概要
ストリップスは、チニ・ボエリとラウラ・グリツィオッティがアルフレックスのために設計したモジュール式のシーティングである。ファスナーで開閉するキルティングのカバーが構成の中心にあり、詰め物と骨組みはその内側に収まる。1979年にコンパッソ・ドーロを受賞し、現在も生産が続いている。
特徴・コンセプト
カバーが外形を決める
通常の張り家具では、カバーは構造と詰め物を覆う仕上げにすぎない。ストリップスではこの関係が入れ替わる。中綿を入れてキルティングしたカバーが製品の外形と質感を決め、内側の骨組みと詰め物はそれを支える役に回る。
カバーは全周のファスナーで開き、レザー仕様を除いて完全に取り外して洗える。ファスナーの列は隠されず、そのまま輪郭の線として見える。手入れのための機構が、同時に見た目の要素にもなっている。
ベッドへの展開
この考え方が最も明快に出るのがベッドとソファベッドの仕様である。ファスナーを開くとカバーが寝袋のように広がり、そのまま寝具として使える。掛け布団を別に用意する必要がなく、枕を足せば整う。ソファベッドにありがちな折りたたみ機構を持たない。
素材とモジュール
ベースは金属とポプラ合板で、肘掛けと背もたれには弾性ベルトが用いられる。詰め物は異密度の成形ポリウレタンフォームとポリエステルファイバー。脚は黒ラッカー塗装の金属である。カバーの生地はポリエステルと綿の繊維を合わせてキルティングされる。アームチェア、直線のソファ、コーナーユニット、ベッドが同じ構成で揃う。
エピソード
ストリップスは、1971年のセルペントーネに続く仕事である。セルペントーネはフレームもカバーも持たないポリウレタンフォームだけの構成で、造形としては明快だったが、汚れと経年劣化に弱かった。ストリップスは詰め物を骨組みの上に置き、その全体を着脱できるカバーで包むことで、同じモジュール構成をより扱いやすい形に落とし込んでいる。
設計年については資料に幅がある。アルフレックスの製品ページは1968年としており、同社の沿革では1972年に発表されたと記されている。
ラウラ・グリツィオッティは1967年から1974年までチニ・ボエリと協働した。コンパッソ・ドーロの受賞記録にも、ボエリと並んで設計者として名が記されている。
評価と影響
1979年、イタリアインダストリアルデザイン協会(ADI)はストリップスの張りぐるみシリーズにコンパッソ・ドーロを授与した。ボエリにとって最初のコンパッソ・ドーロにあたる。
カバーを取り外して洗えるという性質は、当時の張り家具では一般的ではなかった。同じアルフレックスではマレンコがクッションごとにカバーを扱う方式をとっており、両者は取り外しの単位が異なる。
二人の設計思想や経歴について詳しくはチニ・ボエリ、ラウラ・グリツィオッティの各プロフィールページをご覧ください。
アルフレックスの歴史や他の製品について詳しくはアルフレックスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ストリップス / Strips |
|---|---|
| デザイナー | チニ・ボエリ(Cini Boeri)、ラウラ・グリツィオッティ(Laura Griziotti) |
| ブランド | アルフレックス(arflex) |
| 発表年 | 1972年(製品ページでは設計年を1968年とする) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ソファ(モジュール式)/ベッド |
| 構造 | 金属+ポプラ合板のベース、肘掛け・背もたれに弾性ベルト |
| 詰め物 | 異密度の成形ポリウレタン、ポリエステルファイバー |
| カバー | キルティング仕上げ、全面取り外し可(レザー仕様を除く) |
| 構成 | アームチェア、ソファ、コーナーユニット、ベッド、ソファベッド |
| 受賞 | 1979年 コンパッソ・ドーロ |
Reference
- Strips | arflex
- https://www.arflex.it/en/products/strips/