なぜ人は住まいの内側を美しく整えようとするのか? インテリアの歴史は、壁紙や家具の流行の変遷ではない。光の取り入れ方、素材の選び方、人の動かし方、そして「誰のための空間か」という意味の込め方 ── その全体が室内デザインである。旧石器時代のラスコーの石ランプからメンフィスグループのラミネート家具、21世紀の脱炭素リノベーションまで。人類の室内空間をめぐる全記録。
インテリアの歴史は、単なる「おしゃれな部屋の変遷」ではありません。
暖をとること、眠ること、食べること、客を迎えること、権力を誇示すること、死者を弔うこと ── 人が「内側の空間」に託してきた欲望と工夫のすべてが、ここに詰まっています。
この企画は時代順に6つのパートで構成されています。とくに第Ⅴ部「20世紀」は、インテリアデザインの歴史でもっとも激しく、もっとも豊かな変革が凝縮された時代として、全体の中心に据えました。壁が構造から解放され、鋼管が椅子になり、合板が身体を包み込み、プラスチックが色を爆発させ、そしてラミネートが「美とは何か」を問い直す ── わずか100年のあいだに起きた革命の密度は、他のどの世紀にも比較できません。
どのパートからでも読めますが、通して読むと「あの時代のあの発想が、ここにつながるのか」という発見があるはずです。