このページについて
パントンチェアは、ヴェルナー・パントンが1960年に発表した椅子である。ヴィトラが製造する。樹脂を一体で成形する。後ろ脚を持たない片持ちの構造による。
このページでは、片持ちの構造と座り方、重ねる際の条件、屋外への対応、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ヴェルナー・パントンの設計思想や経歴について詳しくはヴェルナー・パントン プロフィールページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ヴィトラ社は現在、パントンチェアを二つのモデルで展開している。ポリプロピレン製の「パントンチェア」と、繊維強化プラスチック(FRP)にグロスラッカー仕上げを施した「パントンチェア クラシック」である。以下に両モデルの仕様を記載する。
パントンチェア(ポリプロピレンモデル)
| 正式名称 | パントンチェア |
|---|---|
| 製造ブランド | ヴィトラ |
| 主要素材 | 樹脂を一体で成形する。床に接する部材が付く |
| サイズ | 幅500 × 奥行610 × 高さ860mm。座面の高さ440mm |
| 重量 | 約4.5kg |
| 価格 | ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。色で価格が変わる場合がある |
| 重ねられるか | 重ねられる。脚数は取扱店に確認する |
| 屋外への対応 | 屋外に用いられる。ただし長時間の直射日光は避ける |
| 組み立て | 組み立てた状態で届く |
| 正規品の表示 | 脚の裏面に設計者の署名が刻まれる |
| 色 | 複数の色から選ぶ。取り扱いは取扱店に確認する |
| 構造 | 後ろ脚を持たない片持ちの構造。座面と背もたれ、脚が一体で成形される |
| 収蔵 | MoMA スタッキング サイドチェア(1959〜60年) 収蔵番号 339.1969。V&A パントン チェア(1960年) 収蔵番号 CIRC.73-1969 |
パントンチェア クラシック(FRPモデル)
| 正式名称 | パントンチェア クラシック / Panton Chair Classic |
|---|---|
| 主要素材 | 繊維強化プラスチック(FRP)/グロスラッカー仕上げ/グライド:フェルトグライド付属 |
| サイズ | W500 × D600 × H830mm/座面高 415mm |
| カラーバリエーション | 4色(光沢のあるグロスラッカー仕上げ) |
| 屋外への対応 | 不可(屋内専用) |
| 特徴 | 1968年の初期モデルのデザインを忠実に再現。光沢のあるラッカー仕上げによる美しい表面が特徴 |
このほか、ヴィトラはパントンチェアのサイズを約25%縮小した子供向けモデル「パントン ジュニア」(。
片持ちの構造と座り方
後ろ脚を持たない。座面と背もたれ、脚が一体で成形される。
座ると樹脂が撓む。座り心地に関わる。
床に接する箇所は後方の曲線部にあたる。前方には脚がない。
詰め物を持たない。樹脂が身体に直接触れる。
選び分けの目安
- 座り心地で選ぶ場合
- 座ると樹脂が撓む。詰め物を持たない。実際に座って確かめられるとよい。
- 置き場所を決める場合
- 後方の曲線部が床に接する。奥行610mmを実測する。
- 机と組み合わせる場合
- 座面の高さ440mm。肘掛けを持たない。
重ねる際の条件
重ねられる。約4.5kgと軽い部類にあたる。
重ねられる脚数は取扱店に確認する。
重ねる際は樹脂どうしが触れる。表面の傷を確かめる。
組み立てた状態で届く。搬入経路を確かめる。
選び分けの目安
- 収納を考える場合
- 重ねられる。脚数を取扱店に確認する。
- 動かす頻度を考える場合
- 約4.5kg。片手で持ち上げられる。
- 搬入を考える場合
- 組み立てた状態で届く。経路を確かめる。
屋外への対応
屋外に用いられる。樹脂による。
ただし長時間の直射日光は避ける。日光で色が変わる。
屋外では汚れが付きやすい。用いた後は拭き取る。
床に接する部材も摩耗する。定期的に確かめる。
選び分けの目安
- 屋外で用いる場合
- 用いられるが長時間の直射日光は避ける。
- 置き場所を考える場合
- 日光で色が変わる。屋内でも直射日光を避ける。
- 手入れの手間を考える場合
- 屋外では汚れが付きやすい。用いた後は拭き取る。
同種の椅子との比較
椅子は構造と重ねられる条件で性格が分かれる。
| 比較項目 | パントンチェア | マイトチェア | チェスカ・チェア(B32) |
|---|---|---|---|
| 構造 | 片持ち(一体で成形) | 片持ち(一体で成形) | 片持ち(鋼管の枠) |
| 座面 | 樹脂(詰め物なし) | 樹脂(詰め物なし) | 籐または張地 |
| 重ねられる脚数 | 取扱店に確認する | 最大8脚 | 重ねられない |
| 屋外 | 用いられる | 対応する | 該当しない |
| 座面の高さ | 440mm | 取扱店に確認する | 450mm |
選び分けの目安
- 収納を考える場合
- 重ねられる。重ねられない椅子とは条件が異なる。
- 座り心地で選ぶ場合
- 詰め物を持たない。籐や張地の椅子とは異なる。
- 屋外で用いる場合
- 用いられる。屋内に限られる椅子とは条件が異なる。
使用感と設置条件
形状
座面と背もたれが連続する。曲面による。
肘掛けを持たない。机の下に収めやすい。
寸法
幅500 × 奥行610 × 高さ860mm。座面の高さは440mm。
後方の曲線部が床に接する。奥行を実測する。
床との関係
床に接する部材が付く。樹脂の本体による。
繰り返し動かす用途にあたる。摩耗を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材に起きること
樹脂は日光で色が変わる。屋外ではとくに進む。
表面には細かい傷が付く。重ねる際に生じやすい。
撓む構造のため、樹脂には繰り返しの力がかかる。
床に接する部材は摩耗する。定期的に確かめる。
日常の手入れ
- 表面
- 柔らかい布で拭く。研磨剤は表面を傷める。
- 重ねる箇所
- 樹脂どうしが触れる。傷を確かめる。
- 屋外で用いた後
- 汚れを拭き取る。長時間の直射日光は避ける。
- 床に接する部材
- 摩耗を定期的に確かめる。交換の対応も確認する。
修理と部品
床に接する部材の交換については、取扱店を通じて相談する。
一体で成形する構成にあたる。割れた場合の補修は難しい。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
色を決めてから注文する。取り扱いは時期によって変わる場合がある。
実物を確認する
座った際の撓み方は、実際に座って確かめられるとよい。
色の見え方も現物で分かる。
中古の流通
製造の時期によって素材の仕様が異なる場合がある。年式を確かめる。
確認箇所は、表面の傷と色の変化、床に接する部材、脚の裏面の署名である。
購入前チェックリスト
- 片持ちの構造(座ると樹脂が撓む)
- 詰め物を持たないこと
- 置き場所(幅500 × 奥行610mm)と搬入経路
- 座面の高さ440mmと組み合わせる机
- 重ねられること(脚数を取扱店に確認する)
- 屋外では長時間の直射日光を避けること
- 床に接する部材の摩耗
- 脚の裏面の署名
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。色で価格が変わる場合があります。
- どこで購入できますか?
- ヴィトラの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- どのような構造ですか?
- 後ろ脚を持たない片持ちの構造で、座面と背もたれ、脚が一体で成形されます。座ると樹脂が撓みます。
- 座り心地はどうですか?
- 詰め物を持たず樹脂が身体に直接触れます。座ると撓むため、実際に座ってお確かめください。
- 重ねて収納できますか?
- 重ねられます。脚数は取扱店にご確認ください。重ねる際は樹脂どうしが触れるため表面の傷をお確かめください。
- 屋外で使えますか?
- 用いられますが長時間の直射日光は避けてください。日光で色が変わり、屋外では汚れも付きやすくなります。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 幅500×奥行610×高さ860mm、座面の高さは440mmです。後方の曲線部が床に接するため奥行を実測してください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館(スタッキング サイドチェア、1959〜60年、収蔵番号339.1969)とヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(1960年、CIRC.73-1969)が収蔵しています。