ASKO(アスコ)
ASKOは、1918年9月6日にフィンランド・ラハティで指物師Aukusti Avoniusが設立した家具メーカーである。設立時の社名はLahden Puusepäntehdasで、1931年にAsko-Avonius Huonekalutehtaatへ改称し、Askoの名を製品に用いるようになった。一点ずつの受注製作が主流だった時代に、規格化した家具の量産を事業の軸に据えた点に特徴がある。20世紀半ばにはIlmari TapiovaaraやEero Aarnioの設計を製品化した。2026年2月、店舗事業を所有していたIndoor Groupが破産した。
事業と製造の実体
ASKOの事業を規定したのは、家具の量産という方針である。設立当初の従業員は6名で、机500台の受注をきっかけに連続生産の体制を整えたと記録されている。以後、製品の範囲は個々の家具から一式の家具群へ広がった。1919年には自社の店舗を開き、製造と販売を併せ持つ構成を採っている。
1923年、ラハティのVuoksenkatuに新しい工場が建設された。この工場によって量産の体制が確立し、創業者はフィンランドの近代的な家具産業の先駆けとして位置づけられるようになる。
製造技術の範囲は木工にとどまらなかった。1960年代にはファイバーグラスによる成形が加わり、球形や半球形の殻を持つ椅子が製品化されている。木材の加工とは工程がまったく異なるため、この時期に扱える形の範囲が大きく変わった。
2026年2月の破産以前、ラハティにはInsofa Oyというソファの工場があり、製造を担っていた。
沿革
設立と量産の確立
1918年9月6日、指物師のAukusti AvoniusがラハティでLahden Puusepäntehdasを設立した。最初の拠点はVesijärvenkatu 3にあり、従業員6名で価格を抑えた家具の連続生産を始めている。1919年には自社の店舗を開いた。
1923年にVuoksenkatuの新工場が完成し、量産の体制が固まった。1931年、社名がAsko-Avonius Huonekalutehtaatへ改められ、製品にAskoの名が用いられるようになる。創業者自身も姓をAsko-Avoniusへ改めた。
設計者との協働
第二次世界大戦後、設計者Olli Borgのもとでフィンランドの設計者との協働が進められた。Ilmari Tapiovaaraは1955年のファネットチェア、1958年のCrinoletteとAslakを手がけている。
1960年代にはEero Aarnioの設計が製品化された。1966年のケルン国際家具見本市で同社の展示から発表された球形の椅子は、ファイバーグラスの成形による構成を持つ。1968年には半球形の椅子が加えられた。これらの製品の製造権は後に他社へ移っている。
このほか、Ilmari Lappalainen、Esko Pajamiesらが同社の製品を手がけた。
資本の移動と破産
創業家は1980年代に所有を手放した。1999年、AskoとSotkaの事業がSponsor Capitalのもとで統合され、Indoor Groupが成立している。2004年にKeskoの子会社へ売却され、2017年には投資会社を含む出資者へ移った。
2026年1月29日、債権者である家具メーカーUnico Finlandが、約110万ユーロの債権にもとづきIndoor Groupの破産を申し立てた。2026年2月9日、Indoor Groupと子会社のInsofaが自ら破産を申請し、翌2月10日にヘルシンキ地方裁判所が破産手続の開始を決定した。負債は約5,580万ユーロ、店舗は74、従業員は500名を超えていた。ラハティの家具製造もこれをもって終わっている。
2026年4月、AskoとSotkaの商標を含む知的財産権が、破産財団から100万ユーロを超える価格で売却された。取得者は同年6月に新しいAskoの店舗を開く意向を示している。
デザイナーとの協働
ASKOの製品開発は、外部の設計者との協働によって進められた。量産を前提とする事業のため、設計案は生産の条件に合わせて検討される構成にあたる。戦後は社内に設計の統括を置き、フィンランドの設計者を継続して起用した。
協働相手にはIlmari Tapiovaara、Eero Aarnio、Ilmari Lappalainen、Esko Pajamiesらがいる。
Ilmari Tapiovaaraの設計思想や経歴について詳しくはIlmari Tapiovaaraプロフィールページをご覧ください。
Eero Aarnioの設計思想や経歴について詳しくはEero Aarnioプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
ファネットチェアは、Ilmari Tapiovaaraが1955年に設計した椅子である。木の部材を組み合わせる構成で、積み重ねに対応する。
1960年代にはEero Aarnioの設計によるファイバーグラスの椅子が製品化された。これらの製造権は後に他社へ移り、現在は別のブランドで生産されている。
基本情報
| ブランド名 | ASKO(アスコ) |
|---|---|
| 設立 | 1918年9月6日(設立時の社名はLahden Puusepäntehdas) |
| 創業者 | Aukusti Avonius(のちAsko-Avonius) |
| 創業地 | フィンランド・ラハティ |
| 現在の状況 | 店舗事業を所有していたIndoor Groupが2026年2月10日に破産。商標は同年4月に売却された |
| 事業内容 | 家具の製造および販売 |
Reference
- Wikipedia (fi) - Asko
- https://fi.wikipedia.org/wiki/Asko
- Wikipedia (fi) - Indoor Group
- https://fi.wikipedia.org/wiki/Indoor_Group
- KKV - Askon ja Sotkan taustayhtiön Indoor Groupin konkurssi
- https://www.kkv.fi/ajankohtaista/tiedotteet/askon-ja-sotkan-taustayhtion-indoor-groupin-konkurssi-ohjeita-kuluttajille/
- Yle - Nyt se on varmaa: Askon ja Sotkan omistaja on asetettu konkurssiin
- https://yle.fi/a/74-20209378