクトに宿る感情的なコンテンツに魅せられ、独学でありながら真の職人の風格を持つ。 特にスチールとの密接な作業を好み、夢のような環境を想像し、物語を語る製品をデザインする。 Longhi向けには「Fold」モジュラーソファなどを手がけている。

ベン・ウー(Ben Wu)

Longhiとコラボレーションするデザイナーの一人。「Mi」ソファ、「LA」チェア、「Sol」アームチェアなど、 東洋的な感性とイタリアンクラフツマンシップの融合を試みた作品を発表している。

マルゲリータ・ファンティ(Margherita Fanti)

幾何学的なフォルムを特徴とする「Aoyama」アームチェア、「Miu」チェアなどをLonghi向けにデザイン。 シンプルかつ印象的なシルエットで、モダンな空間に調和する製品を生み出している。

基本情報

正式名称 LONGHI S.p.A.
創業 1950年代
創業者 ロンギ兄弟(Longhi Brothers)
本社所在地 イタリア ロンバルディア州モンツァ・ブリアンツァ県メダ(20821 Meda, MB, Italy)
ミラノ旗艦店 Via Visconti di Modrone, 12(Angolo Via Passione), 20122 Milano
主なコレクション Loveluxe、Aluminium Chic、Breath、Blooming、Resort(アウトドア)
製品カテゴリー ソファ、アームチェア、チェア、テーブル、スモールテーブル、コンソール、キャビネット、ベッド、ワードローブ、ドア、ボワズリー、ランプ、カーペット、アクセサリー
公式サイト https://www.longhi.it/