概要

カマレオンダは、イタリアのデザイナー、マリオ・ベリーニが1970年にデザインし、B&B Italia(当時のC&B Italia)が製造したモジュラーソファシステムである。その名称は、イタリア語で「カメレオン」を意味する「camaleonte」と「波」を意味する「onda」を組み合わせた造語であり、変幻自在な適応性と有機的な曲線を象徴している。

90×90cmの座面を基本単位とし、ワイヤーロープとフックで部材を連結する。工具を使わずに着脱でき、構成を組み替えられる。

特徴・コンセプト

座面は90×90cmの正方形を基本単位とする。同じ寸法で揃えることで、どの向きに並べても辺が合う。背もたれとアームレストも同じ単位に対応する。

連結システム

連結にはワイヤーロープ、フック、リングを用いる。カピトネは張り地をボタンで引き込んで凹凸をつくる仕上げだが、カマレオンダではこの引き込み点がそのまま連結の金具を通す位置になる。装飾と接合が同じ箇所で処理されるため、外から連結部が見えない。工具を使わずに着脱できる。

単位の反復

単位を反復して構成するため、部屋の寸法に合わせて長さを決められる。一体のソファでは寸法が固定されるが、単位に分ければ後から足し引きできる。

有機的フォルム

詰め物の膨らみによって、正方形の輪郭は角が丸くなる。単位が正方形でも、並べたときに直線の帯にはならない。

エピソード

1972年の展覧会

1972年、カマレオンダはニューヨーク近代美術館で開催された展覧会「Italy: The New Domestic Landscape」に出品された。展示であり、同館の収蔵とは異なる。

生産の終了

1979年に生産を終えたが、後年に復刻された。

50周年の復刻

2020年、発表から50年を機にB&B Italiaが復刻した。造形・寸法・連結システムを継承しながら、内部構造を刷新している。ビーチ材の脚部とリサイクルPETを用いた取り外し可能なカバーが採用された。

評価と影響

同じベリーニによるル・バンボーレは骨組みをフォームに埋め込んで一つの塊とするのに対し、カマレオンダは単位に分けて連結する。同じ時期にフォームで構成する家具では、セルペントーネがベースを持たない構成をとる。

4館の公開データでは、カマレオンダの収蔵は確認できていない。1972年の展覧会への出品は、収蔵とは異なる。

Gli Scacchi(グリ・スカッキ)

1971年、ベリーニはカマレオンダに合わせたサイドテーブル兼スツール「Gli Scacchi(チェスの駒)」を設計した。カマレオンダの単位と揃う寸法を持つ。表面に皮膜が生じるセルフスキニング・ポリウレタンフォームを用いており、張り地を被せずに成形面がそのまま外装になる。

基本情報

デザイナー マリオ・ベリーニ(Mario Bellini)
デザイン年 1970年
メーカー B&B Italia(当時C&B Italia)
デザイン国 イタリア
製造期間(初版) 1970年〜1979年
復刻版 2020年〜(50周年記念リイシュー)
座面モジュールサイズ 90×90cm
脚部高さ 5cm(2インチ)または8cm(3 1/8インチ)
素材(復刻版) 木製パネル、異なる密度のポリウレタンフォーム、FSC認証ビーチ材脚部、リサイクルPETカバー
張地 B&B Italiaのテキスタイル・レザーコレクションより選択可能