概要
ウニヴェルサーレ 4867は、ジョエ・コロンボがカルテルのために設計した椅子である。射出成形により単一の型から一体成形する。設計は1965年から1967年にかけて進められ、1967年に発表された。積み重ね、持ち運び、屋内外での使用に対応する。
特徴・コンセプト
一つの開口に三つの役をもたせる
背もたれ中央の穴は、持ち運ぶときの握り手になる。同時に空気を通し、屋外で使う際には雨水を抜く。取手・通気・排水をそれぞれ別に設ければ開口が三つ要るが、一箇所にまとめれば型の形が単純になる。
脚の断面を削って連結する
脚の円筒は縦に半分だけ削り取られている。削った面どうしを合わせれば椅子を横に並べて連結でき、側面のスリットに他の椅子の後脚を差し込めば積み重ねられる。連結金具も積み重ね用の突起も足さずに、脚の断面の形だけで両方が成立する。
脚を交換する
脚は取り外せる。長さの異なる脚に替えれば座面高が変わるため、食卓用にも低い用途にも同じ本体を使える。本体の型を作り直さずに、寸法の違う製品を展開できる。
素材
当初はABS樹脂、後年にはポリプロピレンでも生産された。構造の考え方は、マルコ・ザヌーソとリチャード・サッパーがカルテルのために設計した子ども用の椅子を基礎としている。
エピソード
カルテルは1949年の創業で、当初はプラスチック製の実験器具や工業用品を主に生産していた。1963年に住宅向けの部門を立ち上げ、プラスチックを安価な代用品ではなく家具の素材として扱う方向へ移っている。
コロンボは1965年に4801チェアを設計した。曲げ合板を三枚組み合わせたもので、カルテルとしては例外的に木だけで作られた製品である。ウニヴェルサーレはその次の仕事にあたり、素材をプラスチックへ移して一体成形に至った。
評価と影響
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は、この椅子を射出成形による最初の全プラスチック製の椅子として記録している。同じコロンボによるチューブチェアやボビーワゴンと同様、部材の形そのものに複数の機能をもたせる扱いが見られる。
現行品の入手は限られ、流通の多くはヴィンテージにあたる。経年したプラスチックは紫外線で脆くなるため、状態の確認が要る。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。
- MoMA ウニヴェルサーレ スタッキングサイドチェア(1967年) 収蔵番号 138.1988.1-3
- V&A ウニヴェルサーレ(1965〜1967年) 収蔵番号 CIRC.887-1968
ジョエ・コロンボの設計思想や経歴について詳しくはジョエ・コロンボプロフィールページをご覧ください。
カルテルの歴史や他の製品について詳しくはカルテルブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ウニヴェルサーレ チェア 4867 / Universale Chair 4867 |
|---|---|
| デザイナー | ジョエ・コロンボ(Joe Colombo) |
| ブランド | カルテル(Kartell) |
| 発表年 | 1967年(設計は1965〜1967年) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | チェア |
| 主要素材 | ABS樹脂(後年はポリプロピレンも) |
| 構造 | 射出成形による一体成形。脚の断面を削って連結と積み重ねを兼ねる |
| 機能 | スタッキング、脚の交換による座面高の調整、横連結、屋内外での使用 |
| 収蔵 | MoMA(138.1988.1-3)、V&A(CIRC.887-1968) |
Reference
- Universale stacking side chairs | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/3512
- Universale | Victoria and Albert Museum
- https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=CIRC.887-1968