このページについて

スカルプテッド・ブロンズ・フロント・キャビネットは、ポール・エヴァンスのスタジオが製作し、ディレクショナルが販売した収納である。木の本体に樹脂を盛って彫り、青銅色に仕上げる。表面は一点ごとに異なる。生産は終了しており、中古でのみ入手できる。

このページでは、仕様と個体差、中古で確かめる箇所、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

型によって寸法と構成が異なる。以下は競売会社の目録の記載による。

素材 木の上に樹脂を盛り、青銅色に仕上げる(bronzed resin over wood)。着色した鋼を組み合わせる個体もある
天板 スレート
扉と内部 折れ戸。内部に可動棚、型によって引き出しが付く
刻印 底面に「PE」と製作年の下2桁を刻む(例: PE 69、PE 72)
型と寸法の例 壁掛けの PE-40(1969年): 高さ約61×幅約183×奥行約51cm。床置きの2枚扉の個体(1972年): 高さ約80×幅約185×奥行約52cm
生産状況 生産は終了している。中古でのみ入手できる

手彫りによる個体差

表面は手で彫られるため、凹凸の配置と色味が一点ごとに異なる。同じ型でも写真と同じ見え方にはならず、複数を並べても揃うとは限らない。

注文による製作はできないため、流通している個体から型と寸法、状態を見て選ぶことになる。

中古で確かめる箇所

製作から50年ほどを経ているため、状態の確認が購入の判断に関わる。

箇所 確かめること
彫った表面 欠け、剥がれ、擦れ、補修の跡
スレートの天板 割れ、欠け、染み
折れ戸と棚 開閉の動き、蝶番の緩み、棚板が揃っているか
刻印 底面の「PE」と製作年

彫った表面の補修は、当初の技法を再現する作業になる。購入前に対応できる業者と費用を調べておく。

同じ設計者の他の系列との比較

同じ設計者の収納でも、表面のつくり方によって手入れと補修の条件が変わる。

比較項目 スカルプテッド・ブロンズ ファセテッド・フロント・キャビネット(シティスケープIIシリーズ)
表面 彫った凹凸を青銅色に仕上げる クロムめっきした鋼または木の突板で覆った部材を、角度を変えて並べる
天板 スレート 型による
手入れ 凹凸に埃が溜まる 面が多く指紋と傷が目立つ
補修 当初の技法の再現を要する 再めっきを要する

使用感と設置条件

寸法と搬入

幅は2m近い型が多い。搬入経路と設置場所を実測する。壁掛けの型では、壁の下地の位置と強度を確かめる。

スレートの天板

スレートは層状に割れる性質があり、硬いものが当たると欠ける。水分と油分は染みになるため、こぼしたら拭き取る。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

彫った表面は樹脂によるため、強い衝撃で欠ける。仕上げは擦れると下地が現れる。蝶番は繰り返しの開閉で緩む。

日常の手入れ

彫った表面
柔らかい刷毛で凹凸の埃を払い、乾いた柔らかい布で拭く。研磨剤は用いない。
スレートの天板
水分と油分をすぐに拭き取る。

どこで買うか

入手の経路

生産は終了しており、20世紀の家具を扱う販売店と競売で中古の個体が流通する。価格は型、寸法、状態によって幅がある。

購入前チェックリスト

  • 中古でのみ入手できること
  • 型(壁掛けか床置きか)と寸法
  • 設置場所と搬入経路の実測
  • 彫った表面の欠け、剥がれ、補修の跡
  • スレートの天板の割れと欠け
  • 折れ戸の開閉と棚板
  • 底面の刻印
  • 補修に対応できる業者と費用

よくある質問

価格はどのくらいですか?
生産は終了しており、価格は中古の市場で決まります。型、寸法、状態によって幅があります。
どこで購入できますか?
20世紀の家具を扱う販売店と競売で、中古の個体が流通しています。
新品は買えますか?
買えません。生産は終了しており、中古でのみ入手できます。寸法や仕様を指定して注文することもできません。
表面は青銅でできていますか?
木の本体に樹脂を盛って手で彫り、青銅色に仕上げたものです。競売の目録では bronzed resin over wood と記載されます。
寸法はどのくらいですか?
型によって異なります。例として、壁掛けのPE-40は高さ約61cm、幅約183cm、奥行約51cm、床置きの2枚扉の個体は高さ約80cm、幅約185cm、奥行約52cmです。
製作年は分かりますか?
底面に「PE」と製作年の下2桁が刻まれています(例: PE 69)。出品の記載や写真でご確認ください。
中古で何を確かめればよいですか?
彫った表面の欠けと剥がれ、補修の跡、スレートの天板の割れと欠け、折れ戸の開閉と蝶番の緩み、棚板が揃っているか、刻印をご確認ください。
手入れはどうすればよいですか?
彫った表面は柔らかい刷毛で凹凸の埃を払い、乾いた柔らかい布で拭いてください。研磨剤は用いないでください。スレートの天板は水分と油分をすぐに拭き取ってください。