このページについて
7 フォートゥイユ・トゥルナンは、シャルロット・ペリアンがル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレとの共同署名で1927年に設計した椅子である。鋼管のフレームに、回転する座面を載せる。カッシーナが製造している。2022年9月にLC7から現在の名称に改められた。
このページでは、正規品の仕様と識別、回転する構造がもたらす使い方の条件、選べる張り地、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
シャルロット・ペリアンの設計思想や経歴について詳しくはシャルロット・ペリアン プロフィールページをご覧ください。
7 フォートゥイユ・トゥルナンのデザインストーリーについて詳しくは7 フォートゥイユ・トゥルナン紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
7 フォートゥイユ・トゥルナンの正規品はカッシーナ(Cassina S.p.A., 1927年創業、イタリア・メーダ)が「イ・マエストリ・コレクション」として独占的に製造する。1964年にル・コルビュジエの承認のもと製造権を取得し、1978年に再版を開始。2016年には構造的改良が施されCatas認証を取得。インドア版に加え、アウトドア版(ステンレススチール+パウダーコート+アウトドアファブリック)およびデュラブル版も展開する。ル・コルビュジエ財団の認証マーク・デザイナー署名・固有識別番号が刻印される。
| 正式名称 | 7 Fauteuil tournant。2022年9月にLC7から改称された。旧称で流通する情報も残る |
|---|---|
| 製造ブランド | カッシーナ(イタリア)。当初はトーネットが製造した |
| フレーム | 鋼管による。脚は4本。クロームめっき、またはつや消しの黒の塗装から選ぶ |
| 機構 | 座面の中央にある軸で回転する |
| パッディング | ポリウレタンのフォームに、ポリエステルの詰め物を重ねる |
| 張地 | 革または布から選ぶ。それぞれ複数の種別と色が用意される |
| サイズ | 幅620 × 奥行565 × 高さ730mm、座面高500mm |
| 価格 | カッシーナは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。フレームの仕上げと張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける |
| 収蔵 | MoMA 回転式アームチェア(1928年) 収蔵番号 162.1958/V&A フォートゥイユ・ピヴォタン(1927年) 収蔵番号 W.35:1 to 3-1987 |
| 納期 | 受注生産。納期は取扱店に確認する |
| 認証 | Catas認証取得(2016年構造改良版)。ル・コルビュジエ財団認証マーク+デザイナー署名+固有識別番号 |
| バリエーション | インドア版(標準)、デュラブル版、アウトドア版(ステンレススチール+パウダーコート5色+アウトドアファブリック) |
| パーマネントコレクション | MoMA(ニューヨーク近代美術館、「Revolving Armchair」名称、1928年作として登録) |
正規品とライセンスを受けていない製品の違い
権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。
製造の権利
カッシーナは1964年に製造の権利を取得し、1978年から再生産を行っている。正規品にはブランドの表示と、設計者の署名の複製が付される。
公表されている仕様
カッシーナは、フレームが鋼管であること、選べる仕上げ(クロームめっき、つや消しの黒)、詰め物の構成、張り地の種別と品番、寸法、イタリアでの製造を公表している。
ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。回転の機構は座面の中央にあり、動きの滑らかさと保持の具合が外から確認できる箇所にあたる。
| 比較項目 | 正規品(カッシーナ) | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| フレーム | 鋼管(公表) | 公表なし |
| 仕上げ | クロームめっき、つや消しの黒(公表) | 公表なし |
| 詰め物 | ポリウレタンとポリエステル(公表) | 公表なし |
| 張り地 | 品番まで公表 | 公表なし |
| 署名の複製 | あり | なし |
| メーカー保証 | 対象 | 対象外 |
類似商品・競合との比較
作業に用いる椅子は、向きを変える方式で分かれる。座面が回るか、椅子ごと動かすかによって、動作と設置の条件が変わる。
| 比較項目 | 7 フォートゥイユ・トゥルナン | 360° チェア | ベルトイア サイドチェア |
|---|---|---|---|
| 向きの変更 | 座面が回転する | 座面が回転する | 椅子ごと動かす |
| 背もたれ | あり | なし | あり |
| 高さの調節 | できない | 無段階 | できない |
| 座面高 | 500mm | 690〜780mm | 460mm |
| 移動 | 持ち上げる(脚は4本) | キャスターで転がす | 持ち上げる |
選び分けの目安
- 座ったまま向きを変える場合
- 座面が回転するため、上体をひねらずに方向を変えられる。背もたれもあるため、上体を預けられる。
- 高さを合わせたい場合
- 座面高500mmは固定で、調節できない。机の天板高との関係を先に確かめる。
- 床の上を移動させる場合
- 脚は4本でキャスターを持たない。位置を変える際は持ち上げることになる。
使用感と設置条件
回転する座面
座面の中央にある軸で回転する。座ったまま向きを変えられるため、上体をひねらずに方向を変えられる。
脚は4本で床に固定される。回るのは座面のみで、椅子の位置は動かない。キャスターを備える椅子と異なり、意図せず移動することがない。
そのかわり、位置を変える際は持ち上げることになる。
座り方と寸法
幅620×奥行565×高さ730mm、座面高500mm。座面高は固定で調節できない。机に合わせる場合、天板高との関係を先に確かめる。
ポリウレタンのフォームにポリエステルの詰め物を重ね、革または布を張る。背もたれは低く、腰から背の下部を支える高さである。
名称について
2022年9月に LC7 から現在の名称に改められた。旧称で流通する情報も残るため、検索や問い合わせの際は両方を用いると確実である。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
クロームめっきは湿気の多い環境で点錆が出る。つや消しの黒の塗装は、擦れると下地が現れる。
詰め物は荷重で潰れる。座る位置が偏ると、その箇所だけ先に沈む。
回転の機構は繰り返しの使用で摩耗する。動きが渋くなる、あるいは緩んで座面が安定しなくなった場合、取扱店に相談する。
日常の手入れ
- フレーム
- 乾いた柔らかい布で拭く。めっき面は水気を残さない。研磨剤はめっきと塗装を傷める。
- 張り地
- 革と布で手入れの方法が異なる。革は年に数回、革用のクリームで油分を補う。
- 回転部
- 自分で注油しない。動きに変化があれば取扱店を通じて確認する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
カッシーナは公式サイトで取扱店を案内している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
注文の際に決める項目は、フレームの仕上げ(クロームめっき/つや消しの黒)と張り地である。受注生産のため、納期は取扱店に確認する。
実物を確認する
回転の動きと保持の具合は、座ってみないと分からない。座面高500mmが合わせる机の高さに対して適切かも、あわせて確かめられるとよい。
中古の流通
1978年以降のカッシーナによる個体が流通している。相場は年式、仕上げ、状態で幅があり、一定していない。
確認箇所は、ブランドの表示と署名の複製、回転の動き(渋くないか、緩んでいないか)、めっきの点錆または塗装の剥がれ、張り地の状態、詰め物の沈みである。
購入前チェックリスト
- フレームの仕上げ(クロームめっき/つや消しの黒)
- 張り地(革/布)
- 座面高500mmが固定であること(合わせる机の高さを先に確認)
- 設置場所の寸法(幅620×奥行565mm)
- キャスターを持たないこと(位置を変える際は持ち上げる)
- 背もたれが低いこと
- 中古の場合、ブランドの表示と回転の動き
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- カッシーナは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。フレームの仕上げと張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- カッシーナの公式サイトで取扱店が案内されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- LC7 と名称が違いますが同じ製品ですか?
- 同じ製品です。2022年9月に LC7 から「7 Fauteuil tournant」に改められました。旧称で流通する情報も残るため、検索や問い合わせの際は両方を用いると確実です。
- 正規品かどうかはどう見分けますか?
- 正規品にはブランドの表示と、設計者の署名の複製が付されます。カッシーナは1964年に製造の権利を取得し、1978年から再生産を行っています。
- 座ったまま向きを変えられますか?
- 変えられます。座面の中央にある軸で回転するため、上体をひねらずに方向を変えられます。脚は4本で床に固定され、回るのは座面のみです。キャスターを備える椅子と異なり、意図せず移動することがありません。
- 高さは調節できますか?
- できません。座面高500mmは固定です。机に合わせる場合は、天板高との関係を先にお確かめください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館(Revolving Armchair、1928年、収蔵番号162.1958)と、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Fauteuil pivotant、1927年、収蔵番号W.35:1 to 3-1987)が収蔵しています。
- 手入れはどうすればよいですか?
- フレームは乾いた柔らかい布で拭き、めっき面は水気を残さないでください。研磨剤はめっきと塗装を傷めます。張り地は革と布で手入れの方法が異なり、革は年に数回クリームで油分を補います。回転部には自分で注油せず、動きに変化があれば取扱店を通じてご確認ください。