Eero Aarnio Originals(エーロ・アールニオ・オリジナルズ)
Eero Aarnio Originalsは、フィンランドの設計者Eero Aarnio(1932年生)の家具を製造・販売するブランドである。2016年12月、それまでドイツのAdeltaが担っていた製造・販売の権利がフィンランドに新設された同社へ移管された。設計者本人との協働のもとで、1960年代に生まれた樹脂とファイバーグラスによる製品を生産している。製造はフィンランド国内で行われる。
事業と製造の実体
Eero Aarnio Originalsの製品は、いずれもフィンランド国内で製造される。ファイバーグラスの成形と張り地の仕上げが工程の中心にあり、長年Aarnioの製品を手がけてきた職人が製作にあたる。
製造上の課題は、球体や半球に近い形状を成形する点にある。ボールチェアは開口部を持つ球形の殻で、内部にクッションを収める構成にあたる。ファイバーグラスは型に樹脂と繊維を積層して硬化させる工法で、曲率の大きな面を継ぎ目なく作れる一方、厚みの管理と脱型が難しい。開口部の縁の処理も、強度と手触りの双方を左右する。
バブルチェアは透明なアクリル樹脂を用いる。加熱した板を型に沿わせて球形に成形する工法で、透明度を保ちながら厚みを均一にする必要がある。天井から吊す構成のため、吊り具の取り付け部の強度も条件になる。
各製品には固有の識別票が付され、設計者本人の署名を伴う証明書が同梱される。同社は模倣品との区別をこの方法で行っている。
沿革
設立の経緯
2000年代初頭、Stefan MahlbergがEero Aarnioの仕事場の改修に関わったことが両者の関係の始まりとなった。Mahlbergはその後、家具の分野で複数の事業に携わり、2015年にAarnioと提携して、その製品群をフィンランドで扱う計画を進めている。
2016年12月、Aarnioの主要な設計の製造・販売権が、それまで担っていたドイツのAdeltaから新設のEero Aarnio Originalsへ移管された。これにより、製造がフィンランド国内で行われる体制となっている。
対象となる設計
扱う製品の多くは1960年代に生まれた。ボールチェアの原画は1963年1月11日に描かれ、1966年のケルン国際家具見本市でAsko社の展示から発表された。ファイバーグラスの球形の殻に開口部を設け、内部にクッションを配する構成で、外部の音を遮る性質を持つ。
バブルチェアは、球形の椅子に自然光を取り入れることを目的として設計された。透明なアクリル樹脂の殻を天井から吊す構成にあたる。
このほか、パスティルチェア、ポニーチェアといった1960年代から1970年代の設計が扱われる。近年は新作の開発も並行して進められている。
デザイナーとの協働
Eero Aarnio OriginalsはEero Aarnio一人の設計を対象とするブランドで、設計者本人が存命であり事業に関与している点が、他の再生産のブランドと異なる。既存の設計の生産にあたっても、設計者との協議のうえで仕様が決められる。
Aarnioは、それまでの北欧の家具が用いてきた木材と直線的な構成から離れ、樹脂、ファイバーグラス、アクリルといった素材を用いて曲面の多い形を作った設計者にあたる。90歳を超えた現在も設計に関わっている。
Eero Aarnioの設計思想や経歴について詳しくはEero Aarnioプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
ボールチェアは1963年設計の椅子である。ファイバーグラスの球形の殻に開口部を設け、台座の上で回転する構成を採る。内部に入ると外部の音が遮られる。
バブルチェアは透明なアクリル樹脂の殻を天井から吊す椅子にあたる。球形の構成を保ちながら、内部から外が見え、自然光が入る。
このほか、パスティルチェア、ポニーチェアなどの設計と、近年の新作を扱う。
基本情報
| ブランド名 | Eero Aarnio Originals(エーロ・アールニオ・オリジナルズ) |
|---|---|
| 設立 | 2016年 |
| 権利の移管 | 2016年12月(ドイツのAdeltaより) |
| 対象となる設計者 | Eero Aarnio(1932年生) |
| 所在地 | フィンランド・ヘルシンキ |
| 製造地 | フィンランド国内 |
| 事業内容 | 家具の製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.aarniooriginals.com |
Reference
- Eero Aarnio Originals - 公式サイト
- https://www.aarniooriginals.com