チャールズ ソファは、1997年にアントニオ・チッテリオがB&B Italiaのためにデザインした、現代デザインの金字塔として評価される革新的なモジュラーソファシステムである。発表から四半世紀以上を経た現在も、同社の世界的ベストセラー製品として君臨し続け、その普遍的な美しさは時代を超越した存在感を放っている。
特徴的な逆L字型のダイキャストアルミニウム脚が生み出す宙に浮かぶような軽やかさ、ミニマルでありながら空間的な豊かさを内包する造形、そして16の要素から構成される高度なモジュラーシステムにより、チャールズ ソファは単なる家具の領域を超え、現代のライフスタイルを象徴するデザインアイコンとしての地位を確立した。
特徴・コンセプト
チャールズ・イームズへのオマージュ
その名称は、20世紀デザイン史における巨匠チャールズ・イームズへの敬意を表したものである。チッテリオは1950年代から60年代のアメリカンデザインの精神性を継承しながらも、形態的な模倣ではなく、その根底に流れる「ディテールこそがデザインを形作る」という哲学を現代的に昇華させた。イームズが提唱した「細部への徹底的なこだわりが全体の品質を決定する」という思想は、チャールズ ソファの随所に息づいている。
革新的な構造デザイン
チャールズ ソファの最も顕著な特徴は、逆L字型に成形されたダイキャストアルミニウム脚である。この独創的な脚部デザインは、ソファ全体を床から19センチメートルの高さに持ち上げ、あたかも空中に浮遊するかのような視覚的な軽快さを創出している。金属フレームをコールドポリウレタンフォームの成形体で包み込むB&B Italiaの先進的な製造技術により、細身でありながら強靭な構造を実現した。
アームレストのデザイン、一体型のシートクッション、そしてバックレストに自由に配置される独立したクッションは、シンプルさの中に緻密な計算が施された要素として、ソファの統一された美学を形成している。この本質的なデザインは、空間的な革新性と対照的な豊かさを同時に達成している。
高度なモジュラーシステム
チャールズ ソファは、16の異なる要素から構成される包括的なモジュラーシステムとして設計されている。2人掛けや3人掛けの直線的な配置から、シェーズロング付きソファ、コーナーソファ、さらにはペニンシュラ型の配置まで、空間と用途に応じた無限の構成が可能である。この高度な柔軟性は、チッテリオが1980年代に発表したSityソファで確立したモジュラー概念を、より洗練された形で進化させたものといえる。
ファブリックまたはレザーの豊富な張地オプション、取り外し可能なカバーシステム、そして多様なサイズバリエーションにより、個々の空間特性と快適性の要求に応じたカスタマイズが実現される。
エピソード
時代を超越したデザインの証明
2017年、チャールズ ソファは発表から20周年を迎えた。この節目に際し、B&B Italiaがチッテリオにデザインの更新を提案したところ、彼の回答は明快であった。「その必要はない。なぜなら、チャールズは今なお現代的だからだ」。この言葉は、真に優れたデザインが持つ時代超越性を端的に示している。
20周年を記念し、B&B Italiaはイームズが1960年代に愛用したオレンジ/レッドとグレー/ブルーの配色による特別版を発表した。さらに、ミリオーレ・セルヴェット建築事務所が設計した展示では、1997年からの主要な出来事を時系列で示すグラフィックインスタレーションが展開され、チャールズ ソファが変化する世界の中で不変の存在であり続けたことを視覚化した。
チャールズファミリーの拡張
オリジナルの成功を受け、チャールズは包括的なコレクションへと発展した。1998年には厚みのあるトップを特徴とするチャールズ スモールテーブルが追加され、2003年にはより深いシート構造を持つチャールズ ラージが導入された。このバリエーションは、よりリラックスした姿勢を求める市場の要求に応えるものであった。
2004年には、ソファのバックレストコーナーをヘッドボードに転用し、特徴的な脚部デザインを継承したチャールズ ベッドが発表された。2010年には、アルミニウムフレームにブラウンのポリプロピレンリボンを編み込んだ構造を持つチャールズ アウトドアコレクションが加わり、屋外空間へとその領域を拡張した。
評価
チャールズ ソファは、発表以来、現代ソファデザインの原型として機能してきた。その影響力は計り知れず、数多くの後続製品がその要素を何らかの形で引用したことにより、モダンデザインソファの基準点としての地位を確立した。イタリアのデザイン評論においては、「チャールズ以降に登場したほぼすべてのソファが、何らかの形でこの作品を模倣した」とまで評されている。
B&B Italiaにとって、チャールズは単なるベストセラー製品を超えた存在である。それは、同社が掲げる「Timeless and treasured(時代を超え、愛され続ける)」という理念を体現するシンボルとして、企業の歴史と革新の物語を象徴している。この作品は、研究開発への投資、イノベーションへの献身、そして卓越した美学への追求というB&B ItaliaのDNAを結晶化した成果といえる。
デザイン専門家の間では、チャールズ ソファは「現代ライフスタイルの主役」として普遍的に認識されている。その形式的な優雅さは、流行や時代の変化を超越し、国際的なデザイン界における不動の参照点となっている。チッテリオ自身も、これを「フレームと線の単純さ、そしてアイランドソファという概念の復活において、私の最高傑作の一つ」と評している。
基本情報
| デザイナー | アントニオ・チッテリオ(Antonio Citterio) |
|---|---|
| ブランド | B&B Italia |
| 発表年 | 1997年 |
| 分類 | モジュラーソファシステム |
| フレーム | スチールフレーム、コールドポリウレタンフォーム成形体 |
| 脚部 | ダイキャストアルミニウム(逆L字型) 高さ:19cm(7.5インチ) 仕上げ:ポリッシュドブラッシュ、ブラッククロームペイント、ブロンズドニッケルペイント |
| シートクッション | 異なる密度の成形ポリウレタン、滅菌ダウン、ポリエステルファイバー |
| 張地 | ファブリック(取り外し可能)またはレザー |
| 構成要素 | 16のモジュール要素 |
| バリエーション | Charles、Charles Large、Charles Bed、Charles Outdoor、Charles Small Table |
| 保証 | フレーム構造10年保証(B&B Italia製造日より) |