概要
トゥルモー アーキテットゥーラは、ピエロ・フォルナセッティとジオ・ポンティの協働により1951年に発表された収納家具である。ポンティが構成を、フォルナセッティが表面の図像を担当した。18世紀の「トゥルモー」の形式にもとづき、全面に建築を主題とした図像が施される。1951年の第9回ミラノ・トリエンナーレで公開された。
特徴・コンセプト
表面を図像で覆う
トゥルモーは、上部に観音開きの収納、中央に折りたたみ式の書き物机、下部に引き出しを備えた形式である。フォルナセッティは、この各面に古典建築のファサード、アーチ、列柱、遠近法で描かれた回廊を配した。扉を開くたびに別の図像が現れる。
図像は実在の建物の観察ではなく、印刷物や版画から構成されている。描かれた建築は実在しない。
転写で図像を貼る
各面ごとに版が作られ、転写シートに印刷したうえでパネルに貼り付ける。パネルを本体に組み付け、ニスで仕上げる。図像を直接家具に描けば一台ごとに手描きの差が出るが、版から転写すれば同じ図像を繰り返し得られる。現行品では手刷りのシルクスクリーンとラッカー仕上げの工程がとられ、一台の完成に約7か月を要する。
収納としての構成
上部の扉の内側にはガラスの棚が7段と照明が設けられる。中央の折りたたみ式の机にも照明が備わる。下部には引き出しが3段。図像に覆われた外観の内側に、収納の機能が収まっている。
エピソード
曲線を描く天板とサーベル脚を持つ初期型は2点のみが制作された。その後フォルナセッティは形態を改め、角形の台座と直線的な上部を持つ現行型の原型を確立している。1950年代から60年代にかけて約40台、1970年代に数台、1980年代に約10台が制作された。
現在は息子のバルナバ・フォルナセッティの監修のもと、各台にシリアルナンバーと製造年が記される。
評価と影響
ポンティが構成を、フォルナセッティが表面を担当するという分担で成立している。同じポンティによるD.859.1 デスクが構造から形を導くのに対し、こちらは構造の上に別の層として図像が載る。
2013年、ミラノ・トリエンナーレでフォルナセッティの回顧展が開かれ、本作も出品された。同展はパリとソウルへ巡回している。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。同館の記録では作者がジオ・ポンティとして登録されている。
- V&A トゥルモー(1951年) 収蔵番号 W.21&:2, 3-1983
ジオ・ポンティの設計思想や経歴について詳しくはジオ・ポンティプロフィールページをご覧ください。
フォルナセッティの歴史や他の製品について詳しくはフォルナセッティブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | トゥルモー アーキテットゥーラ / Trumeau Architettura |
|---|---|
| デザイナー | ピエロ・フォルナセッティ(図像)、ジオ・ポンティ(構成) |
| ブランド | フォルナセッティ(Fornasetti) |
| 発表年 | 1951年(第9回ミラノ・トリエンナーレ) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | 収納家具 |
| 構造 | 上部:観音開き扉(ガラス棚7段・照明)/中央:折りたたみ式の机(照明)/下部:引き出し3段 |
| 技法 | 版から転写したパネルを本体に組み付ける。現行品は手刷りシルクスクリーンとラッカー仕上げ |
| サイズ | 幅81cm × 奥行39cm × 高さ219cm |
| 生産形態 | 限定生産(シリアルナンバーと製造年を記載)。一台あたり約7か月 |
| 収蔵 | V&A(W.21&:2, 3-1983) |
Reference
- Trumeau | Victoria and Albert Museum
- https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=W.21-1983
- Trumeau Architettura | Fornasetti
- https://www.fornasetti.com/en/furniture