石灰岩が熱や圧力を受けて組織が組み替わった変成岩。方解石を主成分とし、内装の装飾石材として用いられる。酸に弱い。
大理石
大理石とは、石灰岩が地下で熱や圧力を受け、組織が組み替わって緻密になった変成岩のこと。方解石を主成分とし、炭酸カルシウムからなる。英語では marble と表記する。
解説
石材の分野では、岩石学上の大理石だけでなく、模様や色合いの美しい非変成の石灰岩、層状の縞をもつトラバーチンなども大理石として扱われる。したがって「大理石」という表示は、成因の同じ石の集まりを指すというより、内装の装飾石材としての用途による括りに近い。流通の場では、イタリアのカッラーラ・ビアンコのように産地名を冠した石種名で扱われる。
混入する鉱物によって色が変わり、白、ベージュ、灰、緑、紅、黒など幅がある。堆積と変成の過程で生じた縞や筋が模様として現れるため、同じ石種でも切り出した位置によって表情が異なる。フローレンス・ノルのフローレンス・ノル ダイニングテーブルのように大きな一枚を天板とする場合、二枚として同じものが存在しないのはこのためである。
花崗岩と比べると軟らかく、加工に時間がかからない。内装材として広く使われるのはこの扱いやすさによる。一方で風化には弱く、屋外での使用には向かない。石としての比重が大きい点が用途につながることもあり、カスティリオーニ兄弟のArcoフロアランプでは、白いカッラーラ大理石の塊が装飾ではなく長く張り出した支柱を支える錘として置かれている。なお、日本産業規格のJIS A 5003は石材の見掛比重、吸水率、圧縮強さの試験方法を定めており、圧縮強さによって硬石・準硬石・軟石に区分している。石種を比べる際の共通の物差しになる。
酸に弱いという性質
主成分の炭酸カルシウムは酸と反応する。レモンや酢、ワイン、炭酸飲料、酸性の洗剤が表面に触れると、その部分の光沢が失われて曇りとして残る。傷ではなく化学的な変化であるため、拭き取っても戻らない。加えて、磨いた表面にも微細な空隙があるため、油やコーヒー、赤ワインなどの色の濃い液体は染みとして残りやすい。
手入れは、こぼしたものをすぐに拭き取ること、洗剤は中性のものを使うことが基本になる。撥水剤を塗布して吸水を抑える方法もある。表面の光沢は再研磨によって回復させられるため、曇りや浅い傷は専門業者の施工で戻すことができる。天板として長く使う前提であれば、この点は無垢材の研磨と同じ性格をもつ。
Reference
- 大理石(一般社団法人 日本建築石材協会)
- https://www.kenchikusekizai.org/%E7%9F%B3%E3%81%AE%E6%80%A7%E8%B3%AA/%E3%80%90%E5%A4%A7%E7%90%86%E7%9F%B3%E3%80%91/
- 石材の種類(関ヶ原石材)
- https://www.sekistone.com/products/stone/class/
- データ数値、使用可能判定の詳細について(関ヶ原石材)
- https://www.sekistone.com/search_help02/
- JIS A 5003:1995 石材(日本規格協会)
- https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+A+5003:1995