ロビン・デイ:20世紀イギリスを代表する家具デザイナー

ロビン・デイ(Robin Day OBE RDI FCSD, 1915年5月25日 - 2010年11月9日)は、20世紀イギリスを代表する家具デザイナーである。70年に及ぶキャリアを通じて、家具のほかインテリア、グラフィック、展示デザインなど多分野で活躍した。テキスタイルデザイナーである妻ルシエンヌ・デイとともに戦後イギリスデザインの黄金期を築き、アメリカのチャールズ&レイ・イームズ夫妻に比肩される存在として評価されている。

デイの最大の業績は、1963年に発表した世界初の射出成形ポリプロピレンチェアである。家具製造における技術革新の突破口となり、世界中で数千万脚が生産された、史上最も成功した椅子の一つである。2009年には英国王立郵便が「英国デザインの古典」シリーズの切手に採用した。

デイの哲学は一貫して「良質なデザインを誰もが手に入れられる価格で提供する」という民主的な理念に基づいていた。合板、スチールロッド、プラスチックといった革新的な素材を先駆的に用い、機能主義と最新技術の融合を追求して、軽量で耐久性があり経済的な家具を次々と生み出した。その作品は戦後復興期の楽観主義を体現し、今なお生産され続けている。

生涯と創造的パートナーシップ

幼少期と教育(1915-1938)

ロビン・デイは1915年5月25日、イギリス・バッキンガムシャー州ハイ・ウィカムに、警察官の息子として生まれた。ハイ・ウィカムは英国家具製造の中心地であり、町には木材置き場とキャビネット製作工房が点在していた。家族は家具産業と直接の繋がりを持たなかったが、この環境がデイの将来の進路に影響を与えた。

素描の才能を認められたデイは、1931年にハイ・ウィカム美術学校に進み、1934年には王立展示奨学金を得てロンドンの王立芸術大学(RCA)デザイン科に入学した。当時のRCAは絵画と彫刻に偏り、三次元デザインの教育が不十分でデイの期待には応えなかったが、1938年に卒業した。当時は家具業界に適切な就職先がなく、建築模型の製作に携わったのち、ベッケナム美術学校で教鞭を執り、革新的な三次元デザインのコースを開発した。

ルシエンヌとの出会いと結婚(1940-1942)

1940年、デイはRCAのダンスパーティーで、同校でプリントテキスタイルを学ぶルシエンヌ・コンラディと出会う。二人は1942年に結婚してチェルシーに移り住み、1952年にはチェイン・ウォーク49番地へ転居、この住居は以後50年にわたって二人の共同スタジオとなった。

ロビンとルシエンヌは、それぞれ家具とテキスタイルという専門分野で頂点に立ちながら、正式な共同制作は行わず、互いの作品に提案や議論を通じて影響を与え合った。背中合わせの製図台で作業し、互いの創造プロセスを尊重しつつ対話を続けたこの関係は、イギリスデザイン界で広く知られる存在となった。

戦中・戦後の活動とキャリアの転機(1942-1951)

第二次世界大戦中、喘息のため兵役を免除されたデイは、ベッケナム美術学校で教え続けた。戦後はリージェント・ストリート・ポリテクニック(現ウェストミンスター大学)でインテリアデザインを教え、そこで出会った建築家ピーター・モロ(1911-1998)と1946年にパートナーシップを組み、政府機関向けの公共情報展示などを設計した。1960年代初頭まではEKCOやICIといったクライアント向けの展示・トレードスタンドのデザインを続け、グラフィックデザイナーとしても1948-49年に英国空軍の募集ポスターを手がけた。

1948年、デイのキャリアに決定的な転機が訪れる。建築家クライヴ・ラティマーとの共同で、ニューヨーク近代美術館(MoMA)主催「低コスト家具デザイン国際コンペティション」の収納部門で一等賞を受賞したのである。同じコンペの座席部門ではチャールズ・イームズが二等賞を受賞しており、この出来事はモダニズム期の家具デザインの起点として位置づけられる。受賞は、モダンデザインへの進出を模索していたロンドンの家具会社S. Hille & Co.の注目を集めることにもなった。

受賞は、1951年のロイヤル・フェスティバル・ホールの座席デザインという重要な委託にもつながった。同年、デイはロイヤル・フェスティバル・ホールの座席と、ロンドン・サウスバンクで開かれたフェスティバル・オブ・ブリテンへの貢献によって専門的評価を大きく高めた。フェスティバル・オブ・ブリテンは戦後の再生と希望を祝う国家的イベントであり、デイの洗練された「コンテンポラリー」美学を広く発信する舞台となった。

Hille社との長期パートナーシップ(1949-1970年代)

1949年、デイはS. Hille & Co.のデザインを開始した。同社はサラモン・ヒルが1906年に設立し娘のレイ・ヒル(1900-1986)が経営していた小規模なキャビネット製作会社だったが、デイの働きかけと、レイの娘ロザミンド・ジュリアス(1923-2010)および義理の息子レスリー・ジュリアスの支持により、モダンデザインの担い手へと変貌した。

デイは正式に雇用されることを望まず、デザインコンサルタントとして関わりながら事実上の主任デザイナーとなり、その後約20年にわたってHilleのデザインの大半を手がけた。最初の量産デザインとなったのは、ブナ合板の座面と無垢ブナのフレームを持つヒレスタックチェア(1951年)である。デイは家具だけでなく、アートワーク、パンフレット、ショールーム、展示会、さらにHilleのロゴまでも担当した。その活動は、英国メーカーPye向けのテレビ・ラジオ、BOAC機の内装、Woodward Grosvenor向けのカーペットへと、日常生活の広い領域に及んだ。

晩年のキャリアと再評価(1980-2010)

1980年代、Hilleが相次いで売却されると、デイは家具業界と「時代がずれている」と感じるようになる。しかし1990年代には作品への関心が復活し、小売業者twentytwentyoneやSheridan CoakleyのSCPによって古典的デザインの復刻が進められ、イタリアのMagis向け家具(2005年)やCase Furniture向けのウェストストリートチェア(2006年)など新たな委託も生まれた。

2001年には、チェシャー州タットン・パークで病気のため伐採されたオークから「ワンツリーチェア」をデザインした。約70人のアーティスト/デザイナーが一本の木から作品を制作したこのプロジェクトで、デイは割り当てられた木材をハイ・ウィカムのErcol社の試作工房に送って製作させた。Ercolは、1930年代後半に彼が就職を断り、代わりにRCAへ進む選択をした、まさにその会社であった。

晩年、ロビンとルシエンヌ・デイ夫妻はイギリスで最も著名なデザインカップルとして広く知られ、数多くの雑誌に登場し、1954年にはスミノフウォッカの広告にも起用された。また1962年から1987年までの25年間、百貨店ジョン・ルイスで新しいハウススタイルの導入を監督した。2010年、ロビン・デイは95歳で、ルシエンヌ・デイは93歳で、同じ年に相次いで世を去った。二人の死後、両親の作品が無断で複製・利用されていることを知った娘のポーラ・デイは、遺産を守るため2012年に非営利の教育慈善団体ロビン&ルシエンヌ・デイ財団を設立し、現在はデイのデザインのライセンス管理と、ライセンシーと協働した真正な復刻に取り組んでいる。

デザインの哲学とアプローチ

民主的デザインの理念

デイの哲学の核心は、「良質なデザインは多くの人々にとって手頃な価格であるべき」という信念にあった。彼は「私が常に関心を持ってきたのはデザインの社会的文脈であり、ほとんどの人が手に入れられる高品質なものをデザインすることだ」と述べている。当時のイギリスの大衆向け家具を「退屈で、伝統的で、後ろ向き」と批判し、低コストの座席を大量生産することを自らの使命とした。「良いデザインは人々の環境を向上させる社会的な力である」という考えは、戦後復興期の経済成長と新しい中産階級の台頭という時代背景に合致していた。

機能主義と技術革新の融合

デイの第一の目標は機能主義と技術の結びつきであり、彼は最新の製造プロセスの探求に常に熱心だった。ロイヤル・フェスティバル・ホールのコンサートホール座席では自動車産業から材料と技術を導入し、プレススチールとスプリング構造によって軽量で耐久性のある座席を実現した。合板やスチールロッドの曲げ加工、ポリプロピレンの射出成形など、デイは新素材が登場するたびにその可能性を家具に応用し、技術革新が単なる効率化ではなく新しい美学と生活様式を生むことを実証した。

軽やかさ・人間工学・持続可能性

1930年代の家具が重厚であったのに対し、デイの戦後デザインは軽快で、素材を経済的に用いた。「今日の小さな部屋で必要なのは、家具の上下を見通せることだ」という1955年の言葉どおり、彼は構造を隠さず露出させることで視覚的な軽やかさと正直さを表現した。細いスチールロッドの脚、浮遊するような合板の座面、最小限の接続部品は、家具が空間を圧迫せず空間と調和することを示している。彼は構成主義やミロ、クレーの線的な造形と椅子デザインの関連にも言及し、この軽さが優雅さと空間の感覚を生むと書いている。

デイは人間工学と快適性にも早くから関心を寄せ、1953年のQロッドチェアの販促資料は「腰部に正しいサポートが与えられる」と謳っていた。また娘のポーラ・デイによれば、ハイ・ウィカムの倹約的な環境で育ったデイは「使い捨て」文化を受け入れず、ポリプロピレンチェアも長く使えるよう設計した。1970年代に環境運動が地球の有限な資源への懸念を表明し始めると、彼はその思考にすぐ共感したという。

作品の特徴と美学

素材の革新的使用

デイの作品を特徴づける最も重要な要素は、各時代の最新素材の先駆的な採用である。

  • 成形合板:1950年代初頭から成形合板技術を駆使し、ヒレスタックチェア(1951年)や675チェア(1952年)では、合板を複雑な三次元形状に成形して、軽量かつ構造的に強固な座面と背もたれを実現した。
  • スチールロッド:細いスチールロッドを曲げ加工して脚やフレームに用い、視覚的な軽やかさと構造的強度を両立させた。ロイヤル・フェスティバル・ホールの椅子群がその好例である。
  • ポリプロピレン:1954年に発明され1957年に商業化されたポリプロピレンの可能性をいち早く認識し、1963年に世界初の射出成形ポリプロピレンチェアを発表した。軽量で耐久性に優れ、射出成形が容易という利点があった。

形態・モジュール性・色彩

デイの家具は、装飾を排し構造を露出させるミニマリズムと機能的明瞭さを特徴とする。合板の座面と背もたれは人体の曲線に沿って流れ、スチールロッドの脚は最小限の材料で強度を確保して、家具が床から浮遊するような印象を与える。ポリプロピレンの座面も、深い曲線と巻き込まれたエッジによって、薄い素材でありながら十分な剛性を持つ。

デザインはモジュール性と適応性も重視していた。ポリプロピレンチェアは様々な脚部や台座に対応し、スタッキングチェア、回転椅子、バースツール、劇場座席など多様なバリエーションを生んだ。これにより、学校、病院、空港、カフェテリア、競技場、ホテル、家庭まで、あらゆる環境で使われることになった。色彩では、ポリプロピレンチェアは当初チャコールグレーとフレームレッドの2色で発売され、後に多彩な色が加わり、合板の椅子はブナ、マホガニー、ウォールナット、ローズウッド、アッシュなど様々な突板仕上げで提供された。

主要代表作品

ポリプロピレンチェア(1963年)

デイの最も有名で成功した作品であり、20世紀デザイン史において最も重要な椅子の一つである。Hilleから「最小限の素材で快適な座面を作る」という課題を与えられ、3年の開発を経て誕生した。

1954年に発明され1957年に商業化されたポリプロピレンは、当時家具での使用例がなかった。デイとHilleは英国の石油化学会社Shellと協力してこの素材による座席を開発し、背もたれが薄く柔軟すぎた初期設計に対しては、巻き込んだエッジと深い曲線を加えて強度を高めた。

Hilleは成形工具に約6,000ポンド(現在の約175,000ポンド以上)を投資し、1963年の発売時には600脚のサンプルを建築家・デザイナー・家具バイヤー・政府の主要購入者に送る独創的なマーケティングを展開して、大きな成功を収めた。当初の価格は3ポンド未満で、1965年には産業デザイン評議会(現デザイン評議会)の賞を受賞した。世界初の低コスト射出成形ポリプロピレンシェルチェアとして、軽量・耐久・耐熱・耐摩耗を兼ね備え、数千万脚が生産されて無数の模倣品を生んだ。

1967年にはポリプロピレンアームチェア、1971年には教育用Eシリーズ(5サイズ)、1972年には屋内外兼用のポロチェアと製品ラインを広げ、1970年代初頭にはHilleは30カ国にライセンシーを持つに至った。2009年には英国王立郵便の「英国デザインの古典」切手シリーズに選ばれている。発売から60年以上にわたり生産が続き、数千万脚を売り上げた世界で最も売れている椅子である。

ロイヤル・フェスティバル・ホール座席シリーズ(1951年)

1951年、デイはロンドン・サウスバンクに建設されたロイヤル・フェスティバル・ホールの全座席を設計するという名誉ある委託を受けた。同ホールは戦後のロンドンを代表するモダニズム建築の一つで、フェスティバル・オブ・ブリテンの一環として開館した。

レストラン・ホワイエ用家具、講堂座席、オーケストラ用椅子と、それぞれ要求の異なる複雑な仕様に対し、デイは自動車産業の材料と技術を取り入れ、プレススチールとスプリング構造のコンサートホール座席を製作した。ラウンジチェアはウォールナットとシカモアの突板を施した成形合板、合成繊維の張り地、曲げ加工のスチール脚を持つデイのお気に入りの一つで、ダイニングチェアはよりシンプルな成形合板の座面背もたれを持つ。これらはデイの評価を国際的な水準へ引き上げ、講堂座席は今日も使われている。2024年には&Tradition社との協力で、テラス家具とともに復刻版が発売された。

675チェア(1952年)

ロイヤル・フェスティバル・ホールのレストラン&ラウンジチェアの後継として1952年にデザインされた、より簡素で軽量なバージョンである。アームレストの複雑な積層形態を単一の曲線で流体的に表現し、製造しやすく経済的な、細身で浮遊するような成形合板のダイニングチェアとした。ブナ、マホガニー、ウォールナット、ローズウッド、アッシュなど様々な突板仕上げで提供された。

1990年代後半、Habitat元クリエイティブディレクターのトム・ディクソンによってデイの作品が再評価され、2000年に新バージョンが発売された。2014年にはCase Furnitureがロビン&ルシエンヌ・デイ財団と協力して1952年オリジナルの要素とディテールを忠実に復元し、2015年にはデザインギルドマーク賞を受賞した。ポーラ・デイは「一目見れば、これが本物のロビン・デイ675デザインだと確信できる」と評している。

ヒレスタックチェア(1951年)

デイの最初の量産デザインであり、Hille社との長期パートナーシップの出発点となった作品。ブナ合板の座面と分離した背もたれを「A」字型の無垢ブナのフレームに収めた実用的なスタッキングチェアで、1950年に設計され1951年に発売された。1967年まで生産されて新興の英国スタイルの象徴となり、現在は&Tradition社が「デイズタックチェア」として復刻している。

フォーラムソファ&アームチェア(1964年)

1964年にデザインされたフォーラムシリーズは、ミッドセンチュリーモダンを代表する作品の一つである。彫刻的で有機的な形態を持ち、成形合板とスチールロッドの組み合わせによって快適さと視覚的なインパクトを兼ね備えている。1999年にHabitatがフォーラムセッティ(2人掛けソファ)を再発行してデイへの関心を広げ、現在はCase Furnitureがロビン&ルシエンヌ・デイ財団との協力のもと、フォーラムソファ(2人掛け・3人掛け)とアームチェアを生産している。

リクライニングチェア(1952年)

「家具の上下を見通せること」というデイの哲学を体現した作品。1930年代の重厚な家具への反論として、細いスチールロッドのフレームと浮遊するような成形合板の座面によって、空間を圧迫せず開放する家具を実現した。現在はtwentytwentyone社が生産している。

バービカン・アーツセンター座席(1981年)

デイの最大かつ最も野心的な委託で、1970年代を通じて取り組んだ大規模プロジェクトである。チェンバリン、パウエル&ボンが設計したバービカン・アーツセンターのために、劇場・コンサートホール・3つの映画館の講堂座席に加え、カフェのテーブルと椅子、ホワイエの長く蛇行するソファを設計し、公共座席デザインの専門知識を大規模に結実させた。

その他の重要な委託と製品

  • Pyeテレビ・ラジオ(1948-65年頃):英国電子機器メーカー向けのデザイン。1957年のCS17テレビはデザインセンター賞を受賞。
  • Woodward Grosvenorカーペット(1960-66年頃):ウィルトンカーペット向けの抽象デザイン。
  • BOAC機内装:英国海外航空の航空機内装と食事サービス機器を設計。
  • ジョン・ルイス百貨店(1962-87年):25年にわたりハウススタイルの導入を監督。1979年のミルトン・キーンズ店が注目された。
  • Waitroseスーパーマーケット:複数店舗のインテリアデザイン。

功績と業績

主要な賞と栄誉

1948年
ニューヨーク近代美術館「低コスト家具デザイン国際コンペティション」収納部門一等賞(クライヴ・ラティマーと共同)
1951年
ミラノ・トリエンナーレ 金メダル(ルームセッティングに対して)
1957年
デザインセンター賞(コンバーチブルベッドセッティに対して)
1957年
デザインセンター賞(CS17テレビセットに対して)
1957年
チャータード・ソサエティ・オブ・デザイナーズ ミネルヴァメダル(家具デザインにおける生涯功績に対して)
1959年
王立芸術協会よりRDI(Royal Designer for Industry)称号授与(家具および展示デザインに対して)
1965年
産業デザイン評議会賞(ポリプロピレンサイドチェアに対して)
1983年
OBE(大英帝国勲章オフィサー)受章
1991年
王立芸術大学シニアフェロー任命
1998年
チャータード・ソサエティ・オブ・デザイナーズ ミネルヴァメダル(ルシエンヌ・デイと共同、家具およびテキスタイルデザインにおける生涯功績に対して)
2009年
英国王立郵便「英国デザインの古典」切手シリーズにポリサイドチェアが選出
2015年
デザインギルドマーク賞(675チェアに対して)
2017年
家具職人協会よりデザインギルドマーク賞(ポリプロピレンサイドチェアとアームチェアに対して)

主要な展覧会と出版物

  • 2010年:ドキュメンタリー映画「Contemporary Days: The Designs of Robin and Lucienne Day」(監督:Murray Grigor for Design Onscreen)がデイの死の直前に完成
  • 2011年:チチェスターのパラント・ハウス・ギャラリーで「Robin and Lucienne Day: Design and the Modern Interior」展(3月26日-6月26日)
  • 2012年:ヴィクトリア&アルバート博物館「British Design From 1948: Innovation in the Modern Age」展にデイ夫妻の作品が特集される
  • 2015年:ロンドン・デザインフェスティバルの一環として、ヴィクトリア&アルバート博物館で「Robin Day Works in Wood」展(生誕100周年記念)
  • 2015年:Case Furnitureで「Robin Day — Redefining British Design」回顧展

現在の製造ライセンシー

デイの死後、娘のポーラ・デイが2012年に設立したロビン&ルシエンヌ・デイ財団が、デイのデザインのライセンスを管理している。現在のライセンシーは以下のとおり。

  • &Tradition:ヒレスタックチェア、RFHラウンジチェア、ダイニングチェア、テラスチェア、デイズタックテーブル(すべて1951年デザイン)
  • Case Furniture:675チェア、フォーラムソファ、フォーラムアームチェア、ウェストストリートチェア
  • twentytwentyone:リクライニングチェア、シェブロンチェア、スラットベンチ
  • Hille(現Hille Educational Products):ポリプロピレンチェアシリーズ(サイドチェア、アームチェア、Eシリーズ、ポロチェアなど)

評価と後世への影響

デザイン史における位置づけと技術革新

ロビン・デイは20世紀で最も重要な英国家具デザイナーの一人として広く認識されている。1948年のMoMAコンペでイームズが座席部門二等賞、デイ(とクライヴ・ラティマー)が収納部門一等賞を受賞したように、両者はモダニズム期の家具デザインの同時代人であり、デイはイームズ夫妻がアメリカデザインに与えたのと同等の影響をイギリスデザインに与えた。1951年のフェスティバル・オブ・ブリテンとロイヤル・フェスティバル・ホールへの貢献は、戦後の復興と希望を象徴する国家的瞬間における彼の中心的な役割を示している。

デイの最も永続的な貢献の一つは、家具製造における技術革新の先駆者としての役割である。彼はHille社・Shell社と協力して家具産業で初めてポリプロピレンの射出成形を実用化し、単一の工具で週に4,000個のシェルを1個あたり1分半で製造することを可能にして、各ユニットを非常に安価にした。ヴィクトリア&アルバート博物館のキュレーターは、このチェアを「1963年の導入以来ほとんど変更されず、100年前のトーネットの曲げ木椅子のようにほぼユビキタスな存在となった」と評している。

民主的デザインと持続可能性

「良質なデザインは誰もが手に入れられる価格であるべき」というデイの哲学は、理想にとどまらず実際に実現された。ポリプロピレンチェアは「20世紀で最も民主的なモダンデザインの一つ」と評され、学校、病院、空港、公共施設など社会のあらゆるレベルで質の高いデザインを利用可能にした。ポーラ・デイは「これほど低価格でこれほど高いデザインステータスを持つ椅子は他にない。誰もがアクセスできる良いデザインこそ、父が情熱的に信じていたことだった」と語る。

デイは「使い捨て」文化を受け入れず、ポリプロピレンチェアを長く使えるよう設計した。彼の椅子が60年以上にわたって生産され今も使われ続けている事実は、流行に左右されず修理可能で長期使用に耐えるデザインこそ最も環境に優しいという、持続可能なデザインの意味を示している。

現代における再評価と遺産

1980年代にデイが家具業界と距離を感じた後、1990年代にはトム・ディクソンらを中心に作品への関心が劇的に復活した。2015年の生誕100周年は、ヴィクトリア&アルバート博物館、Case Furniture、John Lewis、twentytwentyoneなどが参加する一連のイベントと展覧会で祝われ、現在も複数のメーカーがロビン&ルシエンヌ・デイ財団と協力して、現代の製造基準と安全規制に適合させた真正な復刻版を製造している。

デイの遺産は、物理的な作品だけでなく、機能主義と美学の融合、技術革新の追求、社会的責任、環境への配慮というデザインへの態度にも表れている。彼の作品はパリのポンピドゥー・センターやロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館などの永久コレクションに収められているが、最も重要なのは、学校、図書館、カフェテリア、空港、劇場、家庭など世界中の無数の場所で、人々が今日もデイの椅子に座り続けていることである。それこそが、真にタイムレスなデザインの証といえる。

作品一覧

年月 区分 作品名 ブランド/クライアント
1948年 収納家具 モジュラー収納ユニット(MoMAコンペ一等賞作品) クライヴ・ラティマーと共同
1948-49年 グラフィック 英国空軍募集ポスターシリーズ 英国空軍
1948-65年頃 プロダクト ラジオ・テレビデザイン(CS17テレビセット含む) Pye
1949年 家具セット ダイニングルームセット Hille(British Industry Fair向け)
1950年 企業デザイン コーポレートアイデンティティ・ロゴデザイン Hille
1951年 椅子 ヒレスタックチェア(Hillestak Chair / Daystak Chair) Hille / 現&Tradition
1951年 椅子 ロイヤル・フェスティバル・ホール オーケストラチェア Kingfisher Ltd
1951年 椅子 ロイヤル・フェスティバル・ホール ラウンジチェア(Model 658) Hille / 現&Tradition
1951年 椅子 ロイヤル・フェスティバル・ホール ダイニングチェア(Model 661) Hille / 現&Tradition
1951年 テーブル ロイヤル・フェスティバル・ホール テラステーブル(RD1テーブル) Hille / 現&Tradition
1951年 椅子 ロイヤル・フェスティバル・ホール テラスチェア Hille / 現&Tradition
1951年 収納家具 エコノミーキャビネット(オーク材) Festival of Britain Homes and Gardens Pavilion
1951年 収納家具 ラグジュアリーキャビネット(マホガニー突板、角型スチール管フレーム) Festival of Britain Homes and Gardens Pavilion
1952年 椅子 675チェア Hille / 現Case Furniture
1952年 椅子 リクライニングチェア Hille / 現twentytwentyone
1953年 椅子 Qロッドチェア Hille
1954年 収納家具 インタープランユニットU(引き出しチェスト) Hille
1954年 ベンチ スラットベンチ Hille / 現twentytwentyone
1954年 椅子 スタックチェア(Stak Chair) Hille
1957年 家具 コンバーチブルベッドセッティ Hille
1958年 座席 ガトウィック空港座席システム ガトウィック空港
1960-66年頃 テキスタイル ウィルトンカーペット抽象デザインシリーズ Woodward Grosvenor
1962年 椅子 チェブロンチェア Hille / 現twentytwentyone
1962-87年 インテリア 百貨店インテリアデザイン・ハウススタイル開発 John Lewis
1963年 椅子 ポリプロピレンチェア(Mark II サイドチェア) Hille
1964年 ソファ フォーラムセッティ(2人掛けソファ) Hille / 現Case Furniture
1964年 椅子 フォーラムアームチェア Hille / 現Case Furniture
1964年 家具セット チャーチル・カレッジ ダイニングホール家具(オイルドチーク材テーブル・椅子) Churchill College, Cambridge
1967年 椅子 ポリプロピレンアームチェア Hille
1968年 座席 メキシコオリンピック競技場座席 メキシコオリンピック組織委員会
1971年 椅子 シリーズEポリプロピレンチェア(5サイズ展開) Hille
1972年 椅子 ポロチェア(Polo Chair) Hille
1972年 テーブル トートテーブル(Tote Table) Hille
1973年 座席 クリフトン大聖堂 身廊座席 クリフトン大聖堂、ブリストル
1975年 椅子 ポロチェア(屋外スタジアム仕様) Hille
1979年 インテリア ジョン・ルイス ミルトン・キーンズ店インテリア John Lewis
1981年 座席 バービカン・アーツセンター 講堂座席システム(劇場・コンサートホール・映画館) Rank Audio Visual
1981年 家具 バービカン・アーツセンター カフェテーブル・椅子・ホワイエソファ バービカン・アーツセンター
1984年 座席 RD座席システム(テーブル付き) Hille
1990-91年 座席 ロンドン地下鉄座席システム ロンドン交通局
1990年代 座席 トロ・ビームシート(Toro Beam Seat) Hille
1990年代 座席 ウッドロ・ビームシート(Woodro Beam Seat) Hille
2001年 椅子 ワンツリーチェア(Onetree Chair) Ercol Furniture Ltd.(プロトタイプ工房製作)
2005年 家具 家具デザインシリーズ Magis(イタリア)
2006年 椅子 ウェストストリートチェア Case Furniture
2008年 椅子 RDウッデンチェア Hille
年代不詳 インテリア Waitroseスーパーマーケット複数店舗インテリアデザイン Waitrose
年代不詳 インテリア BOACエアクラフトインテリア・食事サービス機器 BOAC(英国海外航空)

Reference

Robin Day (designer) - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Robin_Day_(designer)
Robin Day | Galerie kreo
https://www.galeriekreo.com/en/designer/robin-day/
Robin Day - Designer | &Tradition
https://www.andtradition.com/designers/robin-day
Robin Day | twentytwentyone
https://www.twentytwentyone.com/collections/designers-robin-day
Robin Day - designer profile | STYLEPARK
https://www.stylepark.com/en/designer/robin-day
Robin Day | Our Designers | Case Furniture
https://casefurniture.com/pages/robin-day
Influential British Furniture Designer - Robin Day Polyprop Chair | Hille
https://www.hille.co.uk/robin-day
Robin Day — United Kingdom | Mr Bigglesworthy
https://www.mrbigglesworthy.co.nz/designers/robin-day
60 years old, the Polyside Chair, Robin Day, 1963. | Museum of Design in Plastics
https://www.modip.ac.uk/blog/2023/04/60-years-old-polyside-chair-robin-day-1963
Polypropylene stacking chair - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Polypropylene_stacking_chair
Robin Day Polyside and Armchair | Hille
https://www.hille.co.uk/robin-day-polyside-and-armchair
Robin Day's 1960s stackable Polyside chair relaunches | Dezeen
https://www.dezeen.com/2015/09/20/robin-day-1960s-stackable-polyside-chair-relaunches-john-lewis-hille/
675 Chair, Robin Day, 1952 | Robin and Lucienne Day Foundation
https://www.robinandluciennedayfoundation.org/lives-and-designs/1950s/675-chair-robin-day
Robin Day - Redefining British Design | Case Furniture
https://casefurniture.com/en-us/blogs/news/robin-day-redefining-british-design
Five chairs by Robin Day: Issue 108 | Furniturelink
https://www.furniturelinkca.com/news108.htm
&Tradition introduces Robin Day's Designs | Mohd
https://www.mohd.it/en/magazine/tradition-introduces-robin-day/
The World Of Robin Day, a Mid-Century British Icon | Utility Design
https://www.utilitydesign.co.uk/blog/the-world-of-robin-day-a-mid-century-british-icon/
Robin & Lucienne Day Online Shop | Pamono
https://www.pamono.com/designers/robin-lucienne-day