グローボール Sは、ジャスパー・モリソンが1998年にフロスのために設計したグローボール シリーズのペンダントである。手吹きの乳白ガラスによる球体が、天井から一本のケーブルで吊られる。
モリソンはこのシリーズの着想を、晴れた夜空に浮かぶ満月に置いた。装飾を持たない球体がやわらかく光る、という一点に絞られた設計である。
特徴・コンセプト
ディフューザーは手吹きの乳白ガラスで、外側の表面に酸によるエッチングが施される。この処理によって光源の輪郭が消え、球全体が均質に発光する。完全な真球ではなくわずかに扁平な形をとっており、この歪みが月の見え方に近づけている。
ディフューザーの支持部は光沢白の塗装を施した鋼、天井側のローゼットはガラス繊維を30%含む射出成形ポリアミド、取付部は亜鉛メッキ鋼。吊りケーブルは鋼製である。ペンダントには大小2つのサイズが用意される。
球体を光らせるという解答自体は珍しくない。グローボールの特徴は、支持部と吊り具の存在感を可能な限り抑えた点にある。金物が視界から後退することで、球だけが空中に留まっているように見える。
シリーズ
グローボールは1998年の発表以来、形式を増やしてきた。ペンダントのほか、テーブルランプ、フロアランプ、シーリング/ウォール、そして小型のミニ グローボールが揃う。いずれも同じ乳白ガラスの球体を用い、支持の仕方だけを変えている。
フロアランプは3種類の高さ、シーリングは2種類の径が供給される。ひとつの形を保ちながら設置形態と寸法だけを変えるという構成のため、同じ空間で複数の形式を混ぜても違和感が出にくい。
評価
実務では、空間の性格を選ばない点が利点になる。球体という中立的な形と拡散光のため、和室にも現代的なリビングにも収まる。ダイニングテーブルの上に吊る場合、光源が直接見えないため、向かい合う相手の顔にまぶしさが出ない。
テーブル形式についてはグローボール T1を参照。同じ設計者によるHAL ウッドも、既存の類型を引き直すという方向を共有する。
ジャスパー・モリソンの設計思想や経歴について詳しくはジャスパー・モリソンプロフィールページをご覧ください。
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロスブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ジャスパー・モリソン / Jasper Morrison |
|---|---|
| 発表年 | 1998年(グローボール シリーズ) |
| ブランド | フロス / Flos |
| カテゴリー | ペンダントライト |
| ディフューザー | 手吹き乳白ガラス(外面酸エッチング) |
| その他の素材 | 塗装鋼(支持部)、ガラス繊維強化ポリアミド(ローゼット)、亜鉛メッキ鋼、鋼製吊りケーブル |
| サイズ | 2サイズ展開 |
| シリーズ | ペンダント / テーブル / フロア / シーリング・ウォール / ミニ |
| 製造 | イタリア |