LAMY(ラミー)
LAMYは、ドイツ・ハイデルベルクに拠点を置く筆記具メーカーである。1930年、Parker Penの販売担当だったJosef Lamyが万年筆製造のOrthosを取得して事業を始めた。1966年、息子のManfred Lamyが元Braunの設計者Gerd A. Müllerと組んで発表した万年筆により、装飾を持たない筆記具という形式が同社の基準となった。1980年発表の学生向けの万年筆は現在も主力の製品にあたる。2024年2月より日本の三菱鉛筆の傘下にある。
事業と製造の実体
LAMYの生産はハイデルベルクの工場で行われる。ペン先から梱包までを自社で扱う構成が採られており、この点が製品ごとに異なる素材と工程を組み合わせられる条件になっている。
製造技術の性格を定めているのは、素材の選択にある。ラミー 2000 万年筆では、ガラス繊維を混ぜたポリカーボネートの胴に、つや消しに仕上げたステンレス鋼を組み合わせる。当時この樹脂は筆記具にほとんど用いられていなかった。表面には細かい筋目が付けられ、樹脂と金属の境目が触感の上で連続するよう調整されている。ペン先を胴に埋め込む構成と、吸入式の機構を併せ持つ。
ラミー・サファリでは、ABS樹脂の射出成形による胴に、指の位置を定める窪みを設ける。この窪みは装飾ではなく、握りの角度を一定に保つための形状にあたる。クリップは太い金属線を曲げた部材で、成形品の胴に対して独立した部品として付けられる。開発にあたっては、青少年の心理に関する調査と、外部の研究班との協働が行われた。
製品群は万年筆、ボールペン、シャープペンシル、インクに及ぶ。ペン先は複数の太さが用意され、交換できる構成が採られている。
沿革
設立
1930年、Josef Lamyがハイデルベルクで事業を始めた。Parker Penの販売に携わっていた人物で、万年筆を製造していたOrthosを取得して生産の基盤とした。当初の製品は、当時一般的だった装飾を伴う万年筆である。
設計を軸とする転換
1960年代、販売部門を担っていた息子のManfred Lamyは、製品の外形によってブランドの位置づけを変えることを構想した。参照したのはBraunとOlivettiで、いずれも当時、工業製品の外形について基準を示していた企業にあたる。まもなくManfred Lamyは元Braunの設計者Gerd A. Müllerと出会い、装飾を排した万年筆の開発が共同の企画として始まる。
1966年秋、ラミー 2000 万年筆が発表された。以後この製品の形式が同社の製品全体の基準となる。Manfred Lamyはその後、単独の経営責任者となった。販売は専門店に限る方針が採られている。
1980年、ラミー・サファリが発表された。学童の使用を想定して開発された製品で、成形樹脂の胴と指の位置を定める窪みを持つ。設計はWolfgang Fabianが担当し、Bernt Spiegelが率いる研究班が開発に加わった。学童向けとして始まったが、成人の使用者にも広がっている。
資本の移動
Manfred Lamyは2006年に退き、以後は同族外の経営者が事業を担った。2024年2月、日本の三菱鉛筆が同社を取得している。生産拠点はハイデルベルクに置かれたままである。
デザイナーとの協働
LAMYの製品開発は、外部の設計者との協働によって進む。1966年のGerd A. Müllerとの企画がこの方式の起点にあたり、以後、製品ごとに設計者を選定する構成が採られてきた。生産を自社に持つため、設計案に応じて素材と工程を選べる点が開発の条件になっている。
協働相手にはGerd A. Müller、Wolfgang Fabian、Mario Bellini、Richard Sapper、深澤直人らがいる。
Gerd A. Müllerの設計思想や経歴について詳しくはGerd A. Müllerプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
1966年のラミー 2000 万年筆は、ガラス繊維入りポリカーボネートとステンレス鋼を組み合わせた胴を持ち、ペン先を胴に埋め込む構成を採る。吸入式の機構により、インクを瓶から直接充填する。
1980年のラミー・サファリは、ABS樹脂の成形による胴に指の位置を定める窪みを設け、太い金属線によるクリップを備える。カートリッジと吸入器の双方に対応する。
このほか、アルミニウムの胴を用いた系列、ボールペン、シャープペンシル、インクを扱う。
基本情報
| ブランド名 | LAMY(ラミー) |
|---|---|
| 正式社名 | C. Josef Lamy GmbH |
| 創業 | 1930年 |
| 創業者 | Josef Lamy |
| 本社・生産拠点 | ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州ハイデルベルク |
| 資本関係 | 2024年2月より三菱鉛筆(日本)の傘下 |
| 事業内容 | 筆記具およびインクの設計、製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.lamy.com |
Reference
- LAMY - The foundation of our Corporate Culture
- https://www.lamy.com/en-us/company/corporate-culture
- Wikipedia - Lamy
- https://en.wikipedia.org/wiki/Lamy