DLM サイドテーブルが長く愛される理由
DLM(Don't Leave Me)サイドテーブルは、デンマークのプロダクトデザイナー、トーマス・ベントゼンがHAYのために設計したポータブルサイドテーブルである。「Don't Leave Me(私を置いていかないで)」という名が示すとおり、フレームと一体になったハンドルによって、飲み物を載せたままテーブルごと持ち運べる。
粉体塗装スチール製の本体は、トレイ状の天板、3本の傾斜した脚、そしてゆるやかに曲がったハンドルだけで構成されている。ここから減らせる要素は残っていない。発表以来HAYの定番として世界各国で扱われており、ニューヨーク近代美術館のデザインストアでも販売されている。なおこれはミュージアムショップでの取り扱いであり、同館のコレクション収蔵を意味するものではない。
本ページでは、正規品の仕様とサイズ、類似商品との比較、暮らしへの取り入れ方、メンテナンス、購入方法までを整理する。
トーマス・ベントゼンの設計思想や経歴について詳しくはトーマス・ベントゼン プロフィールページをご覧ください。
DLM サイドテーブルのデザインストーリーについて詳しくはDLM サイドテーブル紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
DLM サイドテーブルは、デンマークのインテリアブランドHAYの現行商品として、スタンダードとXLの2サイズ、複数のカラーで展開されている。屋内使用を前提としたプロダクトであり、住宅・オフィス・ホスピタリティなど幅広い環境に対応する。
| 正式名称 | DLM(Don't Leave Me)サイドテーブル / DLM Side Table |
|---|---|
| デザイナー | トーマス・ベントゼン(Thomas Bentzen) / デンマーク |
| ブランド | HAY(ヘイ) |
| 素材 | 粉体塗装スチール |
| サイズ(DLM) | 直径38cm × 高さ44cm(ハンドル含め58cm) |
| サイズ(DLM XL) | 直径48cm × 高さ65cm(ハンドル上端まで) |
| カラー | マット仕上げ・ハイグロス仕上げの複数色を展開。ラインナップは時期により入れ替わるため、購入時点でHAY公式サイトまたは正規販売店にて確認されたい |
| 構造 | トレイ状天板+3本傾斜脚+一体型ハンドル。軽量かつ安定性の高い三脚構造 |
| 使用環境 | 屋内専用 |
| 参考価格帯(税込目安) | DLM:約¥15,000〜20,000。DLM XL:約¥20,000〜28,000。カラー、販売店、為替により変動するため目安として参照されたい |
| 納期 | 国内在庫品は短納期。取寄せとなるカラーは数ヶ月を要する場合がある。購入前に販売店へ確認されたい |
| お手入れ | 固く絞った布で拭き、乾いた布で水分を拭き取る。研磨剤・スコーリングパッド不可 |
DLMの設計上の核心は、フレームの一部として立ち上がるハンドルにある。付加された取っ手ではなく、製品の輪郭そのものを構成する要素である。ベントゼンは、使う人の必要を満たしながら、そこにあること自体が楽しさを生むような製品を目指すと語っている。トレイ状の天板は縁がわずかに立ち上がり、載せたものが滑り落ちにくい。3本の傾斜した脚は、見た目の軽さと安定性を両立させている。
類似商品・競合との比較
DLM サイドテーブルは、持ち運びを前提とした点で他に例が少ない。同価格帯の北欧デザインサイドテーブルと比較しておく。
| 比較項目 | DLM(HAY) | Tablo(ノーマンコペンハーゲン) | Around コーヒーテーブル(Muuto) |
|---|---|---|---|
| デザイナー | トーマス・ベントゼン | ニコライ・ヴィーグ・ハンセン | トーマス・ベントゼン |
| 素材 | 粉体塗装スチール | プラスチックコンポジット天板+アッシュ材脚 | アッシュ無垢材 |
| 特徴 | 一体型ハンドルで持ち運び可能。三脚構造 | ネジを使わず組み立てられる3本脚構造 | 木の温かみ。円形天板と3本脚 |
| 移動性 | ハンドル付き。片手で持ち運び可能 | 軽量だが移動用のハンドルはなし | 軽量だが移動用のハンドルはなし |
| カラー展開 | 複数色(マット+ハイグロス) | 複数色 | ナチュラルアッシュ、ブラック等 |
| 価格帯 | 約¥15,000〜28,000 | DLMをやや上回る価格帯 | DLMを大きく上回る価格帯 |
選び方の指針
部屋間の移動を頻繁に行い、ソファサイドからベッドサイド、テラスまでテーブルを連れて歩きたい方には、ハンドル一体型のDLMが最適である。スチール一素材の潔い構成と豊富なカラー展開は、空間にアクセントカラーを添える用途にも優れている。
ネジを使わず組み立てられ、プラスチックと木を組み合わせた軽快な一台を求めるならTabloが適している。木の質感を重視し、ナチュラルな北欧インテリアに溶け込むサイドテーブルを求めるならAroundがよい。こちらも同じベントゼンの設計であり、異なるアプローチで機能に向き合った作品として併せて検討されたい。
使用感と暮らしへの取り入れ方
2サイズの使い分け
スタンダードサイズのDLM(直径38cm、天板高44cm、ハンドル上端まで58cm)は、コーヒーカップ、スマートフォン、小さな本を置くのに十分なサイズである。ソファのアームレストに隣接させる、ベッドサイドに置いてナイトテーブルとして使う、読書中の飲み物置きとして椅子の傍に運ぶといった使い方が本来的な用途である。天板高44cmは一般的なソファの座面高(約40cm前後)とほぼ同じであり、手を伸ばしやすい高さに設定されている。
DLM XL(直径48cm、ハンドル上端まで65cm)は、天板面積が約1.6倍になり、ノートPC、雑誌数冊、花瓶などを載せられる。コーヒーテーブルの代わりとしても使えるサイズで、コンパクトなリビングやワンルームではメインテーブルにもなる。両サイズを並べ、高さの異なる入れ子として使う配置も一般的である。
空間別のコーディネート提案
リビングルームではソファサイドに配置するのが最も基本的な使い方である。ソファの横に1台、ラウンジチェアの横にもう1台と、色を変えて複数台を置けば、空間に色のアクセントが加わる。立ち上がったハンドルは、サイドテーブルとしては目を引く形をしている。
ベッドルームではナイトテーブルとして最適である。スマートフォン、目覚まし時計、グラス程度を置く用途にはスタンダードサイズで十分であり、読書灯や本も置きたい場合はXLサイズを検討されたい。ベッドサイドから書斎へ、さらにリビングへとハンドルで持ち運べる機動性は、従来のナイトテーブルにはない自由度をもたらす。
ホームオフィスやワークスペースでは、デスク周辺のサブテーブルとして活用できる。飲み物やスナックをデスク天板から分離して置くことで、作業スペースの確保と気分転換の切り分けが可能になる。会議やオンラインミーティングの際に手元へ引き寄せることもできる。
カラー選びのポイント
ブラックとホワイトはあらゆるインテリアスタイルに溶け込む万能色であり、初めての1台として最も安全な選択肢である。グレーや温かみのあるベージュ系は、ナチュラルテイストの空間に調和する。
イエロー、レッド、ブルー、グリーンといった鮮やかな色は、空間の差し色として機能する。ハイグロス仕上げはマット仕上げと光沢感が異なり、より華やかな印象を与える。日本国内に在庫がなく取寄せとなる色もあるため、納期の確認が重要である。
経年変化とメンテナンス
素材の経年変化
粉体塗装スチールは、屋内で使う限り塗装面の色褪せや変質が生じにくい。ただし日常的な使用に伴い、天板面に細かな擦り傷が蓄積していく。特に鍵やアクセサリー等の金属製品を天板に直接置く場合は、傷が付きやすい点に留意されたい。ハイグロス仕上げのカラーはサテン仕上げに比べ傷が目立ちやすい傾向がある。
直射日光に長時間さらされる環境では、塗装面の退色が生じる可能性がある。また直射日光に長くさらされるとスチール本体が高温になることがあるため、取り扱いに注意されたい。
日常メンテナンス
手入れは簡単である。固く絞った布(水、または水と中性洗剤の溶液)で天板と脚部を拭き、洗剤を使用した場合は直ちに乾いた清潔な布で残留石鹸を拭き取る。研磨クリームやスコーリングパッドは表面を傷つけるため使用しない。日常的には乾いた布での乾拭きで足りる。
修理・パーツ対応
構成する部品が少ないため、修理が必要になる場面は多くない。塗装面に深い傷や剥離が生じた場合は、HAY正規販売店に相談されたい。脚の接合部に緩みが出た場合は、増し締めで対応できる。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
公式サイトと海外正規ディーラー
HAY公式オンラインストア(hay.com)にて購入可能。また、MillerKnoll傘下であるHerman Millerのストアでも取り扱いがある。海外の正規ディーラーとしては、Skandium(英国)、Utility Design(英国)、nest.co.uk(英国)、Holloways of Ludlow(英国)、Really Well Made(英国)、Connox(ドイツ)、AmbienteDirect(ドイツ)、Finnish Design Shop(フィンランド)などがある。MoMAデザインストアでも取り扱い実績がある。
日本国内での購入
日本国内ではHAY正規販売店で購入可能である。greeniche(グリニッチ)、CIBONE(シボネ)、BERRY-KAGU等のオンラインストアが正規取扱店として知られている。HAY直営店舗および取扱店舗で実物の確認が可能。国内在庫のあるカラーは短納期で届くが、メーカー在庫切れや海外取寄せの場合は数ヶ月を要することがある。
購入時チェックリスト
- サイズの選択(DLM:直径38cm / DLM XL:直径48cm。用途と設置場所に応じて選定)
- カラーの選択(マット仕上げ / ハイグロス仕上げ。空間のカラースキームとの調和を確認)
- 在庫・納期の確認(国内在庫品は短納期。取寄せカラーは数ヶ月を要する場合あり)
- 設置場所の確認(ソファサイド、ベッドサイド、チェア横等。ハンドル高を含めた高さに周囲の家具との干渉がないか確認)
- 複数台購入の検討(2サイズのネスティング使い、異なるカラーでの複数配置など)
- 床面との相性(スチール脚の接地部分。デリケートな床材の場合はフェルトパッド等の使用を検討)
コーディネート事例
ニュー・スカンジナビアン
HAYの他のプロダクトと合わせ、ブランドの世界観でまとめる構成である。マグス・ソファやCan ソファの傍にブラックまたはグレーのDLMを置き、HAYのテキスタイルやアクセサリーで色を添える。ベントゼンがHAYのために設計したShade Binと組み合わせれば、デザイナーの統一感が生まれる。
カラーアクセントの効いたモダンリビング
モノトーンを基調としたリビングに、イエローやレッドのDLMを一台差し込む。鮮やかな色のサイドテーブルが空間の焦点となり、ソファやラグを買い替えずとも印象を変えられる。価格が手頃なぶん、色を試す余地も大きい。
コンパクトスペースのマルチユース
ワンルームや小さなリビングにおいて、DLM XLをメインのコーヒーテーブル代わりに使い、不要なときはハンドルを持って壁際に移動させる。来客時にはソファ前に戻し、就寝時にはベッドサイドへ運ぶ。限られた空間で一台の家具が複数の役割を担う。スタンダードとXLを1台ずつ揃え、入れ子として使う構成も狭い部屋に向く。
よくある質問
- 正規品の価格はどのくらいですか?
- DLM(スタンダード)は約¥15,000〜20,000、DLM XLは約¥20,000〜28,000が目安である。カラー、販売店、為替により変動する。デザイナーズサイドテーブルとしては手頃な価格帯にあたる。
- どこで購入できますか?
- HAY公式オンラインストア(hay.com)、日本国内ではgreeniche、CIBONE、BERRY-KAGU等のHAY正規取扱店で購入可能。海外ではSkandium、Connox、AmbienteDirect、Finnish Design Shop等の正規ディーラーが取り扱っている。
- 実物を確認できる場所はありますか?
- HAY直営店舗(コペンハーゲン、ロンドン等)および日本国内のHAY正規取扱店で実物の確認が可能。ただしカラーによっては展示がない場合があるため、事前に確認されたい。
- 納期はどのくらいかかりますか?
- 日本国内に在庫があれば短納期で届く。メーカー在庫切れや海外取寄せの場合は数ヶ月を要することがある。定番カラー(ブラック、ホワイト等)は在庫が安定している傾向にある。
- メンテナンスはどのようにすればよいですか?
- 固く絞った布で拭き、乾いた布で水分を拭き取る。研磨クリームやスコーリングパッドは使用しない。手入れの手間はほとんどかからない。
- DLMとDLM XL、どちらを選ぶべきですか?
- 飲み物やスマートフォンを置くソファサイド・ベッドサイド用途にはスタンダード(直径38cm)で足りる。本や雑誌も置きたい場合、コーヒーテーブルの代わりに使いたい場合はXL(直径48cm)を選びたい。両サイズを揃えて入れ子として使う手もある。
- 屋外でも使用できますか?
- HAYは屋内での使用を前提としている。粉体塗装スチールは一定の耐候性を持つが、雨や湿気に長時間さらされると錆びや塗装の劣化を招く。テラスやバルコニーでの一時的な使用にとどめ、使用後は屋内に戻されたい。
- 他に検討すべきHAYの名作は?
- HAYのテーブルラインでは、ロナン&エルワン・ブルレックによるPalissade アウトドアテーブル、レオン・ランスマイヤーによるTulou コーヒーテーブルなどが人気である。サイドテーブル以外では、ベントゼンがMuutoのためにデザインしたAroundコーヒーテーブルも、同じデザイナーの作品として比較検討されたい。それぞれの作品について詳しくは、当サイトの各紹介ページをご参照いただきたい。