概要
7 フォートゥイユ・トゥルナン(旧称 LC7 スイベルチェア)は、シャルロット・ペリアンが1927年に設計した回転式のアームチェアである。パリ・サンシュルピス広場にあった自身のアパルトマンの食卓用に構想された。スチールパイプのフレームと円形のクッションを組み合わせる。1929年のサロン・ドートンヌで、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレとともにLCコレクションの一部として発表された。現在はカッシーナが製造している。
特徴・コンセプト
座面が回る
座面の中央に回転軸があり、椅子全体を動かさずに向きを変えられる。食卓では、隣席との会話や配膳のたびに身体の向きが変わる。椅子を持ち上げて置き直す代わりに、座面だけを回すことで済む。この機構が、食卓用として構想されたこの椅子の要にあたる。
背もたれと肘掛けを一体にする
湾曲した樽形の背もたれと肘掛けは一続きにつくられる。回転する椅子では、身体の向きが変わっても支えが必要になる。背から肘まで途切れずに回り込む形にすることで、どの向きに座っても背中か腕のどちらかが受け止められる。
素材と仕上げ
フレームはクロームメッキ仕上げ、またはマットブラックの塗装から選べる。クッションはポリウレタンフォームとポリエステルのパッドで、張地にはレザーまたはファブリックが用いられる。金属管を骨格に用いる構成は、同じLCコレクションのLC1 バスキュラントチェアやLC2 ソファにも共通する。
エピソード
この椅子は1928年のサロン・デ・アルティスト・デコラトゥールで発表されたのち、翌1929年のサロン・ドートンヌでLCコレクションの一部として展示された。回転椅子の創案はペリアンによるもので、コレクションのなかでも彼女の設計として位置づけられている。
1930年からは、曲木家具で知られるドイツのトーネット社がこの椅子を「B302」として生産した。その後、イタリアのカッシーナがLCコレクションの製造を手がけるようになる。カッシーナは近年コレクションの名称を整理し、本作を「7 Fauteuil tournant」として展開している。
評価と影響
1927年10月にペリアンがル・コルビュジエのアトリエに加わり、以後1937年まで続く三者の協働が始まる。この椅子は、その協働の直前から直後にかけての時期にあたる。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、クロームメッキ鋼管と革による1928年の回転アームチェアを収蔵番号162.1958で登録している(トーネット・インダストリーズ社からの寄贈。寸法75.6×55.9×54cm、座面高54.9cm)。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館も、1927年の「Fauteuil pivotant」を収蔵番号W.35:1 to 3-1987で登録している。
シャルロット・ペリアンの設計思想や経歴について詳しくはシャルロット・ペリアンプロフィールページをご覧ください。
カッシーナの歴史や他の製品について詳しくはカッシーナブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | 7 フォートゥイユ・トゥルナン / 7 Fauteuil tournant(旧称 LC7) |
|---|---|
| デザイナー | シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand) |
| ブランド | カッシーナ(Cassina)/トーネット(1930年、B302) |
| 発表年 | 1927年設計/1929年 サロン・ドートンヌで展示 |
| デザインの成立国 | フランス |
| 分類 | 回転式アームチェア |
| 構造 | スチールパイプのフレーム、座面中央の回転軸、樽形の背もたれと肘掛けが一続き |
| 仕上げ | フレーム:クロームメッキまたはマットブラック塗装/張地:レザーまたはファブリック |
| 設計の背景 | パリ・サンシュルピス広場のペリアン自邸の食卓用 |
| 収蔵 | ニューヨーク近代美術館(162.1958)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(W.35:1 to 3-1987) |
Reference
- Revolving Armchair | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/2325
- Fauteuil pivotant | Victoria and Albert Museum
- https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=W.35-1987