部材を回転させて畳み、使わないときの体積を減らす機構。部材がつながったまま姿勢を変える点がノックダウンと異なる。
折りたたみ
折りたたみとは、部材を回転させて畳み、使わないときの体積を減らす機構のこと。英語では folding と書く。
解説
基本の形は、二組の部材を軸で結んで交差させ、開くと立ち、閉じると平らになる構成である。開いた状態で自立させるには、どこかで回転を止めなければならない。座面や背もたれの張り材が張力で止める場合もあれば、脚どうしが当たって止まる場合、金具で固定する場合もある。この止め方が座り心地と安全性の両方を決める。
用途は屋外や仮設に限らない。ビストロチェア(ビストロ メタルチェア)は1889年に特許が取られた鋼製の折りたたみ椅子で、パリのカフェが常設のテラス席を置けなかった事情のもとで広まった。営業時間の外に椅子を片付けるという条件が、そのまま機構の要求になっている。ジャンカルロ・ピレッティのプリアチェアは、三枚の円盤状の金具に脚・座枠・背の回転軸をまとめ、畳んだときの厚みを大きく減らした。ニューヨーク近代美術館はこの椅子を「Plia Folding and Stacking Chair」として収蔵しており、畳むことと重ねることが一つの機構で成り立っている。
畳めることの代償は接合部にある。軸は動く前提でつくられるため、締結された接合部より遊びが生じやすく、使ううちにがたつく。荷重が繰り返し同じ軸へ集中するため、軸まわりの摩耗も避けられない。長く使う場合は、軸の材質と交換の可否を確かめておく価値がある。
ノックダウンとの違い
ノックダウンは部材を分けたまま運び、届いた先で組み立てる方式で、いったん組み立てたあとは分解しないことが前提になる。折りたたみは部材がつながったまま姿勢を変える機構で、道具を使わずに何度でも畳める。前者は輸送と保管の効率を狙い、後者は使用と収納を短い時間で往復することを狙う。両方を備える製品もあるが、設計上の要求は別のものである。
Reference
- Bistro Metal Chair - Outdoor Folding Chair(Fermob)
- https://www.fermob.com/us/chair-bistro-metal-chair.html
- Giancarlo Piretti. Plia Folding and Stacking Chair. 1967(MoMA)
- https://www.moma.org/collection/works/3529