透明性と耐衝撃性を併せもつ熱可塑性樹脂。ガラスに近い透明さがありながら割れにくく、透明な椅子に用いられる。略号はPC。
ポリカーボネート
ポリカーボネートとは、分子の主鎖に炭酸エステル結合をもつ熱可塑性樹脂のこと。略号はPCで、汎用樹脂より高い性能をもつエンジニアリングプラスチックに分類される。
解説
この材料の性格は、透明性と耐衝撃性が両立している点にある。可視光線の透過率はガラスに近く、一方で衝撃に対しては樹脂のなかでも高い強さをもつ。ガラスが硬く脆いのに対し、ポリカーボネートは変形して衝撃を受け流す。透明でありながら割れにくいという組み合わせは他の材料では得にくく、防護板や機械のカバーに用いられてきた。
家具では、透明あるいは半透明の椅子に用いられる。射出成形によって座面から脚までを一体成形すれば、継ぎ目のない透明な塊としての椅子が成立する。フィリップ・スタルクのルイゴーストがその例で、背景が透けるため置いても空間の見通しを塞がない。色を練り込んだ半透明の成形品では、厚みの違いが濃淡として現れ、曲面に沿って色の深さが変化する。
耐熱性も汎用樹脂より高く、変形が始まる温度はポリプロピレンを上回る。ただし屋外での長期使用には向かない。紫外線によって黄変し、表面が細かく劣化していく。屋外用の製品では紫外線を吸収する層を設けるなどの対策が施される。
扱いのうえで注意が要るのは表面の傷である。透明であるがゆえに、細かな擦り傷が白く曇って見える。研磨剤入りのクリーナーや硬いスポンジは避け、柔らかい布で拭く。またアルカリ性の洗剤や一部の有機溶剤に侵されるため、洗剤は中性のものを選ぶ。傷は積み重なると透明感を損ない、これは磨いても完全には戻らない。
Reference
- ポリカーボネート(PC)とは(旭化成 エンプラ総合情報サイト)
- https://www.asahi-kasei-plastics.com/column/09/
- ポリカーボネート(PC)とは?特徴や用途、アクリルとの違いを解説(ミスミ meviy)
- https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/35721/