概要

プラットナー コレクションは、アメリカの建築家ウォーレン・プラットナーがノル社のために設計し、1966年に発表された家具群である。細いスチールロッドを何本も曲げて円形のフレームに溶接し、その集合体そのものを脚部として用いる構造を全点で共有する。装飾と構造が分かれていない点に、このコレクションを一つのまとまりとして括る根拠がある。

ノル社は発表以来このコレクションの生産を継続しており、現在はアームチェア、ラウンジチェア、スツール、コーヒーテーブル、サイドテーブル、ダイニングテーブルなどで構成される。ミラフでは、このうち4点を個別ページとして収録している。

共通する設計原理

コレクション全点に共通するのは、垂直方向に並べた細いスチールロッドを、円形の水平フレームと縁のフレームに溶接して構成する脚部である。ノル社の説明によれば、1脚あたり100本を超えるロッドと1,000箇所以上の溶接を要する。プラットナー自身が量産のための製造技術を組み立てた経緯があり、造形と製法が不可分の関係にある。

ロッドは緩やかに膨らむ曲線を描き、束ねられることで面としてのまとまりを生む。この面は視点の移動によって疎密が変化し、金属でありながら重さを感じさせない外観をつくる。チェアでは脚が独立して存在せず、ロッドの集合がそのまま座を支える。

仕上げは、研磨したニッケルメッキ、18金メッキ、ブロンズ色のメタリック塗装が用意される。テーブル天板にはガラス、木、大理石、御影石が選択できるが、脚部の構成はいずれの製品でも変わらない。

成立と展開の経緯

プラットナーはコーネル大学で建築を学んだのち、レイモンド・ローウィ、エーロ・サーリネン、イオ・ミン・ペイの事務所を経て自身の設計事務所を構えた。サーリネン事務所での経験は、脚を1本にまとめたペデスタル構造やワイヤーによる椅子といった、ノル社が1950年代に手がけた造形の延長線上に位置づけられる。

1960年代のモダンデザインでは、機能主義的な簡潔さに対して、より装飾的で表情のある造形を求める動きが現れていた。プラットナーはこの二つの傾向を接続する余地があると考え、工業素材であるスチールロッドを装飾的な効果のために用いる方法を探った。フローレンス・ノルがこの試みを後押しし、1966年にコレクションとして発表された。

発表以降、構造と仕上げの基本は変わらないまま生産が続いている。

メンバー一覧

発表年 区分 製品名 位置づけ
1966年 チェア [interior slug="platner-arm-chair"] 座面を包み込む高さのロッド構造を持つアームチェア。コレクションの造形を最も端的に示す。
1966年 チェア [interior slug="platner-lounge-chair"] 座面を低く、背を深くとったラウンジ用のモデル。
1966年 テーブル [interior slug="platner-coffee-table-knoll"] 同じロッド構造を脚部に用いた低いテーブル。天板の素材を選べる。
1966年 テーブル [interior slug="platner-dining-table"] ダイニング高さのテーブル。脚部を中央に集約するため、着席位置の制約が少ない。

評価と影響

プラットナー コレクションは、1960年代のアメリカにおいて、工業的な素材と装飾的な効果を両立させた例として位置づけられている。ワイヤーを用いた椅子という点ではハリー・ベルトイアの仕事に連なるが、ベルトイアが格子状のシェルによって空間の透過性を追求したのに対し、プラットナーは垂直のロッドを密に並べることで光の反射と疎密を扱った点が異なる。

ノル社は現在も同社の代表的なコレクションのひとつとして扱っており、発表から現在まで生産が途切れていない。

基本情報

シリーズ名 プラットナー コレクション(Platner Collection)
種別 共通の設計言語による製品群
デザイナー ウォーレン・プラットナー
ブランド ノル
発表年 1966年
共通構造 曲げたスチールロッドを円形フレームに溶接した脚部
金属仕上げ ニッケルメッキ/18金メッキ/メタリックブロンズ塗装
生産 1966年以降、継続

Reference

このシリーズの製品