概要
セルペントーネは、チニ・ボエリが1971年にアルフレックスのために設計したソファである。名称はイタリア語で大蛇を意味する。垂直のポリウレタンフォーム板を蛇腹のように連ねた構成をとり、内部にフレームを持たない。メートル単位で販売された。
特徴・コンセプト
長さを買う側が決める
通常のソファは、2人掛け、3人掛けといった単位で完成した状態で売られる。セルペントーネは必要な長さだけを切って買う。部屋の寸法が先にあり、家具の側がそれに合わせる。
板を連ねた構成のため、直線にも曲線にも並べられる。壁に沿わせれば帯になり、部屋の中央で曲げれば囲いになる。同じ製品が、置き方によって別の家具として働く。
フレームを持たない
素材はポリウレタンフォームのみで、木や金属の骨組みを持たない。フォームは切れば形になるため、部材を接合する工程が要らない。同時に、荷重を受ける部分と身体が触れる部分が同じ素材になる。
フォームだけの構成のため、経年による劣化は避けられない。現存する個体は状態の確認が要る。
エピソード
アルフレックスは1947年の創業で、ポリウレタンフォームや弾性テープといった新しい素材を家具へ応用することを目指した。マルコ・ザヌーソのレディチェアやアントロプスがその初期の成果にあたる。
ボエリはジオ・ポンティのスタジオで実習を受けたのち、1963年までマルコ・ザヌーソのもとで建築と工業デザインに携わり、同年に自らの事務所を設立した。設計の多くはモジュール式か、限られた種類の素材で、しばしば単一の素材だけで構成されている。
評価と影響
翌1972年、この構成はストリップスへ展開された。フォームの塊にカバーを掛けて着脱できるようにしたもので、こちらは1979年にコンパッソ・ドーロを受けている。
内部フレームを省くという方向では、同時期にUP5_6 アームチェア&オットマンがフォームのみで自立する構成を、コロナードの設計者によるソリアナが外側から締める構成を示した。セルペントーネはそのなかで、完成した形を持たない側に位置する。
4館の公開データでは、セルペントーネの収蔵は確認できていない。
チニ・ボエリの設計思想や経歴について詳しくはチニ・ボエリプロフィールページをご覧ください。
アルフレックスの歴史や他の製品について詳しくはアルフレックスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | セルペントーネ / Serpentone |
|---|---|
| デザイナー | チニ・ボエリ(Cini Boeri) |
| ブランド | アルフレックス(Arflex) |
| 発表年 | 1971年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | モジュール式ソファ |
| 主要素材 | ポリウレタンフォームのみ(内部フレームなし) |
| 構造 | 垂直のフォーム板を蛇腹状に連結。直線にも曲線にも並べられる |
| 販売単位 | メートル単位 |
| 名称の由来 | イタリア語で大蛇 |
| 後継 | ストリップス(1972年) |
Reference
- Serpentone | Arflex
- https://www.arflex.it/en/products/serpentone/