概要

タヴォロ・コン・ルオテは、ガエ・アウレンティが1980年にフォンタナ・アルテのために設計したローテーブルである。名称はイタリア語で車輪付きテーブルを指す。脚を持たず、工業用のキャスターをガラス天板に直接取り付ける。

特徴・コンセプト

部材を二つに絞る

構成は、厚さ15mmのフロートガラスと、黒く塗装した金属ブラケットに取り付けた4つのゴム製キャスターだけである。脚も幕板も持たない。天板の高さは床から25cmで、支える部材がキャスターの厚みだけに収まる。

ガラスは透明なため、床面に置いた他の物が透けて見える。視界を遮る面がないまま、素材そのものの重さで安定する。

工業用の部品を置き換える

アウレンティはフォンタナ・アルテの工場で、ガラス板の運搬に使う工業用の台車を目にした。台車の木製の荷台をガラス板に置き換えるという変更だけで、運搬用具がテーブルになる。既存の物の一要素を差し替えることで用途を変えるという方法にあたる。

図面を起こす段階を経ずに、着想からそのまま試作へ進んだと伝えられる。

動かせる

キャスターは装飾ではなく、実際に転がる。ローテーブルは配置を変える機会が多いが、ガラスの天板は重い。キャスターを付けることで、持ち上げずに動かせる。

エピソード

1979年にフォンタナ・アルテのアーティスティック・ディレクターに就任したアウレンティは、同社の製品をガラスという素材へ引き戻すことを課題としていた。工場の台車が目に留まったのは、その文脈においてである。

フォンタナ・アルテは、ルイジ・フォンタナが1881年に興したガラス製造業を出発点とする。1932年にジオ・ポンティとルイジ・フォンタナによって芸術部門が設立され、ピエトロ・キエーザ、マックス・イングランを経てアウレンティの時代を迎えた。

1993年、アウレンティは工業用キャスターの代わりに自転車の車輪を用いた発展形を発表している。

評価と影響

ガラスの天板を用いる点ではペドレラコーヒーテーブルと共通するが、あちらが細い鋼材を連ねて支えるのに対し、こちらは支持部そのものを工業部品に置き換えている。現在もフォンタナ・アルテのカタログに掲載されている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。

  • MoMA テーブル・ウィズ・ホイールズ(モデル2652、1980年) 収蔵番号 348.1982

基本情報

名称 タヴォロ・コン・ルオテ / Tavolo con Ruote(モデル2652)
デザイナー ガエ・アウレンティ(Gae Aulenti)
ブランド フォンタナ・アルテ(FontanaArte)
発表年 1980年
デザインの成立国 イタリア
分類 ローテーブル
構造 脚を持たず、工業用キャスターを天板に直接取り付ける
主要素材 フロートガラス(厚さ15mm、面取り仕上げ)、ゴム製キャスター、黒塗装の金属ブラケット
高さ 25cm
サイズ展開 100×100cm、110×110cm、120×120cm、150×150cm、100×150cm ほか
収蔵 MoMA(348.1982)

Reference

Table with Wheels (model 2652) | MoMA
https://www.moma.org/collection/works/3529
Tavolo con Ruote | FontanaArte
https://www.fontanaarte.com/en/products/tavolo-con-ruote