ヴィコ・マジストレッティ:イタリアンデザインの巨匠
ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti、1920年10月6日-2006年9月19日)は、戦後イタリアデザイン界を牽引した建築家、工業デザイナー、家具デザイナーである。本名ルドヴィコ・マジストレッティ。ミラノに生まれ、ミラノを拠点に60年以上にわたって活躍し、建築と工業デザインの両分野で比類なき業績を残した。「悪いデザインには言い訳の余地がない」という信念のもと、シンプルで本質的、かつ機能的な作品を追求し、形態の明快さと技術的洗練を融合させた彼のデザインは、カッシーナ、アルテミデ、オルーチェといった名門ブランドとの協働を通じて、世界中の美術館や住宅に収蔵され、イタリアンデザインの象徴として今なお生産され続けている。
バイオグラフィー
1920年10月6日、ミラノの建築家一族に生まれる。父ピエル・ジュリオ・マジストレッティ、祖父ガエターノ・ベジアともに著名な建築家であった。1939年、ミラノ工科大学(レージョ・ポリテクニコ・ディ・ミラノ)建築学部に入学。在学中には建築家ジオ・ポンティとも出会う。
1943年、第二次世界大戦中、軍事召集を避けるためスイスに移住。ローザンヌのシャン・ユニヴェルシテール・イタリアンで学ぶ傍ら、人道主義建築家エルネスト・ナタン・ロジャース(BBPR創設者)と出会い、生涯の師となる。ロジャースの「戦後イタリア再建」という理想主義的ビジョンは、マジストレッティの思想形成に決定的な影響を与えた。
1945年、ミラノに帰還し建築学位を取得。同年、父の建築事務所に入所するも、父はその年に他界。測量士フランコ・モンテッラとともに、父の小さなスタジオを引き継ぎ、生涯この地で仕事を続けることとなる。
1950年代:建築家としての確立
戦後復興期のミラノで精力的に活動。1949年から1959年にかけて、INA-Casa(公営住宅プログラム)やQT8実験地区など約14の建築プロジェクトに携わる。QT8地区では「詩的な円形教会」サンタ・マリア・ナシェンテ教会(1953年)を設計し、建築家・都市計画家としての地位を確立。1953-56年にはフランコ・ロンゴーニと共同でヴィア・レヴェーレの「トッレ・アル・パルコ」を、1955-57年にはコルソ・エウロパのオフィスビルを設計した。
1951年、第9回ミラノ・トリエンナーレで金メダル受賞。1954年、第10回ミラノ・トリエンナーレでグランプリ受賞。1956年、ADI(イタリア工業デザイン協会)創設メンバーとなり、同年コンパッソ・ドーロ賞の審査員を務める。1959年、オランダで開催されたCIAM(近代建築国際会議)において、アレンツァーノのアロージオ邸(1956-59年)を発表。モダニズムとヴァナキュラー要素を融合させたこの作品は大きな反響を呼び、マジストレッティ独自の建築言語を確立させた。
1960-1970年代:工業デザインへの本格展開
1959-60年、自身が設計したゴルフクラブ・カリマーテ(1958-61年)のために、カッシーナ社と協働し「カリマーテ・チェア」をデザイン。藁座面と洗練された木製フレーム、鮮やかな赤色塗装を組み合わせたこの椅子は、瞬く間にイタリア中のレストランやカフェで採用され、マジストレッティのキャリアを決定づける成功作となった。
1960年以降、カッシーナ、アルテミデ、オルーチェといった主要メーカーと長期的パートナーシップを構築。特にカッシーナのチェーザレ・カッシーナとは30年以上の協働関係を築いた。1960年代から70年代にかけて、プラスチックや繊維強化プラスチック(FRP)といった新素材を積極的に採用し、マルコ・ザヌーゾやジョー・コロンボらとともに、プラスチックを「安価で脆い」素材から「スタイリッシュで洗練された」素材へと昇華させることに貢献した。
1967年、アルテミデ社のエクリッセ・ランプでコンパッソ・ドーロ賞を初受賞。1968年、画期的なプラスチック製スタッキングチェア「セレーネ」を発表。1970年、ガウディ・アームチェアとヴィカリオ・アームチェアをデザイン。1973年、カッシーナ社のために調節可能な背もたれを持つ革新的なマラルンガ・ソファをデザイン(1979年コンパッソ・ドーロ賞受賞)。1977年、カッシーナ社のヌヴォラ・ロッサ本棚と、オルーチェ社のアトロ・ランプ(1979年コンパッソ・ドーロ賞受賞)を発表。
1980年代以降:成熟と教育活動
1980年代以降も精力的に活動を継続。1980年、フルー社のアンドレイ・ベッド。1981年、カッシーナ社のシンドバッド・ソファ(馬用ブランケットからインスピレーションを得た着脱可能なカバーシステム)。1983年、可変式背もたれを持つヴェランダ・ソファ。1990年、シッフィーニ社のカンピリア・キッチン。1993年、カルテル社のマウナケア・チェア。1996年、カルテル社のマウイ・チェア(セレーネに匹敵する国際的成功を収める)。2003年、フォンタナアルテ社のブルーコ・ランプ。2006年、ジェミニ・ガラスデスク(最後のデザイン作品)。
1970年代後半から約20年間、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで教鞭を執り、デザイン教育にも多大な貢献を果たした。1983年、同校の名誉フェローに就任。ミラノのドムスアカデミーや世界各地の建築・デザイン学校でも講義を行い、ジャスパー・モリソンをはじめ多くの後進を育成した。
1994年、キャリア全体の功績に対してコンパッソ・ドーロ賞を受賞。1986年、英国王立工業デザイナー協会から金メダルを授与された。1997年、ミラノ・サローネ・デル・モービレにおいて、ジオ・ポンティと並んでモノグラフィック展示が開催された(キュレーション:ヴァンニ・パスカ、展示デザイン:アキッレ・カスティリオーニ&フェルッチョ・ラヴィアーニ)。
晩年と遺産
1998年、妻パオラが死去。2006年9月19日、ミラノにて86歳で逝去。息子ステファノと娘スザンナが遺された。生涯で334点のデザイン作品を制作し、そのうち約20%(65点)が現在も生産されているという驚異的な記録を残した。彼のミラノのスタジオは現在「ヴィコ・マジストレッティ財団(Fondazione Vico Magistretti)」として運営され、スケッチ、プロトタイプ、模型などを保存・公開し、展覧会や教育プログラムを提供している。
2021年、生誕100周年を記念して、ミラノ・トリエンナーレのパラッツォ・デッラルテにて大規模回顧展が開催された。マジストレッティの作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、ADIデザイン博物館など、世界中の主要美術館の永久コレクションに収蔵されている。
デザインの思想とアプローチ
ヴィコ・マジストレッティのデザイン哲学は、「真に現代的であるためには、常に過去に片手を、未来に片手を置かなければならない」という言葉に集約される。師エルネスト・ナタン・ロジャースのヒューマニスト的理想と、戦後復興という実践的要求の狭間で形成された彼の思想は、合理主義的訓練に基づきながらも、人間的スケールと生活の質を最優先するものであった。
シンプリシティの追求
マジストレッティは生涯を通じて「レス・イズ・モア」の原則を貫いた。「私にとって、傘のシンプルさ、その無、その張力こそが、最も設計したかった対象だ」と語ったように、彼は装飾を排し、形態を最小限に還元することで本質的な美を引き出すことを目指した。しかし、それは単なる禁欲主義ではなく、機能と美が一体となった「エフォートレス(努力を感じさせない)」な優雅さの追求であった。
構造としての形態
マジストレッティの革新性の核心は、形態を構造的要素として機能させる手法にあった。セレーネ・チェアの脚部に用いられたS字カーブは、わずか3mmの薄いプラスチックシートに強度を与える構造的機能を果たし、デメトリオ・テーブル(1964年)やキメラ・ランプ(1969年)の曲線も同様に、形態が自己支持構造となるよう設計されている。建築家としての訓練が、家具や照明デザインにおける「構造美」の探求に直接結びついていた。
量産デザインの理想
バウハウスのモットー「すべての人のための家具」に共鳴したマジストレッティは、大量生産を民主主義的理想の実現手段と捉えた。「良いデザイン対象は50年、100年持続できるし、持続すべきだ」という信念のもと、彼はコスト効率と耐久性、普遍的魅力を兼ね備えた製品の開発に注力した。セレーネ・チェアの「5分に1脚」という生産効率は、その象徴である。
デザイナーと製造者の協働
マジストレッティは「イタリアンデザインという奇跡は、建築家と製造者という2つの本質的要素の出会いによってのみ実現された」と述べた。彼のアプローチは、単なる製品委託ではなく、コンセプト定義から最終製品実現まで、製造者との緊密な対話に基づいていた。カッシーナのチェーザレ・カッシーナとの関係について、マジストレッティは「最初から一緒に仕事をし、世界でもユニークな方法で、プロジェクトを最初から共に議論した」と回想している。
「家」の再定義
戦後復興期、マジストレッティにとって建築と家具デザインは「家」という概念の再構築という共通テーマで結ばれていた。「私は体積、光の遊び、空間を管理し、魅力的で正しく、物事の導入を許容するフレームワークを創造しなければならない」という言葉が示すように、彼のデザインは、使用者が自分の生活様式に合わせて「埋める」ための「枠組み」を提供することを目指した。理想的な家や家具は存在せず、各対象は所有者のニーズと嗜好に適応すべきだという思想である。
作品の特徴
ヴィコ・マジストレッティの作品群は、建築的思考と工業デザインの融合、彫刻的優雅さと技術的洗練の統合という点で一貫している。
形態的特徴
純粋な幾何学形態の構成:エクリッセ・ランプの3つの半球、アトロ・ランプの円筒・円錐・半球の組み合わせなど、マジストレッティは基本的幾何学形態を巧みに重層させることで、ミニマルでありながら記憶に残る造形を実現した。
構造的曲線:セレーネ・チェアの脚部S字カーブ、キメラ・ランプの自己支持的波形など、装飾的ではなく構造的必然性から生まれる曲線が特徴的である。
視覚的軽快さ:素材の物理的重量にかかわらず、形態の洗練とプロポーションの精密さによって、作品は常に軽やかさを感じさせる。アトロ・ランプの円筒部と半球部を繋ぐ細い円錐部が、照明時に半球が宙に浮いているかのような錯覚を生む設計は、その典型例である。
素材と色彩
新素材への先駆的取り組み:マジストレッティは、ABS樹脂、ファイバーグラス、メタクリレート、塗装アルミニウムなど、当時の最新素材を積極的に採用した。セレーネ・チェア(1968年)は世界初の一体成型プラスチック椅子の一つとされる。
鮮やかな色彩:カリマーテ・チェアの鮮烈な赤色塗装、セレーネ・チェアの大胆で明るい色彩展開など、マジストレッティは1960-70年代のイタリアデザインにおいて色彩を重要な要素として扱った。
高品質な仕上げ:素材の選択にかかわらず、マジストレッティは常に高品質な仕上げを重視した。美と実用性の両立が、長期的品質の前提条件だと考えたからである。
機能的革新
調節可能性と変形性:マラルンガ・ソファの自転車チェーン機構による背もたれ高調節システム(1985年特許取得)、ヴェランダ・ソファの折り畳み式背もたれ(背もたれがヘッドレストに、座面がフットレストに変化)、シンドバッド・ソファの着脱可能な「ブランケット・カバー」システムなど、可動性と適応性を重視した設計が多い。
スタッキング性と省スペース:セレーネ・チェア、デメトリオ・テーブルなど、スタッキング可能な軽量デザインは、空間効率を追求した結果である。
光の制御:エクリッセ・ランプの回転式内部シェードによる調光機構、アトロ・ランプの間接照明による水平方向への光拡散など、照明デザインにおける機能的革新も顕著である。
タイムレスな美学
マジストレッティの作品の最大の特徴は、一過性の流行を超越した普遍性にある。「形態と機能は時代の流行の厳格さから遠く離れている」という彼の作品群は、デザイン後数十年を経ても古びることなく、むしろ時間とともに価値を増している。80%近い作品が現在も生産され続けているという事実は、彼のデザインのタイムレスさを雄弁に物語っている。
主な代表作とその特徴
カリマーテ・チェア(1959-60年)
製造:カッシーナ
マジストレッティのキャリアを決定づけた記念碑的作品。自身が設計したゴルフクラブ・カリマーテのために創作された。イタリアの伝統的藁座面と都会的洗練を融合させた革新的デザインで、木製支柱と脚部の滑らかなライン、鮮烈な赤色塗装フレーム、そしてスカンディナヴィアデザインの要素を組み合わせた。1年後、ボローニャのガヴィーナ・ショールームを訪れた英国コンラン社のエージェントによって発見され、英国での生産・販売が実現。以後、イタリアと世界中のレストラン、カフェで定番となった。アームレス版、スツール、アームチェア、ベンチ、ソファなど多数のバリエーションが開発され、現在もカッシーナと2000年代にデ・パドヴァから限定再発行された版が存在する。
エクリッセ・ランプ(1965-67年)
製造:アルテミデ / 受賞:1967年コンパッソ・ドーロ賞
マジストレッティの最も有名な作品の一つ。1963年、地下鉄の中でヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・ヴァルジャンのランタンについて考えていた際、地下鉄チケットの裏にスケッチを描いたというエピソードで知られる。鉱夫や泥棒のランタンからインスピレーションを得たこのランプは、3つの半球(固定された底部、固定された外殻、回転可能な内殻)から構成され、内殻を回転させることで光源を段階的に遮蔽し調光できる独創的な機構を持つ。当初は塗装金属製だったが、現在は鋼鉄製で生産されており、白、赤、オレンジ、マットブラック、銅、金、ミラー仕上げなど多彩なカラーバリエーションで展開されている。テーブルランプとしても壁取付け照明としても使用可能。
マジストレッティ自身は「疑いなく、エクリッセは驚くほど成功した——おそらく成功しすぎた」(1974年)、「しかし傘のシンプルさ、その無、その張力こそが私が最もデザインしたかった対象だ。代わりに私はあの馬鹿げたランプ(エクリッセ)をデザインしてしまった。だがそれは持続し、電球交換時の火傷も含めて数世代を刻んでいる。それは大きな満足だ」と述懐している。
セレーネ・チェア(1968-69年)
製造:アルテミデ
世界初の一体成型プラスチック椅子の一つ(ヴェルナー・パントンのパントン・チェアやジョー・コロンボのユニヴァーサーレ・チェアと並ぶ)。シンプルさと強度を兼ね備えた画期的デザインで、脚部のS字断面形状が、わずか3mmの薄いプラスチックシートに安定性と強度を付与する。一枚のシートから一度のプレス成型で製造され、曲面の座面と背もたれが全体の堅牢性に寄与しながら快適さも実現している。マジストレッティは木工職人と協働して木製模型を制作した際の経験を振り返り、「座面と背もたれはシンプルな曲面だ。脚部こそが作品の真のイメージであり、通常の木製椅子の脚のような薄い体積を持つ」と述べている。大胆で明るい色彩で生産され、国際的に急速な成功を収めた。軽量でスタッキング可能な設計は、省スペースソリューションとしても評価された。現在も多彩な色で生産されている。
マラルンガ・ソファ/アームチェア(1973年)
製造:カッシーナ / 受賞:1979年コンパッソ・ドーロ賞
マジストレッティとチェーザレ・カッシーナの即座の信頼関係から生まれた伝説的作品。デザイン誕生の逸話も有名で、カッシーナがプロトタイプを初めて見たとき非常に不満で殴りつけたところ、背もたれが壊れて自身の上に折り重なった形態となり、「そうだ、素晴らしい、完璧だ」とマジストレッティが応答したという。
一見伝統的なソファデザインながら、背もたれ高を自在に調節できる革新的機構を内蔵している。膨張ポリウレタンフォーム製の背もたれに自転車チェーンシステム(1985年特許取得)を組み込み、完全に立てても、自身に折り返しても、リビングルームでの快適さの進化する楽しみ方、特にテレビの登場に完璧に適応する。マジストレッティ自身も「動きの魔法を持っており、人々は物を動かすことを愛する」と認めている。柔らかく、クラシックでありながら適応性があるマラルンガは、現在も寸法の一部変更を経て生産され続け、カッシーナの不朽のベストセラーであり続けている。
アトロ・ランプ(1977年)
製造:オルーチェ / 受賞:1979年コンパッソ・ドーロ賞
テーブルランプの原型として、照明デザインの歴史を完全に革命化した作品。印象的なシンプルさの中に、円筒、円錐、半球という3つの純粋な幾何学形態のみで構成されている。円筒形支持部と球形上部は極めて細い要素で接続されており、照明時には上部キャップがほぼ宙に浮いているかのような視覚効果を生む。
ほぼ黄金比例に近いプロポーションと技術的洗練により、この塗装アルミニウム製アバジュールは時代を超越した対象となった。通常の読書灯のように光を下方に向けるのではなく、光がドームに当たり円筒形ベースで屈折し、水平方向に拡散する独特の照明効果を持つ。当初3つのサイズ、ミルキーホワイトのオパールガラスまたはアルミニウムで展開され、現在は複数の仕上げで生産されている。ニューヨーク近代美術館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、ミラノ・トリエンナーレの1945-1990年イタリアンデザイン永久コレクションなど、世界の主要美術館に収蔵されている。
ヌヴォラ・ロッサ本棚(1977年)
製造:カッシーナ
マジストレッティが1946年に着想した「壁に立てかけた梯子」をベースとした経済的本棚プロジェクトの系譜に連なる作品。閉じた状態では梯子のように、開いた状態ではインディアンのテントのように見えるユニークなデザイン。木材を主役とし、シンプルで優雅な形態はマジストレッティの美学を象徴している。「レス・イズ・モア」とミース・ファン・デル・ローエが書いたように、常により少なく、常により多く。シンプルで日常的な対象だが、単なる遊びではなく思考の産物だ」とマジストレッティは述べている。
このプロジェクトには、マジストレッティの方法論に典型的な少なくとも2つの概念が見られる。一つは、家具が異なるスケールで建築構造の機能をシミュレートすること。もう一つは、このプロジェクトでは構造そのものが対象の最終形態を決定しており、他のプロジェクトにも適用された「形態のための構造」への言及である。現在もカッシーナで生産されており、国際的ベストセラーとして多数の模倣品を生み出したが、オリジナルの成功にはかすかにも及ばない。
シンドバッド・ソファ(1981年)
製造:カッシーナ / 受賞:1982年 Sedia d'Oro(ケルン家具サロン)、ASID製品デザイン賞(ニューヨーク)
マジストレッティのお気に入り作品の一つで、彼は「ほぼ感情的でノスタルジック」だったと述懐している。英国の厩舎の伝統的な色合いの馬用ブランケットを観察し、それをソファ構造に投げかけ2つのボタンで固定するというコンセプトから生まれた。「大きな布地や革をソファやアームチェアに投げかけ、その効果を試す仕草ほど美しいものはない」とマジストレッティは語った。
「張り職人なしのソファ」として、「試して変えることができるブランケット」が特徴の、シンプルで革新的な対象である。黒塗装のブナ材ベースに支持された鋼鉄フレームは、膨張ポリウレタンフォームで発泡され、ポリエステル綿で覆われている。カバー・ブランケットは対照的な畝織り綿縁取りの羊毛製。皮革やピケを含む様々なバージョンが、リネン、綿、羊毛に加えられ、着脱可能で季節に応じて変更可能なため、室内装飾の多様性と実用性を提供する。アームチェア、ソファ、オットマンのシリーズとして展開された。
ヴェランダ・ソファ(1983年)
製造:カッシーナ
屋外使用を含むあらゆる場面を想定して創作された多目的ソファ。折り畳み式背もたれを持ち、座面要素が独立している革新的な設計で、背もたれがヘッドレストに、座面がフットレストに変化する可変性を持つ。マジストレッティの「快適で機能的な家」という理想を体現し、使用者のニーズと好みに適応する「枠組み」を提供するという彼の哲学を具現化した作品である。
マウイ・チェア(1996年)
製造:カルテル
セレーネ・チェアと並ぶマジストレッティの工業用椅子デザインの頂点。単一のプラスチック本体で構成され、セレーネと同様の国際的成功を享受した。カルテル社との協働により、1990年代の技術を駆使した量産可能なデザインを実現。マジストレッティのキャリア晩年においても、彼の「すべての人のための家具」という理想が一貫して追求されていたことを示す作品である。現在も生産され続けている。
功績と業績
受賞歴
- 1951年 ミラノ・トリエンナーレ 金メダル(第9回)
- 1954年 ミラノ・トリエンナーレ グランプリ(第10回)
- 1967年 コンパッソ・ドーロ賞(エクリッセ・ランプ、アルテミデ)
- 1979年 コンパッソ・ドーロ賞(アトロ・ランプ、オルーチェ / マラルンガ・ソファ、カッシーナ)
- 1982年 Sedia d'Oro(ケルン家具サロン、シンドバッド・ソファ)
- 1982年 ASID製品デザイン賞(ニューヨーク、シンドバッド・ソファ)
- 1982年 Resources Council INC. 表彰(ニューヨーク、シンドバッド・ソファ)
- 1986年 英国王立工業デザイナー&デザイナー協会 金メダル
- 1994年 コンパッソ・ドーロ賞(キャリア全体への功績)
名誉職・会員
- 1956年 ADI(イタリア工業デザイン協会)創設メンバー
- 1956年、1960年 コンパッソ・ドーロ賞 審査員
- 1967年 サン・ルカ・アカデミー会員
- 1983年 ロンドン・ロイヤル・カレッジ・オブ・アート 名誉フェロー
- 1970年代後半〜約20年間 ロンドン・ロイヤル・カレッジ・オブ・アート 客員教授
- ミラノ・ドムスアカデミー 教授職
協働ブランド
マジストレッティは生涯を通じて、イタリアおよび国際的な主要デザインブランドと長期的パートナーシップを築いた。
- カッシーナ(Cassina):1960年から約40年、最も重要で長期的な協働。カリマーテ・チェア、マラルンガ・ソファ、ヌヴォラ・ロッサ本棚、シンドバッド・ソファ、フィアンドラ・アームチェア、ヴェランダ・ソファなど多数
- アルテミデ(Artemide):1960年代から。エクリッセ・ランプ、セレーネ・チェア、ダルー・ランプ、キメラ・ランプ、ジウオーネ・フロアランプ、ガウディ・アームチェア、ヴィカリオ・アームチェア、テレゴノ・ランプ、デメトリオ・テーブルなど
- オルーチェ(Oluce):アトロ・ランプ、ソノラ・ペンダントなど
- カルテル(Kartell):マウナケア・チェア、マウイ・チェアなど
- デ・パドヴァ(De Padova)
- フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)
- フルー(Flou):アンドレイ・ベッド、ナタリー・ベッド、タダオなど
- シッフィーニ(Schiffini):カンピリア・キッチン、ソラーロ・キッチン、チンクエテッレ・キッチンなど
- フォンタナ・アルテ(Fontana Arte):ブルーコ・ランプなど
- ポッジ(Poggi):ゴレム・チェア、サマルカンド収納家具など
- カンペッジ(Campeggi)
- オリヴァーリ(Olivari)
- ゲブリューダー・トーネット・ウィーン(Gebrüder Thonet Vienna)
- ローゼンタール(Rosenthal):パン・チェアなど
建築プロジェクト(主要作品)
- 1949-1959年 INA-Casa(公営住宅プログラム)複数プロジェクト、ミラノ
- 1953年 サンタ・マリア・ナシェンテ教会(円形教会)、QT8実験地区、ミラノ
- 1953年 ガルデッラ邸、アレンツァーノ
- 1953-56年 トッレ・アル・パルコ、ヴィア・レヴェーレ、ミラノ(フランコ・ロンゴーニと共同)
- 1955-57年 コルソ・エウロパ オフィスビル、ミラノ
- 1956-59年 アロージオ邸、アレンツァーノ(1959年CIAM発表)
- 1960年 シューベルト・ヴィラ、エッロ
- 1959-62年 バッセッティ邸、アッツァーテ
- 1961-64年 ピアッツァーレ・アクイレイア集合住宅、ミラノ
- 1963-66年 ヴィア・コンセルヴァトーリオ邸、ミラノ
- 1964-65年 カッシーナ邸、カリマーテ
- 1966-69年 クザーノ・ミラニーノ市庁舎
- 1966-69年 サン・フェリーチェ地区、セグラーテ、ミラノ(ルイジ・カッチャ・ドミニオーニと共同)
- 1969-71年 ピアッツァ・サン・マルコ集合住宅、ミラノ
- 1978-81年 ミラノ大学生物学部校舎
- 1985年 タニモト邸、東京
- 1989年 ファマゴスタ・バスデポ、ミラノ
- 2005年 ヴィラ、エパリンジュ、ローザンヌ近郊、スイス(最後の建築プロジェクト)
永久コレクション収蔵美術館
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ニューヨーク
- ヴィクトリア&アルバート博物館、ロンドン
- ディ・ノイエ・ザムルング、ミュンヘン
- ミラノ・トリエンナーレ・デザイン美術館、ミラノ(1945-1990イタリアンデザイン永久コレクション)
- ADIデザイン博物館、ミラノ
評価と後世に与えた影響
イタリアンデザインの「父」の一人
マジストレッティは、アキッレ・カスティリオーニ、ジオ・ポンティ、マルコ・ザヌーゾらとともに「イタリアンデザインの父」と称される。彼自身が「奇跡的」と呼んだ戦後イタリアデザイン現象の中核的存在であり、建築家と製造者の協働という独自の生産モデルを確立した先駆者である。彼の作品は、機能主義的合理性とイタリア的感性の融合を体現し、「メイド・イン・イタリー」というデザイン神話の創造に決定的な役割を果たした。
プラスチックの美学革命
マルコ・ザヌーゾやジョー・コロンボとともに、マジストレッティは1960-70年代にプラスチックを「安価で脆い」素材から「スタイリッシュで洗練された」素材へと昇華させた。セレーネ・チェアやマウイ・チェアは、プラスチックが高品質デザインの正当な素材であることを証明し、大量生産デザインの民主化に貢献した。
タイムレス・デザインの実践者
生涯で制作した334点のデザイン作品のうち約20%(65点)が現在も生産されているという驚異的な記録は、マジストレッティのデザインが一過性の流行を超越した普遍性を持つことを証明している。エクリッセ・ランプ(1967年〜)、マラルンガ・ソファ(1973年〜)、アトロ・ランプ(1977年〜)、ヌヴォラ・ロッサ本棚(1977年〜)など、数十年にわたって連続生産され続ける作品群は、「良いデザイン対象は50年、100年持続できるし、持続すべきだ」という彼の信念の実現である。
建築とデザインの統合的視点
建築家としての訓練と実践経験が、マジストレッティの工業デザインに独特の空間的・構造的視点をもたらした。「体積、光の遊び、空間を管理する」という彼のアプローチは、個々の対象を孤立した製品としてではなく、より大きな生活環境の一部として捉える統合的視点を示している。この視点は、現代のホリスティック・デザイン思考の先駆けと言える。
後進への影響と教育的遺産
ロンドン・ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでの約20年間の教育活動を通じて、マジストレッティは多くの若手デザイナーを育成した。教え子のジャスパー・モリソンは、75歳のマジストレッティとの会話を回想し、「私たちはこの仕事をする世界で最も幸運な人々だ」という言葉に深く感銘を受けたと述べている。「私はキャリアの初期に既に失望していたが、彼は引退していながら熱意に満ちていた」というモリソンの証言は、マジストレッティの生涯にわたるデザインへの情熱を示している。
現代デザインへの継続的影響
マジストレッティの遺産は、単なる歴史的功績にとどまらず、現代デザインに継続的な影響を与えている。持続可能性、適応性、ユーザー中心設計という現代の重要テーマは、すでに彼の作品に内包されていた。調節可能な家具、長寿命の製品、人間工学的配慮は、21世紀のデザイン課題への先駆的回答だったのである。
2021年の生誕100周年記念展をはじめとする近年の再評価により、新世代のデザイナーたちがマジストレッティの作品を再発見している。彼の「エフォートレス・エレガンス(努力を感じさせない優雅さ)」という美学は、ミニマリズムと機能性が重視される現代において、ますます共鳴を呼んでいる。
批評家の評価
- ジャスパー・モリソン(デザイナー、元教え子)
- 「私たちは(ミラノ・)リナーテ空港で会い、ロンドンへの飛行機に乗るところだった。彼は75歳、私は35歳で、彼は私に言った:『私たちはこの仕事をする世界で最も幸運な人々だ』。そのフレーズは私の中に響いた。私はキャリアの初期に既に失望していたが、彼は引退していながら熱意に満ちていた。」
- ザ・ガーディアン紙
- 「彼の最初の大成功は、カッシーナ社が生産した世界的に有名なカリマーテ・チェアだった。この椅子は何年もベストセラーであり、田園的シンプリシティ(藁の座面)と都会的洗練を混合していた。木製支持部と脚部の滑らかなライン、色彩、ポップアートの鮮烈な赤色フレーム、そしてスカンディナヴィアデザインの要素があった。」
- デザイン・ウィズイン・リーチ
- 「50年以上にわたって、ヴィコ・マジストレッティは戦後デザインの合理的な顔を代表し、技術的・形式的問題への時代を超越した解決を追求した。生涯ミラノを拠点とし、驚くほど自発的でオリジナルでありながら、論理的で優雅なデザインを一貫して生産した。」「マジストレッティは、何よりも、偉大な誠実さと人間性を持つデザイナーだった。彼の優雅なデザイン解決は、常に技術的、経済的、その他の実践的関心の観点から実現された。」
デザイン史における位置
ヴィコ・マジストレッティは、第二次世界大戦後のイタリアデザイン「第三世代」の最も輝かしい代表者の一人である。第一世代(ジオ・ポンティら)が戦前の基礎を築き、第二世代(エルネスト・ナタン・ロジャース、BBPR、フランコ・アルビーニら)が戦後復興期の理論的枠組みを確立した後、マジストレッティの世代は工業デザインの黄金時代を実現した。
彼は、建築的厳密さと工業生産の可能性、イタリア的感性と国際的モダニズム、機能主義的合理性と詩的表現という複数の緊張関係を統合し、20世紀後半のデザイン言語を定義する上で決定的役割を果たした。マジストレッティの遺産は、形態ではなく方法論——デザイナーと製造者の協働、構造としての形態、タイムレスな美学の追求——として、21世紀のデザイン実践に継承され続けている。
作品一覧
| 年月 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1959-60年 | 椅子 | カリマーテ・チェア(Carimate Chair) | Cassina |
| 1962年 | 椅子 | モデル122チェア | Cassina |
| 1963年 | 照明 | マニア・ウォールライト(Mania) | Artemide |
| 1964年 | テーブル | デメトリオ・テーブル(Demetrio) | Artemide |
| 1964年 | 椅子 | モデル905 | Cassina |
| 1965年 | 椅子 | モデル921、922 | Cassina |
| 1965年 | 照明 | ダルー・ランプ(Dalù) | Artemide |
| 1965年 | 照明 | テレゴノ・ランプ(Telegono) | Artemide |
| 1965-67年 | 照明 | エクリッセ・ランプ(Eclisse) | Artemide |
| 1967年 | 椅子 | モデル122、937 | Cassina |
| 1967年 | 照明 | クリニオ・ウォールライト(Clinio) | Artemide |
| 1967年 | テーブル | スタジオ80テーブル | 不明 |
| 1968年 | 椅子 | ゴレム・チェア(Golem) | Poggi |
| 1968-69年 | 椅子 | セレーネ・チェア(Selene) | Artemide |
| 1969年 | 照明 | キメラ・ランプ(Chimera) | Artemide |
| 1969年 | 照明 | ジウオーネ・フロアランプ(Giuone) | Artemide |
| 1969年 | 収納家具 | サマルカンド収納家具(Samarcanda) | Poggi |
| 1970年 | 椅子 | ガウディ・アームチェア(Gaudi) | Artemide |
| 1970年 | 椅子 | ヴィカリオ・アームチェア(Vicario) | Artemide |
| 1970年 | 照明 | テティ・ランプ(Teti) | Artemide |
| 1973年 | ソファ | マラルンガ・ソファ/アームチェア(Maralunga) | Cassina |
| 1975年 | 椅子 | フィアンドラ・アームチェア(Fiandra) | Cassina |
| 1976年 | 照明 | ソノラ・ペンダント(Sonora) | Oluce |
| 1977年 | 照明 | アトロ・ランプ(Atollo Model 233) | Oluce |
| 1977年 | 収納家具 | ヌヴォラ・ロッサ本棚(Nuvola Rossa) | Cassina |
| 1979年 | ソファ | パドック(Paddock) | Cassina |
| 1980年 | ベッド | アンドレイ・ベッド(Andrej) | Flou |
| 1980年 | 椅子 | パン・チェア(Pan) | Rosenthal |
| 1980年代 | 照明 | マーガレット・アームチェアランプ(Margaret Model 5291) | Candle / Fontana Arte |
| 1981年 | ソファ | シンドバッド・ソファ(Sindbad) | Cassina |
| 1983年 | ソファ | ヴェランダ・ソファ(Veranda) | Cassina |
| 1985年 | 家具システム | ヴィッラビアンカ(Villabianca) | Cassina |
| 1985年 | 家具システム | エディソン(Edison) | Cassina |
| 1986年 | ソファ | カーディガン(Cardigan) | Cassina |
| 1989年 | ソファ | ポルトヴェーネレ(Portovenere) | Cassina |
| 1990年 | キッチン | カンピリア・キッチン(Campiglia) | Schiffini |
| 1993年 | 椅子 | ジェノア(Genoa) | Cassina |
| 1993年 | 椅子 | カリバー(Calibur) | Cassina |
| 1993年 | 椅子 | マウナケア・チェア(Mauna Kea) | Kartell |
| 1995年 | キッチン | ソラーロ・キッチン(Solaro) | Schiffini |
| 1995年 | ソファ | パルマリア(Palmaria) | Cassina |
| 1996年 | 椅子 | マウイ・チェア(Maui) | Kartell |
| 1999年 | キッチン | チンクエテッレ・キッチン(Cinqueterre) | Schiffini |
| 2003年 | 照明 | ブルーコ・ランプ(Bruco) | Fontana Arte |
| 2006年 | テーブル | ジェミニ・ガラスデスク(Gemini) | 不明 |
| 年代不詳 | ベッド | ナタリー・ベッド(Nathalie) | Flou |
| 年代不詳 | ベッド | タダオ(Tadao) | Flou |
| 年代不詳 | 照明 | クリトゥンヌス・フロアランプ(Clitumnus) | Artemide |
| 年代不詳 | 照明 | オメガ・ペンダント/ウォールライト(Omega) | Artemide |
| 年代不詳 | 照明 | オミクロン・ウォールライト(Omicron) | Artemide |
| 年代不詳 | 照明 | トリクリニオ・ペンダント(Triclinio) | Artemide |
| 年代不詳 | ソファ | マゲラーノ(Magellano) | Cassina |
注:マジストレッティは生涯で334点の作品を制作したとされており、上記リストは主要作品および確認された作品のみを掲載しています。
Reference
- Vico Magistretti - Wikipedia
- https://en.wikipedia.org/wiki/Vico_Magistretti
- Vico Magistretti | Biography | Italian designer | Cassina
- https://www.cassina.com/ww/en/maestri/vico-magistretti.html
- Vico Magistretti Biography | Casati Gallery
- https://www.casatigallery.com/designers/vico-magistretti/
- Vico Magistretti - Designer Biography | 1stDibs
- https://www.1stdibs.com/creators/vico-magistretti/
- Vico Magistretti, the Simplicity of Reconstruction | Italian Design Club
- https://www.italiandesignclub.com/2022/02/23/vico-magistretti-the-simplicity-of-reconstruction/
- Vico Magistretti, Designer | Archiproducts
- https://www.archiproducts.com/en/designers/vico-magistretti
- Vico Magistretti - Oluce
- https://www.oluce.com/en/designer/vico-magistretti/
- Vico Magistretti | Icon of Modern Italian Design | Hue & Eye
- https://www.hueandeye.org/vico-magistretti-icon-of-modern-italian-design/
- Vico Magistretti | Fritz Hansen
- https://www.fritzhansen.com/en/inspiration/designers/vico-magistretti
- Vico Magistretti: biography and works | BeCulture
- https://www.beculture.it/en/vico-magistretti-life-and-famous-works/
- Eclisse and Atollo: the two iconic lamps by Vico Magistretti | Interior Notes
- http://www.interiornotes.com/eclisse-and-atollo-two-iconic-lamps-by-vico-magistretti/
- Vico Magistretti | MoMA
- https://www.moma.org/artists/3688
- Vico Magistretti – Design Within Reach
- https://www.dwr.com/designer-vico-magistretti
- Vico Magistretti | Vistosi
- https://vistosi.it/designers/vico-magistretti/
- Fondazione Vico Magistretti - Archivio
- https://archivio.vicomagistretti.it/