ポリオールとイソシアネートの反応で発泡させたプラスチック。家具では軟質のものが座面や背もたれのクッション材に用いられる。
ポリウレタンフォーム
ポリウレタンフォームとは、ポリオールとイソシアネートの反応によって気泡を含ませた発泡プラスチックのこと。家具の座面や背もたれには軟質ポリウレタンフォームが用いられる。材質表示記号はPURである。
解説
家具に用いられる軟質フォームの見かけ密度は、おおむね1立方メートルあたり16キログラムから100キログラム程度の範囲にある。ここで注意が要るのは、密度と硬さが別の指標である点である。密度は同じ体積にどれだけ材料が詰まっているかを示し、硬さは押し込んだときの反発する力をニュートンで示す。硬いフォームが必ずしも密度が高いわけではなく、逆もまた成り立つ。座り心地に直結するのは硬さだが、へたりにくさに効くのは密度のほうである。硬さの試験方法は JIS K 6400-2 に定められている。
反発弾性率という指標もある。日本産業規格の試験方法にもとづき、高弾性フォームは50パーセント以上、低反発フォームは15パーセント程度以下とされる。低反発フォームは体の形に沿って沈み、圧力が一点に集中しにくい。高弾性フォームは押し返す力が強く、姿勢を保ちやすい。同じ椅子でも、部位によって性質の違うフォームを重ねて使うことがある。
へたりは、荷重が長期にわたるほど、また荷重に対して密度が低いほど大きくなる。この特性は圧縮残留ひずみとして数値化され、試験方法は JIS K 6400-4 による。ウレタンフォーム工業会の優良ウレタンマーク表示制度は、家具類の座部クッションについて見かけ密度が1立方メートルあたり25±2キログラム以上かつ圧縮残留ひずみ6パーセント以下、寝具・インテリア類については同じく20±2キログラム以上かつ6パーセント以下のフォームを用いることを勧めている。数値が公表されている製品であれば、この水準が一つの目安になる。
経年変化としては、光にあたる部分が黄色く変色することがある。これは分子鎖の一部が変化したもので、物性の劣化とは別の現象である。一方、長期間の使用では空気中の水分による加水分解が進み、押すと崩れるようになる。この段階に達したフォームは交換が必要になるが、張り地ごと張り替えられる構造であれば、フレームを残したまま更新できる。座面の内部が見えない以上、購入時に確認できるのは仕様の表示と、張り替えに対応する経路があるかどうかである。
Reference
- 主な特性|軟質ポリウレタンフォーム(ウレタンフォーム工業会)
- https://www.jufa-urethane.org/nanshitsu_polyurethanefoam/primary_characteristic/
- 寝具、インテリア類や家具類の選択の目安(日本ウレタン工業協会 Q&A)
- https://www.urethane-jp.org/qa/nanshitsu/cushion/post_82.html
- クッション用 軟質ポリウレタンフォーム製品の選び方(日本ウレタン工業協会)
- http://www.urethane-jp.org/qa/nanshitsu/cushion/