プロピレンを重合して得られる熱可塑性樹脂。比重が約0.9と軽く、耐薬品性と成形性に優れる。略号はPP。

ポリプロピレン

ポリプロピレンとは、プロピレンを重合して得られる熱可塑性樹脂のこと。略号はPPで、ポリエチレンと同じポリオレフィン系に属する。

解説

家具の素材として見たときの性格は、比重が約0.9という軽さに集約される。水に浮くほど軽い樹脂でありながら、分子が規則的に配列した構造をとるため衝撃や摩耗に耐える。耐熱温度はおよそ100度から110度で、汎用樹脂のなかでは高い部類に入る。酸やアルカリ、油に侵されにくく、水を吸わない。屋外や水回りで使う椅子、日常的に拭き掃除をする製品に用いられるのは、これらの性質による。

加工の面では射出成形との相性がよい。溶けたときの流動性が高く、成形のサイクルも短い。着色も容易で、顔料を練り込めば表面ではなく素材そのものに色が入る。塗装した製品と違い、傷がついても下地の色が出てこないのはこのためである。20世紀後半に色の豊富な樹脂の椅子が広まった背景には、この材料の扱いやすさがある。ジャスパー・モリソンのエアチェアは、ガラス繊維で強化したPPをガスアシスト射出成形で一体成形した例にあたる。

PPには折り曲げに強いという特徴もある。同じ箇所を繰り返し曲げても白化しにくく、切れにくい。薄く成形した部分をそのまま蝶番として使う設計が成立するのはこの性質によるもので、収納家具の蓋や折りたたみの機構に応用されている。

弱点は紫外線と低温である。屋外に置き続けると変色や表面の劣化が進むため、屋外用の製品には紫外線吸収剤を配合したグレードが用いられる。また、低温では脆くなる傾向があり、寒冷地で使う製品にはゴム成分を加えて衝撃特性を改善した共重合グレードが選ばれる。カタログ上は同じポリプロピレンでも、屋内用と屋外用では中身が異なると考えたほうがよい。

Reference

ポリプロピレン(プラスチック素材辞典)
https://plastics-material.com/pp/
ポリプロピレン(PP)樹脂とは(吉田SKT コーティングマガジン)
https://www.y-skt.co.jp/magazine/knowledge/guide-pp/

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