概要

ハンス・ベリング(1931-2019)は、デンマークのデザイナー・木工職人である。1950年代から木の家具と玩具を手がけた。旋盤で削れる形を出発点とし、球や円柱の組み合わせで対象を構成する。折りたたみのトレイテーブルは、天板を外して壁に掛けられる構成をとる。

バイオグラフィー

1931年、デンマークに生まれた。家具職人の訓練を受け、コペンハーゲンの工芸学校で学んでいる。

1950年代から自身の設計を始めた。木の家具と玩具の双方を手がけている。

旋盤で削る技術を用い、球や円柱の組み合わせで玩具を構成した。鳥や動物の形をとる系列がある。

ブレズレ・クルーゲなどのために家具を設計した。2019年に没している。

デザインの思想と方法

旋盤は、材料を回転させて刃を当てる工作機械である。作れるのは回転体、つまり球、円柱、円錐とその組み合わせに限られる。ベリングはこの制約を出発点として形を決めた。

旋盤で削れる形に収める

球や円柱を組み合わせれば、動物や鳥の形が作れる。細部を写す必要はなく、比率と姿勢で何を表すかが決まる。工程が単純なため、量産にも向く。

関節を軸で作る

部材同士を軸でつなげば、回転する関節になる。金具を使わないため、木だけで構成できる。姿勢を変えられることが玩具としての性格を決める。

使わないときの状態を設計する

トレイテーブルは、天板を外して脚を畳める。天板は壁に掛けられ、脚は立てて置ける。使わないときに場所を取らないことが条件になる。

木目を残す

塗りつぶさずに仕上げるため、木目が個体ごとに異なる。同じ形でも同じものにはならない。

代表作にみる方法

トレイテーブル(1950年代)

天板を外して脚を畳める卓である。天板は壁に掛けられ、脚は立てて置ける。使わないときに場所を取らないことが条件になる。→ベリング・トレイテーブル

木の鳥(1950年代)

球と円柱を組み合わせた玩具である。旋盤で削れる形に収まり、比率と姿勢で鳥であることを示す。

木の動物の系列

関節を軸でつなぎ、姿勢を変えられる。金具を使わず木だけで構成する。

家具の設計(1950年代〜)

椅子と卓を設計した。木工の技術と旋盤の工程が前提にある。

再生産(2010年代〜)

ブレズレ・クルーゲなどが当時の設計を再生産している。工程は当初と同じく旋盤による。

評価と影響

ベリングは、20世紀中期のデンマークで木の家具と玩具を手がけた制作者として言及される。旋盤で削れる形を出発点とする点が特徴にあたる。

玩具では、球や円柱の組み合わせで動物や鳥を表す。細部を写さず、比率と姿勢で何を表すかが決まる。カイ・ボイスンも同時期に同じ領域を扱っている。

2010年代以降、当時の設計が再生産されている。工程は当初と同じく旋盤による。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。デンマーク国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
1950年代 テーブル ベリング・トレイテーブル Brdr. Krüger
1950年代 玩具 木の鳥 Architectmade ほか
1950-70年代 玩具 木の動物の系列 Architectmade ほか
1950-70年代 家具 椅子・卓 Brdr. Krüger ほか
2010年代〜 家具・玩具 当時の設計の再生産 Brdr. Krüger ほか

プロフィール

生没年 1931年〜2019年
出身地 デンマーク
国籍 デンマーク
活動拠点 コペンハーゲン
分野 家具、玩具、木工
主な協働ブランド Brdr. Krüger、Architectmade

Reference

Brdr. Krüger
https://brdr-kruger.com/
Designmuseum Danmark
https://designmuseum.dk/en/