ポール・エヴァンス:金属彫刻家具の革新者
ポール・R・エヴァンスII世(1931-1987)は、20世紀後半のアメリカンデザイン史において異彩を放つ家具デザイナー、彫刻家、芸術家である。彼が確立した金属彫刻家具という独自のジャンルは、1970年代のアメリカンクラフト運動における最も重要な貢献の一つとして評価されている。ブルータリズムの美学と彫刻的表現を融合させた彼の作品は、家具というカテゴリーを超えて芸術作品としての地位を確立し、21世紀に入ってからその評価は飛躍的に高まり、現代デザイン市場において最も収集価値の高い作品群となっている。
バイオグラフィー
初期の教育と修業時代(1931-1955)
1931年5月20日、ペンシルベニア州バックス郡ニュータウンに生まれたポール・エヴァンスは、若くして金属加工と彫刻に深い関心を抱いた。彼の教育の軌跡は、当時のアメリカにおける最も権威ある工芸教育機関を網羅している。1950年にフィラデルフィア繊維研究所で学び始め、同年にはニューヨーク州ロチェスターのロチェスター工科大学アメリカ工芸学校に入学。ここで影響力のある銀細工師であり教育者でもあったジョン(ジャック)プリップとローレンス・コープランドに師事し、金属加工の基礎を徹底的に習得した。
1952年、エヴァンスはミシガン州ブルームフィールドヒルズのクランブルック芸術アカデミーに進学する。モダンデザインと芸術の揺籃の地として知られるこの名門校での経験は、彼の芸術観に決定的な影響を与えた。クランブルックでは、機能性と芸術性を統合する革新的なアプローチを学び、後の彼の作品に顕著に現れる実験的精神の基盤を築いた。
卒業後、エヴァンスはマサチューセッツ州のOld Sturbridge Villageに移り、正規の職人として勤務する。この生きた歴史博物館で、彼は18世紀から19世紀のニューイングランドにおける銀細工の実演を行った。時代衣装を身にまとい、伝統的な銀細工技法を観客の前で披露するこの経験は、歴史的工芸技術への深い理解と敬意を彼に与えると同時に、これらの伝統を現代的文脈に翻訳する能力を養った。
ニューホープ時代とパウエルとの協働(1955-1964)
1955年、エヴァンスはペンシルベニア州ニューホープに移住し、木工家具デザイナーのフィリップ・ロイド・パウエルと共同でショールームを開設した。この決断は、彼のキャリアにおける重要な転換点となった。資金に乏しかった二人は、隣人である著名な木工家具デザイナー、ジョージ・ナカシマの廃材置き場から木材を調達するという謙虚なスタートを切った。パウエルが木材を扱い、エヴァンスが金属を専門とするこの協働関係は、互いの才能を補完し合う理想的なパートナーシップとなった。
1950年代を通じて、エヴァンスは銅製のチェストの制作から始め、やがて彫刻的なスチール前面を持つキャビネットへと進化していった。この時期の作品は、伝統的な工芸技術と新しい素材、産業技術を融合させる彼の特徴的なアプローチを示している。金属を鍛造し、溶接し、パティナをかけることで、彼は家具に彫刻的な質感と視覚的な深みを与えた。
1961年、エヴァンスとパウエルはニューヨークのアメリカハウス(現在のミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン)で開催されたコンテンポラリー・クラフツ美術館での二人展に招待された。この展覧会は、エヴァンスのキャリアにおける重要な突破口となった。彼はここで独創的な「フォージドフロント・スクリーン」(鍛造前面スクリーン)をデビューさせ、批評家と収集家の注目を集めた。この成功により、彼の名声は工芸界で確固たるものとなった。
Directional Furniture時代:商業的成功と芸術的開花(1964-1979)
1964年、エヴァンスはアメリカの影響力のある家具メーカー、Directional Furnitureと契約を結んだ。この提携は、彼のキャリアの性質と規模に劇的な変化をもたらした。Directionalとの関係において、エヴァンスは創造的製造の独特な基準を確立した。彼はすべての作品が手作業で制作され、手仕上げされ、製造工程の各段階で彼自身の監督下に置かれることを要求した。この「一度に一つの作品」というアプローチは、大量生産の時代において極めて異例であり、彼の作品に芸術品としての地位を与えた。
Directionalとの契約期間中、エヴァンスは複数の革新的な家具ラインを導入した。1960年代中期の「スカルプテッド・ブロンズ」シリーズは、合板または鋼鉄フレームの上にエポキシ樹脂を塗布し、手で成形した後、霧状のブロンズでコーティングするという独自の技法を採用している。この手法により、各作品に独特の質感と芸術的なニュアンスを与えることができた。
1960年代後期から1970年代初期にかけての「アルジャンテ」シリーズは、アルミニウムと顔料を含浸させた金属表面を溶接して抽象的な有機形態とパターンを創造した。フランス語で「銀」を意味するこのシリーズは、不透明な黒と反射する銀の並置、そして絵文字的な「ドローイング」とパターンによって特徴づけられる。しかし、この製法は極めて有毒であることが判明し、危険なスタジオ環境を作り出したため、エヴァンスの最も短命なシリーズの一つとなった。それゆえに現在では最も希少で収集価値の高いシリーズとして知られている。
1966年、エヴァンスはペンシルベニア州プラムステッドヴィルに移転し、より大規模な工房を開設した。Directionalのための仕事と並行して、彼は独自のプロトタイプの制作、委嘱作品の製造、そして高浮彫りの手鍛造装飾要素を特徴とする彫刻前面スクリーン、サイドボード、コラージュ、椅子、テーブルの制作を続けた。
1970年代、エヴァンスは彼の最も象徴的で商業的に成功したシリーズである「シティスケープ」を発表した。マンハッタンのスカイラインに着想を得たこのコレクションは、ブルータリスト・デザインの歴史における画期的な作品として評価されている。箱型の形態に、クロームメッキされた鋼鉄、ブロンズ、またはバールウッドベニヤの長方形プラークを不規則なモザイクパターンで組み合わせたデザインは、1970年代後期の洗練された「ハイテク」感性と完璧に調和した。1960年代の塗装された質感の豊かな彫刻スチール作品とは対照的に、シティスケープシリーズは滑らかで反射的な表面を誇り、真鍮とクロームの優雅さを特徴とした。
ニューヨーク・タイムズ紙は、エヴァンスが「ファッションを理解し、若者文化を受け入れ、腹話術師のシャーリー・ルイスや歌手のロイ・オービソンといった著名人のためにカスタムメイドの作品を制作した」と評した。彼の作品は頻繁に署名され、カスタムアイテムの一部には署名と日付が付されている。この実践は、各作品の真正性と収集価値を高めることに貢献した。
独立と最晩年(1979-1987)
1979年、エヴァンスはDirectional Furnitureとの関係を終了し、ニューヨーク市イースト61番街306番地に独自の小売ショールームを開設した。このショールームでは、アルコボンド家具や電子家具を提供し、大きな金属製の鶏のバーや「指」椅子、官能的なS字カーブのソファといった、ポップイメージを持つ風変わりな作品を展示した。
1970年代後期、エヴァンスはSt. Regis Paper Companyと協力して「コルゲート」段ボール家具をデザインした。Directionalによって販売されたこのラインには、椅子、プラットフォームベッド、本棚、テーブル、収納ユニットなど、アパートを家具で満たすために不可欠な作品が含まれていた。若者のライフスタイルのためにデザインされたこのコレクションについて、エヴァンスは「朝に誰かと出会って恋に落ち、午後にアパートを設置して家具を配置し、夜を過ごして翌朝別れることができる――少なくとも経済的には大きな傷を負わずに」と語っている。
1987年3月6日、エヴァンスは事業を閉鎖し、ナンタケット島の別荘へと車を走らせた。翌朝、彼は心臓発作を起こし、55歳の若さでこの世を去った。彼の突然の死は、デザイン界に大きな衝撃を与え、未だ進化を続けていた才能の喪失として悼まれた。
デザインの思想とアプローチ
家具を彫刻として捉える視点
エヴァンスのデザイン哲学の核心は、家具を単なる機能的オブジェクトとしてではなく、彫刻的かつ抽象的な構成として捉える視点にあった。彼は家具制作に対する伝統的な概念に挑戦し、各作品を三次元の芸術作品として扱った。この哲学は、彼が常に境界を押し広げ、金属と家具制作への革新的なアプローチを追求したことに表れている。
彼の作品は、彫刻とデザインの魅惑的な交差点を明らかにしている。高浮彫りの鍛造装飾要素を特徴とする彼の作品群は、まさに機能的な彫刻であり、実用性と芸術性の境界を曖昧にした。エヴァンス自身、この装飾性について次のように説明している:「現在のほとんどの部屋は、建築的なディテールのない単純な石膏の箱です。ですから、少なくとも家具のいくつかはディテールと豊かさを持つべきなのです。」
実験的素材と技術革新
エヴァンスの際立った特徴は、新しい素材と技術に対する飽くなき実験精神であった。彼の工房は産業研究室のように機能し、伝統的素材と合成素材の両方を絶え間なく実験した。溶接、冶金学、ジュエリーデザインのスキルを駆使し、彼は独自の技法を開発した。
造船業界から借用した技法を含む産業製造技術を取り入れることで、彼の工房労働者たちは、工芸とデザインの領域において極めて特徴的な表現力を家具に注入することができた。エヴァンスは、溶融材料の滴りと流れ、塗装された質感のある表面、有機的な形態を用いて表現的内容を探求し、家具を彫刻および抽象的構成として扱うアプローチを確立した。
手工芸と技術の統合
エヴァンスの手工芸と技術の統合は、今日の限定版アート家具を先取りするものであった。Directional Furnitureとの関係において、彼はすべての作品が手作業で制作され、手仕上げされ、製造工程の各段階で芸術家自身の監督下に置かれることを主張した。この姿勢は、大量生産の時代において創造的製造の独特な基準を確立した。
各作品が一つずつ丁寧に制作されるこのアプローチは、エヴァンスの家具に芸術作品としての地位を与え、同時に実用的な機能性を維持した。この二重性――芸術と実用性の完璧なバランス――こそが、彼の作品が時代を超えて評価され続ける理由である。
作品の特徴
金属の彫刻的表現
エヴァンスの作品を特徴づける最も顕著な要素は、金属の彫刻的扱いである。木材を主要素材とした同時代のスタジオデザイナーやバックス郡の隣人であるジョージ・ナカシマやフィリップ・ロイド・パウエルとは対照的に、エヴァンスは金属を主要素材として選択した。鋼鉄、ブロンズ、アルミニウム、銅といった金属を鍛造し、溶接し、パティナ処理を施すことで、彼は各素材に豊かな色彩、質感、動きの示唆を与えた。
彼の鍛造家具は、優雅さよりも筋骨たくましさを持ち、豊富な金箔の使用にもかかわらず、その頑強さにおいて漠然と中世的な雰囲気を漂わせている。特にチェストは、攻撃的な三次元ファサードを持つ単純な箱であり、機能的なフォルムに芸術的な装飾を融合させている。
ブルータリズムの美学
エヴァンスは、1950年代から1970年代に建築界で流行したブルータリズムの美学を家具デザインに翻訳した先駆者の一人である。巨大で主にコンクリート製の建物、モジュラーな外観、そして見る者の物理的空間に突出したり飛び出したりするように見える部分を特徴とするブルータリスト建築のこれらの特徴は、エヴァンスの家具にも反映されている。
硬い線と鋭いエッジを持つエヴァンスの作品は、ミニマリストではないが、初期様式の装飾的な「美」も展示していない。むしろ、それらは自然をロマンチックで牧歌的で慈悲深いものとしてではなく、冷酷で暴力的で情け容赦ないものとして――あるがままの自然として――参照する有機的な質と活発な生命力を持っている。
パッチワークとモザイク技法
エヴァンスの独創的な技法の一つは、異なる金属や素材を組み合わせてパッチワークやモザイクのような表面を創り出すことであった。銅、真鍮、ピューター、鋼鉄を溶接し、パティナ処理を施して色彩の変化を生み出し、各作品に独特の視覚的複雑さを与えた。
特にシティスケープシリーズにおいて、この技法は洗練された形で表現されている。クロームメッキされた鋼鉄、ブロンズ、バールウッドベニヤの長方形プラークを不規則なモザイクパターンで配置することで、マンハッタンのスカイラインの密集した建物と窓ガラスを想起させる視覚的効果を生み出した。
質感と表面処理の多様性
エヴァンスの作品は、質感と表面処理の驚くべき多様性を示している。スカルプテッド・ブロンズシリーズでは、重い油性顔料を熱と酸で処理して、地殻のような質感を持つ多色表面を創り出し、多様な色彩とパティナの変化を生み出した。一方、シティスケープシリーズでは、滑らかで反射的な表面が特徴で、真鍮とクロームの輝きが部屋に洗練された現代性をもたらした。
この質感の幅広いレパートリーにより、エヴァンスの作品は様々なインテリア環境に適応することができ、各作品が独自の視覚的および触覚的体験を提供した。
主な代表作とその特徴
スカルプテッド・ブロンズ・シリーズ(1960年代中期)
エヴァンスの最も表現力豊かな作品群であるスカルプテッド・ブロンズ・シリーズは、合板または鋼鉄フレームの上にエポキシ樹脂を塗布し、手で成形した後、霧状のブロンズでコーティングするという独自の技法を採用している。この手法により、椅子、テーブル、ケースピースの制作において芸術的なニュアンスを可能にした。
このシリーズの作品は、有機的で流動的な形態を特徴とし、溶岩のような質感と深い色彩の変化を持つ。各作品は本質的にユニークであり、手作業による成形プロセスが各作品に独自の個性を与えた。スカルプテッド・ブロンズ・ダイニングテーブル(モデルPE-102)やスカルプテッド・ブロンズ・キャビネットは、このシリーズの代表作として知られ、厚いガラス天板や石板の天板と組み合わされて、彫刻的な金属ベースの重量感と透明性のコントラストを生み出している。
アルジャンテ・シリーズ(1965-1972)
フランス語で「銀」を意味するアルジャンテ・シリーズは、エヴァンスの最も短命でありながら最も収集価値の高いシリーズの一つである。アルミニウムと顔料を含浸させた金属表面を溶接して抽象的な有機形態とパターンを創造したこのシリーズは、不透明な黒と反射する銀の劇的な並置、そして絵文字的な「ドローイング」とパターンによって特徴づけられる。
しかし、この製法は極めて有毒であることが判明し、危険なスタジオ環境を作り出したため、迅速に放棄された。その高い製造コストと製造の固有の困難さのため、アルジャンテはエヴァンスの最も短命なシリーズとなったが、それゆえに現在では最も希少で収集価値が高い。オリジナルのアルジャンテ作品は、オークションで極めて高額で取引されており、コレクターの間で伝説的な地位を占めている。
シティスケープ・シリーズ(1970年代)
エヴァンスの最も象徴的で商業的に成功したシリーズであるシティスケープは、マンハッタンのスカイラインに着想を得た革新的なデザインコレクションである。ブルータリスト・デザインの歴史における画期的な作品として評価されるこのシリーズは、箱型の形態に、クロームメッキされた鋼鉄、ブロンズ、またはバールウッドベニヤの長方形プラークを不規則なモザイクパターンで組み合わせたデザインを特徴とする。
シティスケープ・ダイニングテーブルのベースにあるクロームメッキされた鋼鉄パネルは、マンハッタンの密集した建物群と窓ガラスを反映し、シティスケープ・セティのフレームにある真鍮と細長い長方形と幅広い箱型の配列は、都市建築の幾何学的パターンを想起させる。顕著な幾何学的形態と金属とバールウッドの大胆なパッチワークの融合を持つこのシリーズは、表現力豊かで全体的に彫刻的である。
1960年代の塗装された質感の豊かな彫刻スチール作品とは大きく異なり、シティスケープシリーズは滑らかで優雅な表面を誇り、真鍮とクロームの高光沢が1970年代後期の洗練された「ハイテク」感性と完璧に調和した。このシリーズは、ポール・エヴァンスの家具に大きな認知をもたらし、Directional Furnitureを20世紀の最も注目すべきミッドセンチュリー・デザイン企業の一つとして確立した。
パッチワーク・コッパー、ピューター、ブラス・シリーズ
エヴァンスのパッチワーク技法は、銅、ピューター、真鍮、鋼鉄などの異なる金属を溶接し、パティナ処理を施して色彩の変化を生み出すことで、各作品に独特の視覚的複雑さを与えた。このシリーズのコーヒーテーブルやキャビネットは、金属の色調の多様性――銀色、金色、銅色の輝き――を祝福し、真鍮、鉄、鋼鉄、ブロンズで表現された金属の芸術的祝賀となっている。
パッチワーク技法の作品は、各金属パネルが手作業で鍛造され、溶接され、パティナ処理されているため、本質的にユニークである。この労働集約的なプロセスは、各作品に芸術品としての地位を与え、大量生産された家具とは一線を画している。
フォージドフロント・スクリーン、サイドボード、コラージュ
1960年代から1970年代にかけて、エヴァンスは高浮彫りの手鍛造装飾要素を特徴とするユニークなフォージドフロント・スクリーン、サイドボード、コラージュ、テーブルを制作した。これらの作品は、彼の彫刻的才能と金属加工技術の習熟を最も直接的に示している。
p>重い油性顔料を熱と酸で処理して、地殻のような質感を持つ多色表面を創り出し、多様な色彩とパティナの変化を生み出したこれらの作品は、エヴァンスの最も表現力豊かで芸術的な作品群である。各作品の前面は、抽象的なパターン、有機的な形態、時には具象的なモチーフを組み合わせた複雑な金属彫刻であり、機能的な家具でありながら壁面彫刻としても機能する。功績と業績
アメリカンスタジオファニチャー運動への貢献
エヴァンスは、20世紀中期のアメリカンスタジオファニチャー運動における主導的人物として認識されている。彼の革新的な金属加工と家具制作へのアプローチは、常に境界を押し広げ、彫刻とデザインの魅惑的な交差点を明らかにした。家具を彫刻および抽象的構成として捉える彼のアプローチは、工芸とデザインの領域において新たな可能性を開いた。
Directional Furnitureとの革新的パートナーシップ
Directional Furnitureとのエヴァンスの関係は、創造的製造の独特な基準を確立した。すべての作品が手作業で制作され、手仕上げされ、製造工程の各段階で芸術家自身の監督下に置かれることを主張することで、彼は大量生産の時代において芸術的完全性を維持する新しいモデルを提示した。この「一度に一つの作品」というアプローチは、今日の限定版アート家具を先取りするものであった。
主要展覧会と回顧展
エヴァンスの作品は、彼の生涯と死後において多数の重要な展覧会で展示された。最も重要な展覧会は、2014年にペンシルベニア州ドイルズタウンのジェームズ・A・ミシェナー美術館で開催された初の包括的回顧展「ポール・エヴァンス:境界を越えて、モダニズムを創造する」である。
この展覧会は、エヴァンスのキャリア全体にわたる65点以上の作品で構成され、初期の金属細工とジュエリーの選りすぐりの例、1950年代にスタジオを共有していた時期にエヴァンスとフィリップ・ロイド・パウエルが制作した協働作品、そしてスカルプテッド・スチール、ヴェルディグリス銅、銅・ブロンズ・ピューター、アルジャンテ、スカルプテッド・ブロンズ、シティスケープ技法を代表するエヴァンスのスタジオ作品の包括的なセレクションが含まれた。展覧会はまた、エヴァンスの彫刻の例とDirectional Furniture Companyのために制作した作品のセレクションも展示した。
この回顧展は、ミシェナー美術館での開催後、2014年6月21日から10月12日までミシガン州ブルームフィールドヒルズのクランブルック美術館に巡回した。展覧会カタログには、エール大学のエドワード・クック、ニューヨーク・ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインの新任ディレクターであるグレン・アダムソン、クランブルック美術館ディレクターのグレゴリー・ウィットコップ、ニューヨーク大学のロバート・スリフキン、ヘレン・ドラット・イングリッシュ、そしてコンスタンス・キマールによるエッセイが含まれている。
展覧会には、トッドとローレン・メリルによって制作された短編ドキュメンタリー「ポール・エヴァンス:ハイクラフトからハイグラムへ」が付随し、エヴァンスの工房労働者、家族、そしてレニー・クラヴィッツやアダム・リンデマンといった現代のコレクターへのインタビューが含まれている。
評価と後世への影響
21世紀における評価の飛躍
エヴァンスの死後、彼の作品は21世紀に入って評価が飛躍的に高まった。現代デザイン市場において最も収集価値の高い作品群の一つとなり、彼のキャビネットとクレデンザはオークションで25万ドル以上で売却され始めた。2017年には、エヴァンスのキャビネットがオークションで38万2千ドルで落札され、彼の作品の市場価値の高さを示した。
グウェン・ステファニー、レニー・クラヴィッツ、トミー・ヒルフィガーといった著名人が熱心なコレクターとして報告されており、エヴァンスの作品は文化的アイコンとしての地位を確立している。レニー・クラヴィッツは、エヴァンスの独特な作品を「驚くほど美しく、驚くほど醜く、驚くほど俗悪で、驚くほど洗練されている」と評し、その多面的な魅力を表現している。
20世紀後半モダニズムにおける位置づけ
デザイナーであり彫刻家でもあったポール・エヴァンスは、20世紀後半のモダニズムにおける「ワイルドカード」として位置づけられる。アメリカンスタジオファニチャー運動の主導的存在であるエヴァンスのサイドボード、クレデンザ、コーヒーテーブル、その他の作品は、独特の美的センスを示すと同時に、一見矛盾する民芸形態と新しい素材・技術の両方への評価を表している。
金属を主要素材としたエヴァンスのアプローチは、木材を好んだ同時代のスタジオデザイナーやバックス郡の隣人であるジョージ・ナカシマやフィリップ・ロイド・パウエルとは一線を画していた。彼は冶金学の訓練を受け、モダンデザインと芸術の有名な揺籃の地であるデトロイト郊外のクランブルック芸術アカデミーで学んだ。
現代デザインへの継続的影響
エヴァンスの手工芸と革新的なデザイン技術の組み合わせは、現代の家具デザインに影響を与え続けている。彼の作品は、アメリカ芸術史の祝福された一部として、家具が単なる機能的オブジェクトを超えて芸術表現の媒体となり得ることを示した。
彼の実験的精神、素材への革新的アプローチ、そして家具を彫刻として捉える視点は、現代のデザイナーたちに境界を押し広げ、新しい可能性を探求することを鼓舞し続けている。エヴァンスの遺産は、20世紀のアメリカンデザインにおける最も重要で影響力のある貢献の一つとして確固たる地位を占めている。
批評家と学者による評価
批評家と学者は、エヴァンスを「想像力豊かなダイナモ」(フィラデルフィア・インクワイアラー紙)、「20世紀後半で最も収集可能なアメリカの家具デザイナー」(トッド・メリル・スタジオ)として評価している。彼の作品は「日常的なオブジェクトがどのように見え、どのように作られるかに挑戦した超越的な作品」として描かれ、「彫刻とデザインの魅惑的な交差点を明らかにし続けている」と評されている。
2014年のミシェナー美術館回顧展のカタログにおいて、学者たちはエヴァンスの芸術的出力を20世紀の芸術、デザイン、文化における現象に対して検証し、アールデコとミッドセンチュリー・モダニズムへの回顧とポストモダニズムへの展望を提供している。エッセイストたちは、革新的な金属と家具制作へのアプローチで常に境界を押し広げた芸術家を明らかにしている。
作品一覧
| 年代 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1952年 | 銀器 | コーヒーポット | Paul Evans Studio |
| 1950年代 | キャビネット | 銅製チェスト | Paul Evans Studio |
| 1950年代後期 | キャビネット | 彫刻スチール前面キャビネット | Paul Evans Studio |
| 1961年 | スクリーン | フォージドフロント・スクリーン | Paul Evans Studio |
| 1962年頃 | キャビネット | コラボレーション・キャビネット(with Phillip Lloyd Powell) | Paul Evans Studio |
| 1964-1979年 | シリーズ | スカルプテッド・スチール・シリーズ | Directional Furniture |
| 1965-1972年 | シリーズ | アルジャンテ・シリーズ | Directional Furniture / Paul Evans Studio |
| 1960年代中期 | シリーズ | スカルプテッド・ブロンズ・シリーズ | Directional Furniture |
| 1960年代中期 | シリーズ | ヴェルディグリス銅シリーズ | Directional Furniture |
| 1966年 | キャビネット | スカイライン・キャビネット | Paul Evans Studio |
| 1967年 | テーブル | ユニーク・キャビネット | Paul Evans Studio |
| 1967年 | テーブル | 溶接パティナ仕上げ金属エンドテーブル(ペア) | Paul Evans Studio |
| 1968年 | キャビネット | ディープレリーフ・クレデンザ(Model PE-38) | Directional Furniture |
| 1968年 | キャビネット | アルジャンテ2ドア・キャビネット | Directional Furniture |
| 1968年 | キャビネット | 銅張りバーキャビネット(Model PE-32) | Directional Furniture |
| 1968年 | キャビネット | 溶接2ドア壁掛けキャビネット | Paul Evans Studio |
| 1968年 | キャビネット | アーティザン4ドア・クレデンザ | Directional Furniture |
| 1968年 | テーブル | 溶接エナメル仕上げスチールキューブサイドテーブル(ペア) | Paul Evans Studio |
| 1968年 | テーブル | 金箔ベース石板天板サイドテーブル | Paul Evans Studio |
| 1968年 | シェルフ | 壁掛けシェルフ(Model PE-68) | Directional Furniture |
| 1969年 | テーブル | パッチワーク・コーヒーテーブル(大型) | Paul Evans Studio |
| 1969年 | キャビネット | スカルプテッド・ブロンズ・ブルータリスト・サイドボード | Directional Furniture |
| 1969年 | 椅子 | スカルプテッド・ブロンズ・ダイニングチェア6脚セット | Directional Furniture |
| 1969年 | キャビネット | アルジャンテ2ドア・キャビネット | Directional Furniture |
| 1970年 | テーブル | スカルプテッド・ブロンズ・ダイニングテーブル(Model PE-102) | Directional Furniture |
| 1970年 | キャビネット | スカルプテッド・ブロンズ・キャビネット(スチール要素・石板天板付) | Directional Furniture |
| 1970年 | 椅子 | ブルータリスト・スカルプテッド・ブロンズ・ダイニングチェア12脚セット | Directional Furniture |
| 1970年 | その他 | パッチワーク・ライター&灰皿(エッチングアルミニウム) | Paul Evans Studio |
| 1970年 | その他 | パッチワーク装飾ボックス(エッチングアルミニウム) | Paul Evans Studio |
| 1970年代 | シリーズ | パッチワーク・コッパー、ピューター、ブラス・シリーズ | Directional Furniture |
| 1970年代 | シリーズ | シティスケープ・シリーズ | Directional Furniture |
| 1970年代 | テーブル | シティスケープ・ダイニングテーブル/ゲームテーブル | Directional Furniture |
| 1970年代 | キャビネット | シティスケープ・クレデンザ | Directional Furniture |
| 1970年代 | テーブル | シティスケープ・コーヒーテーブル | Directional Furniture |
| 1970年代 | 椅子 | シティスケープ・セティ | Directional Furniture |
| 1970年代 | シェルフ | シティスケープ壁掛けシェルフ(真鍮&クローム) | Directional Furniture |
| 1970年代 | 照明 | 彫刻フロアランプ(テセレーションクローム&真鍮) | Paul Evans Studio |
| 1970年代 | テーブル | パッチワーク・キューブサイドテーブル(溶接) | Paul Evans Studio |
| 1970年代 | 椅子 | パッチワーク・キューブ・ラウンジチェア(ペア) | Paul Evans Studio |
| 1970年代 | その他 | 彫刻台座(磨き真鍮&クローム) | Paul Evans Studio |
| 1971年 | テーブル | スカルプテッド・ブロンズ・スタラグマイト・ダイニングテーブル | Directional Furniture |
| 1972年 | テーブル | スカルプテッド・ブロンズ・ダイニングテーブル(拡張可能) | Directional Furniture |
| 1972年 | キャビネット | 幾何学的キャビネット(モニュメンタル) | Paul Evans Studio |
| 1973年 | 椅子 | クロームダイニングアームチェア8脚 | Paul Evans Studio |
| 1973年 | テーブル | ポリクロームエナメル仕上げキューブテーブル | Paul Evans Studio |
| 1973年 | キャビネット | ウォールナットバール2ドア・キャビネット | Paul Evans Studio |
| 1975年 | その他 | ブロンズ樹脂&バールファセットミラー | Paul Evans Studio |
| 1975年 | テーブル | ブロンズ樹脂壁掛けコンソールテーブル | Paul Evans Studio |
| 1975年 | シェルフ | エタジェールペア(テセレーションバール&真鍮) | Paul Evans Studio |
| 1977年 | テーブル | スカルプテッド・ブロンズ樹脂ダイニングテーブル | Paul Evans Studio |
| 1977年 | 椅子 | コレクション77ダイニングチェア4脚セット(カンチレバー) | Directional Furniture |
| 1970年代後期 | シリーズ | コルゲート段ボール家具シリーズ | Directional Furniture / St. Regis Paper Company |
| 1980年 | ソファ | Sカーブ(ホットドッグ)ソファ | Paul Evans Studio |
| 1980年 | 椅子 | フィンガー・チェア | Paul Evans Studio |
| 1981年頃 | その他 | チキン・バー(アルコボンド) | Paul Evans Studio |
| 1983年頃 | テーブル | キネティック・コーヒーテーブル(クローム&ガラス) | Paul Evans Studio |
Reference
- Paul R. Evans - Wikipedia
- https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_R._Evans
- Paul Evans | Artnet
- https://www.artnet.com/artists/paul-evans/
- Paul Evans Biography and Furniture - Todd Merrill
- https://toddmerrillstudio.com/designer/paul-evans/
- Paul Evans - Designer Biography and Price History on 1stDibs
- https://www.1stdibs.com/creators/paul-evans/
- PAUL EVANS — High Style Deco
- https://www.highstyledeco.com/paul-evans
- Vintage Paul Evans Furniture Tables Cabinets Chairs Design | Incollect
- https://www.incollect.com/artists/paul-evans-furniture
- Paul Evans: Crossing Boundaries and Crafting Modernism - Michener Art Museum
- https://michenerartmuseum.org/exhibition/paul-evans-crossing-boundaries-and-crafting-modernism/
- Planning for the Paul Evans Retrospective Exhibition, 2014 – Learn with the Michener Art Museum
- https://learnmichener.org/uncategorized/planning-for-the-paul-evans-retrospective-exhibition-2014/
- Art: Paul Evans: Turning cold metal into furniture art - The Inquirer
- https://www.inquirer.com/philly/home/20140413_Art__Paul_Evans__Turning_cold_metal_into_furniture_art.html
- Paul Evans: Crossing Boundaries And Crafting Modernism by Constance Kimmerle, Ph.D. | Incollect
- https://www.incollect.com/articles/paul-evans-crossing-boundaries-and-crafting-modernism
- Paul Evans Cityscape Series | 1stDibs
- https://www.1stdibs.com/design-series/cityscape-series/
- Paul Evans — Lobel Modern NYC
- http://www.lobelmodern.com/paul-evans