ガラス繊維で樹脂を補強した複合材料。繊維強化プラスチック(FRP)の一種で、軽さと強度を両立し、曲面の成形に向く。

ファイバーグラス

ファイバーグラスとは、ガラス繊維を強化材として樹脂に組み合わせた複合材料のこと。繊維強化プラスチック(FRP)のうちガラス繊維を用いたもので、GFRPとも表記される。日本語ではガラス繊維強化プラスチックという。

解説

樹脂だけでは得られない強度を、繊維で補うという考え方にもとづく材料である。樹脂は形をつくり繊維同士を固定する役割を担い、引張の力を受け持つのは繊維の側になる。母材には不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂が用いられることが多い。二種類以上の材料を組み合わせることから、複合材料と呼ばれる。

特徴は軽さと強度の両立にある。加えて、金属のように全方向で性質が等しい等方性の材料ではなく、繊維の向きに強度が依存する異方性の材料である。この性質は制約であると同時に設計の自由でもあり、力のかかる方向に繊維を揃えれば、必要な箇所だけを強くできる。

家具の分野では、椅子の殻を一枚の曲面としてつくる用途に用いられてきた。手作業で型に繊維と樹脂を重ねていくハンドレイアップという工法であれば、金属の金型を用意せずに成形できる。型の初期投資が射出成形よりも小さく済むため、20世紀半ばに三次元曲面の椅子が試みられた時期には、実現の手段として選ばれた。エーロ・アールニオのボールチェアのように、球体の一部を切り取った大きな殻を成立させられるのもこの工法による。表面に繊維の織り目や微細な凹凸が残ることがあり、これが素材の表情として扱われることもある。

一方で、成形に人手がかかるため量産では単価が下がりにくい。製造工程では樹脂の硬化にともなう揮発成分や、切削時に生じるガラス繊維の粉じんの扱いに配慮が要る。この点が製品の素材そのものを変えた例もある。イームズのイームズ プラスチック サイドチェア DSWの殻は1950年の発表時にはファイバーグラス製だったが、製造にともなう環境負荷が問題とされて1990年代初めに生産が止まり、2001年にポリプロピレンで再導入された。2013年には製法を改めたファイバーグラス版が復活している。同じ名前の椅子でも、製造時期によって素材が異なる場合があるのはこうした経緯による。

Reference

FRP(繊維強化プラスチック)とは(旭化成 エンプラ総合情報サイト)
https://www.asahi-kasei-plastics.com/column/14/
繊維強化プラスチック・FRPの特徴(UCHIDA)
https://uchida-k.co.jp/uchidanews/%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BBfrp%E7%89%B9%E5%BE%B4/
Eames Shell Chair Family(Herman Miller)
https://www.hermanmiller.com/products/seating/side-chairs/eames-shell-chairs/
Shell Shorts(Herman Miller)
https://www.hermanmiller.com/stories/why-magazine/shell-shorts/

この用語が登場するページ