エイムは、ロナン&エルワン・ブルレック兄弟が2010年にフロスのために設計したペンダントである。天井中央から吊るという従来の作法を外し、長いケーブルを引き回して任意の位置と高さに光を置けるようにした。

構成はケーブルと傘だけに絞られている。ケーブルは天井のローゼットから伸び、途中で自由に折り返せる。

特徴・コンセプト

ペンダントを「ケーブルと光源」まで還元したのが、この製品の出発点にある。傘は塗装アルミニウム板、シェードはフォトエッチングを施した光学ポリカーボネート、内部の反射板はフォトエッチングABS。本体は角度を変えられる。

ケーブルの有効長は9,000mm。天井から最大3mの位置に吊り下げられる。ケーブルを滑らせて高さを変え、折り返す位置を変えて水平方向の位置を決める。設置後も配置を変えられるため、家具の移動に合わせて光の位置を追随させられる。

最大5灯までを接続できる多灯用ローゼットが別に用意される。複数を吊ると、ケーブルが交差して植物の蔓のような線の集合をつくる。

光源はLEDモジュールで、Triac方式の調光器に対応する。

背景

エイムは、2010年にパリのクレオ画廊のために制作された「Lianes」という照明を、量産品として展開したものである。Lianesは蔓を意味する。天井から垂れ下がるケーブルを、生育する植物のように空間へ広げるという発想が原型にあたる。

ブルレック兄弟は1999年から共同で活動している。フロスのほかヴィトラなど、複数のメーカーと協働してきた。

評価

実務では、天井の電源位置とテーブルの位置がずれている場合に有効になる。既存の引掛シーリングをそのまま使いながら、光だけを必要な場所へ移せる。賃貸住宅や、家具の配置が定まらない住まいでの選択肢になる。

一方、ケーブルが露出する構成のため、線の見え方そのものが意匠となる。整然と見せたい空間には向かない場合がある。同じフロスでも、単一の球体で完結させたいならグローボール Sが、複数の発光体を組んで構成をつくるならコーディネイツが比較対象になる。

基本情報

デザイナーロナン&エルワン・ブルレック / Ronan & Erwan Bouroullec
発表年2010年
ブランドフロス / Flos
カテゴリーペンダントライト
素材塗装アルミニウム板(本体)、光学ポリカーボネート(シェード)、ABS(内部反射板)
ケーブル長9,000mm(最大3mの吊り下げに対応)
光源LEDモジュール
調光Triac方式の調光器に対応
多灯構成最大5灯用のローゼットを別売
原型Lianes(2010年、クレオ画廊)