ブランド情報
- 創業・本社
- 1927年 イタリア・メーダ(Amedeo Cassinaとして)
- 創業者
- Cesare Cassina、Umberto Cassina
- 生産
- 自社工場で製造
- 事業内容
- 家具・照明・付属品の製造および販売
- 親会社・グループ
- ヘイワース・ライフスタイル(2005年〜) > ヘイワース(2014年〜)
- 日本での取扱い
- 株式会社カッシーナ・イクスシー(日本総代理店)
- ショールーム
- カッシーナ・イクスシー 青山本店(東京都港区) / カッシーナ・イクスシー 名古屋店(名古屋市中区) / カッシーナ・イクスシー 大阪店(大阪市中央区) / カッシーナ・イクスシー 福岡店(福岡市中央区)
- 公式サイト
- www.cassina.com
本社・所有・生産・日本での取扱いなどは 2026年10月21日に確認
Cassina(カッシーナ)
Cassinaは、イタリア・ロンバルディア州メーダに本社と工場を置く家具メーカーである。1927年に木工所として創業し、1950年代に手工業から量産へ生産方式を切り替えて、外部の建築家・デザイナーとの協働による製品開発を事業の柱とした。製品構成は、Le Corbusier、Pierre Jeanneret、Charlotte PerriandによるLCシリーズをはじめ、20世紀の建築家が設計した家具を権利者の許諾のもとで生産する「Cassina iMaestri」(イ・マエストリ)と、現行の設計者による製品群の二本立てである。2005年よりPoltrona Frau Group(現Lifestyle Design)に属し、同グループは2014年から米国Haworthの傘下にある。日本での輸入販売は、別法人の株式会社カッシーナ・イクスシーが担う。
事業と製造の実体
Cassinaはメーダのブリアンツァ地区に本社と生産拠点を置く。この地域は木工と家具製造の集積地であり、創業家も代々指物を業としていた。1948年に設計部門と製造部門を分離したことで、社内で意匠を起こす体制から、外部の設計者が持ち込む図面を製造技術に翻訳する体制へと移行した。以後の製品開発は、設計者と工場の往復によって進められている。
加工技術は木工と張り地の二系統から拡張されてきた。木工では無垢材の削り出しと成形合板の曲げ加工を扱い、1957年のスーペルレッジェーラ 699では断面を切り詰めた脚材で1.7kgという重量を実現した。張り地の分野では1966年、Busnelli社との合弁でC&B(Cassina & Busnelli)を設立し、ポリウレタンフォームの型成形を量産に導入した。1969年には社内に研究部門を設け、以後の技術開発の場としている。
研究部門で生まれた技術には特許を伴うものがある。1987年のI Feltriでは、フェルト状の羊毛に熱硬化性樹脂を含浸させて自立する外殻を成形する方法が開発され、特許が取得された。2020年にはミラノ工科大学系のコンソーシアムPoli.designと共同でCassina LABを設置し、既存製品と新製品に用いる素材の見直しを進めている。
iMaestriの製品には、権利の所在を示す表示が施される。設計者の署名、コレクションのロゴタイプ、通し番号が消えない形で刻まれ、同じ番号を記載した「Carta d'Identità」(証明書)が個体ごとに添付される。この番号は製造年次の特定と、権利継承者への使用料の照合に用いられる。
沿革
創業と量産化
1927年、Cesare CassinaとUmberto Cassinaの兄弟がメーダで「Amedeo Cassina」を設立した。1935年に社名は「Figli di Amedeo Cassina」へ改められている。当初はコーヒーテーブルを中心とする指物の製造で、意匠は社内で起こしていた。
1948年、設計と製造を分離し、外部の建築家・デザイナーとの協働に転じる。戦後の同社の造形を方向づけたのはGio Pontiとの協働だった。1952年にはPontiと組んでイタリアの客船Andrea Doriaの内装を担当し、契約家具の分野で大口の受注を得ている。1954年、第1回コンパッソ・ドーロにおいて、Carlo De Carliが設計した683番の椅子で受賞した。座と背に薄いトネリコの成形合板を用いた製品である。同じ年代にIco ParisiやGianfranco Frattiniとの協働も始まった。
1957年、Gio Pontiとの協働からスーペルレッジェーラ 699(型番699)が生産に入る。1952年のレッジェーラ 646を出発点に、脚の断面を段階的に細くする改良を重ねた製品だった。1963年にはVico Magistrettiのカリマテ チェアの生産が始まる。
20世紀の設計の再生産
1965年、Le Corbusier、Pierre Jeanneret、Charlotte Perriandが1920年代に設計した4つのモデルの量産が始まった。これが後のiMaestriの起点にあたる。コレクションとして体裁が整うのは1973年で、Gerrit Thomas RietveldとCharles Rennie Mackintoshの作品が加えられた時期にあたる。以後、Erik Gunnar Asplund、Franco Albini(2008年)、Marco Zanuso(2015年)、Ico Parisi、Giacomo Balla(2020年)と対象が広げられ、2023年にはVico Magistretti、Gio Ponti、Carlo Scarpaが加わっている。
再生産にあたっては、図面・スケッチ・試作をはじめとする資料を、権利継承者や財団と共同で検討する手順が取られる。2004年にはCharlotte Perriandが単独で設計した家具が加えられ、2015年にはコレクション50周年に合わせてFondation Le Corbusierおよび相続人との協議のもとで仕様の見直しが行われた。
技術と表現の拡張
1966年のC&B設立と1969年の研究部門開設により、成形ウレタンを用いた製品が可能になった。1968年のAfra & Tobia ScarpaによるCiprea、1970年のソリアナ(同年コンパッソ・ドーロ受賞)、1973年のマラルンガがこの系列にあたる。同じ1973年には、ArchizoomのPaolo DeganelloによるAEOのように、当時の急進的な設計思想を反映した製品も加えられた。
1968年、Mario Belliniの設計によるミラノ・ヴィア・ドゥリーニのショールームが開設された。約1,200平方メートルの規模で、以後Vico Magistretti、Achille Castiglioni、Piero Lissoni、Patricia Urquiolaらによって改装が重ねられている。1972年、ニューヨーク近代美術館の展覧会「Italy: The New Domestic Landscape」にあたっては、Mario Belliniが構想したKar-a-sutraの製作を担当した。1991年には企業としてコンパッソ・ドーロを受けている。
資本の移動と現在
2005年、CassinaはPoltrona Frau Groupの傘下に入った。同グループは2014年2月、米国の事務所家具メーカーHaworthに買収されている。Cassina S.p.A.は現在もメーダに登記され、Haworth Italy Holdingの管理下で事業を続けている。2013年にはDino Gavinaが創業したSimon Internationalの商標を取得し、Carlo ScarpaやKazuhide Takahamaの設計を取り扱うようになった。2016年、Patricia Urquiolaがアートディレクターに就任している。
デザイナーとの協働
Cassinaの製品開発は、社内の設計部門ではなく外部の設計者との個別契約によって進む。この方式は1948年の組織改編に始まり、Gio Pontiとの協働で定着した。20世紀の建築家の設計については、権利継承者や財団との合意にもとづく再生産という別の枠組みを用いる。
継続的な協働相手には、Vico Magistretti、Mario Bellini、Afra & Tobia Scarpa、Gaetano Pesce、Philippe Starck、Piero Lissoni、Rodolfo Dordoni、Patricia Urquiolaらがいる。Karl Lagerfeldとの企画(2013年)のように、家具設計を本業としない人物との単発の協働も行われている。
Le Corbusierの設計思想や経歴について詳しくはLe Corbusierプロフィールページをご覧ください。
Gio Pontiの設計思想や経歴について詳しくはGio Pontiプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
iMaestriの中心を占めるのは、Le Corbusier、Pierre Jeanneret、Charlotte PerriandによるLCの一連で、LC1 バスキュラントチェア、LC2 ソファ、LC3 グランコンフォール、LC4 シェーズロング、LC6テーブルなどが継続して生産されている。Charlotte Perriand単独の設計ではニュアージュ ブックシェルフやテーブル・アン・フォルム・リーブル、Pierre Jeanneretのチャンディガール関連ではピエール・ジャンヌレ チャンディーガルチェアが加えられた。
Gerrit Rietveldの作品ではレッド&ブルーチェア、ジグザグチェア、ユトレヒトアームチェアを扱う。Franco Albiniの系統にはヴェリエーロ ブックケースとインフィニートがあり、前者は1940年の一点物を資料調査にもとづいて2011年に再現したものである。Marco Zanusoのレディチェアも同じコレクションに属する。
自社の設計者との協働から生まれた製品では、キャブがスチールパイプの骨組みに本革の外皮を被せる構成を採り、マラルンガは背もたれに組み込んだチェーン機構で高さを変える。Gaetano Pesceのフェルトリ・チェアはフェルト状の羊毛に樹脂を含浸させた外殻を持つ。このほかGio Pontiのスーペルレッジェーラ 699、Afra & Tobia Scarpaのソリアナが長期にわたり生産されている。
2021年には、宿泊施設と業務空間向けの仕様をまとめたCassina Proが設けられた。
カッシーナ・イクスシーとの関係
日本でCassinaの製品を扱う株式会社カッシーナ・イクスシーは、イタリアのCassina S.p.A.とは別の日本の会社である。1980年4月にCassina S.p.A.とライセンス契約を結び、同年7月に設立されたインターデコールを前身とする。1983年にカッシーナ・ジャパン、2000年にカッシーナ・インターデコール・ジャパンへ改称し、2002年に現在の社名となった。
2022年12月期の有価証券報告書によれば、同社はCassina製品を日本で独占的に輸入・販売する権利と、ライセンス契約にもとづいて国内で製造する権利を持ち、Cassinaの名称の使用に対して使用料を支払っている。このほか他社製品の輸入と、自社で企画した家具の製造・販売も行う。資本面では、2005年にCassina S.p.A.の発行済株式の20%を取得し、2009年と2010年に売却した。1997年の資本提携でユニマットグループに加わり、2023年5月、親会社ユニマットライフの完全子会社となって上場を廃止している。
Reference
- Cassina - Our history, 1927 to date
- https://www.cassina.com/ww/en/company/history.html
- Cassina - iMaestri Collection
- https://www.cassina.com/ww/en/maestri.html
- Dezeen - Patricia Urquiola updates Cassina headquarters
- https://www.dezeen.com/2017/12/14/patricia-urquiola-renovates-cassina-headquarters-italy-interiors/
- 株式会社カッシーナ・イクスシー 有価証券報告書(第44期、2022年12月期)
- https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100QHJ4.pdf
- 日本取引所グループ - 整理銘柄の指定(カッシーナ・イクスシー)
- https://www.jpx.co.jp/news/1023/20230407-11.html
- Wikipedia - Cassina (company)
- https://en.wikipedia.org/wiki/Cassina_(company)
製造している作品
ライセンス生産
- LC1 バスキュラントチェア
- LC2 ソファ
- LC3 グランコンフォール
- LC4 シェーズロング
- LC6テーブル
- 7 フォートゥイユ・トゥルナン
- LC20 カジエ・スタンダール
- LC12 ラ・ロッシュ
- ルイーザ
- インフィニート
- LC5 ソファベッド