フォルナセッティ
フォルナセッティ(Fornasetti)は、イタリア・ミラノを拠点とする装飾デザインのアトリエである。画家であり版画家、デザイナーでもあったピエロ・フォルナセッティ(1913–1988)が1940年代に創設し、現在は息子のバルナバ・フォルナセッティが芸術監督を務めている。トロンプ・ルイユ(だまし絵)の手法を用いた緻密な装飾を家具や磁器、インテリア小物に施す作風で、20世紀を代表する装飾表現のひとつとして広く知られている。
特徴・コンセプト
フォルナセッティの製品は、下絵をもとにシルクスクリーンで転写された装飾を、幾層ものラッカーで封じ込める手作業の技法によって生み出される。装飾のモチーフは建築や太陽、蝶、気球など多岐にわたり、なかでも19世紀の歌手リナ・カヴァリエリの肖像を無数に変奏した「テーマとヴァリエーション(Tema e Variazioni)」は、アトリエを象徴する図像として知られる。機能を備えた家具でありながら、彫刻的な存在感で空間そのものの性格を変えてしまう点に、この工房の個性がある。
ブランドヒストリー
その源流は、ピエロ・フォルナセッティが1930年代にミラノで開いた版画工房「スタンペリア・ダルテ・フォルナセッティ」にさかのぼる。1940年代、建築家ジオ・ポンティとの出会いが転機となり、装飾を施した家具の制作を軸とするアトリエが本格的に始動した。両者の協働から生まれた代表作が、1951年の第9回ミラノ・トリエンナーレで発表された装飾家具「アルキテットゥーラ(Architettura)」のトゥルモーである。この作品はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館の家具コレクションに収蔵されている。
1988年にピエロが世を去った後は、息子バルナバがアトリエを継承し、父の遺した図像とアーカイブを再解釈しながら、家具や磁器に加えてファッションやインテリアの分野へと活動を広げている。今日でもアトリエの職人が原画に忠実に手作業で彩色し、伝統的な技法を守り続けている。
基本情報
| 創設 | 1940年代(版画工房は1930年代) |
|---|---|
| 本社所在地 | イタリア・ミラノ |
| 創設者 | ピエロ・フォルナセッティ |
| 芸術監督 | バルナバ・フォルナセッティ |
| 主な製品分野 | 装飾家具、磁器、インテリアアクセサリー |
| 公式サイト | https://www.fornasetti.com |