Martinelli Luce(マルティネリ・ルーチェ)

Martinelli Luceは、イタリア・トスカーナ州ルッカに拠点を置く照明メーカーである。1950年、Elio Martinelliがルッカ旧市街の一室で創業した。樹脂の成形技術を照明器具へ早い段階で取り込んだ点に特徴があり、1965年にGae Aulentiが設計したピピストレロ、Elio Martinelli自身による1968年の照明などを手がけている。三世代にわたる同族経営が続き、製造はルッカの自社工房で行われる。

事業と製造の実体

Martinelli Luceの製造の中核にあるのは、樹脂の成形である。同社はメタクリレート樹脂の成形技術を早くから照明へ用いた。この材は光を拡散させながら透過させるため、光源を直接見せずに面全体を発光させられる。一方、大きな部材を厚みを揃えて成形するには型と冷却の管理が要る。

ピピストレロは、円錐形の金属の台座、伸縮するステンレス鋼の支柱、白い乳白色のメタクリレートによる傘で構成される。傘は四方へ広がる曲面を持ち、当時の成形技術では加工が難しい形状にあたった。支柱が伸縮するため、卓上でも床置きでも使える。

1968年に発表された照明では、熱硬化性樹脂の成形が用いられた。静止時には球に内接する形をとり、上部の反射体を回すと形が変わる構成である。下部の胴が鋼の台座の上で回転し、中央の接合部を介して上部とつながることで、全方向への回転が成立する。

用いる素材は、陽極酸化したアルミニウム真鍮ポリカーボネート、メタクリレート、吹きガラスに及ぶ。製作はルッカの自社工房で行われる。

沿革

創業

Elio Martinelliはフィレンツェの美術学院で舞台美術を学んだのち、父が営む照明の事業に携わった。飲食施設や宿泊施設、店舗の内装を手がけるなかで既存の照明器具に満足できず、自ら設計・製作するようになる。

1950年、ルッカ旧市街の一室で Martinelli Luceを創業した。

製品の展開

1965年、建築家Gae Aulentiがパリとブエノスアイレスのオリベッティの展示場のために設計した照明が、後にElio Martinelliのもとで量産化された。これがピピストレロである。

1966年には国際的な設計の展示に参加し、これを契機に工房は国外へ販路を広げた。1968年にはElio Martinelli自身による熱硬化性樹脂の照明が発表されている。

1970年代以降、事業は商業空間向けの照明へも広がった。1980年代には技術照明の製品群が加えられ、娘のEmiliana Martinelliが入社して製品を共同で開発している。

継承

2004年にElio Martinelliが死去したのち、Emiliana Martinelliが経営を引き継いだ。現在は息子のMarcoとともに事業を担っている。

2023年、イタリアの経済開発省が設けた歴史的商標の登録簿に登録された。50年以上にわたり同じ地域で生産を続ける企業として認められたものにあたる。

デザイナーとの協働

Martinelli Luceの製品開発は、創業者自身の設計と外部の設計者との協働の双方によって進んできた。樹脂の成形条件が形の可否を決めるため、設計案は工程の検討と並行して進められる。

主な協働相手はGae Aulentiで、1965年の照明がその代表にあたる。このほか創業者Elio Martinelli、娘のEmiliana Martinelliが多数の製品を設計している。

主な製品群

ピピストレロは1965年設計の照明である。円錐形の金属の台座、伸縮するステンレス鋼の支柱、四方へ広がる乳白色のメタクリレートの傘で構成される。支柱が伸縮するため、卓上でも床置きでも使える。寸法と色の異なる複数の型がある。

このほか、1968年の熱硬化性樹脂による照明、住宅向けと商業空間向けの照明を扱う。

基本情報

ブランド名 Martinelli Luce(マルティネリ・ルーチェ)
創業 1950年
創業者 Elio Martinelli(〜2004年)
本社・生産拠点 イタリア・トスカーナ州ルッカ
企業形態 非上場(Martinelli家による同族経営、三世代)
事業内容 照明器具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.martinelliluce.it

Reference

Martinelli Luce - 公式サイト
https://martinelliluce.it/it/
Wikidata - Martinelli Luce
https://www.wikidata.org/wiki/Q130278997