細かい粒の石膏が緻密に集まった石材。雪花石膏ともいう。薄く挽くと光を通すため、照明のシェードに用いられる。
アラバスター
アラバスターとは、細かい粒の石膏(硫酸カルシウム二水和物)が緻密に集まった石材のこと。日本語では雪花石膏という。英語では alabaster と表記する。
解説
モース硬度は1.5から2で、爪でも傷がつく。大理石と比べて軟らかく、刃物で削れるため、彫刻や器物の材として古くから用いられてきた。加工の容易さと引き換えに、日常の使用で傷が残りやすい。
照明に用いられるのは、薄く挽くと光を通すからである。粒が細かいため光は内部で散乱しながら抜け、面全体がほのかに発光する状態になる。透明な素材では光源の位置がそのまま見えるが、この材では輪郭がぼやけて均一な明るさになる。天然の石であるため縞や色の濃淡が個体ごとに異なり、同じ設計でも透過の具合が変わる。Galerie MCDEが再制作するピエール・シャローの照明は、この性質を前提とした構成を採る。
石膏は水にわずかに溶けるため、水拭きや湿気には弱い。屋外や水回りには適さず、手入れは乾いた布で払う程度にとどめる。
なお「アラバスター」の語が指す鉱物は時代によって異なる。現代では石膏のものを指すが、古代エジプトの器物などで同じ語が用いられる場合は方解石(炭酸カルシウム)を指すことが多い。両者はモース硬度で見分けられ、石膏のものは爪で傷がつくのに対し、方解石のものは硬度3で傷がつかない。
大理石との違い
| 比較項目 | アラバスター | 大理石 |
|---|---|---|
| 成分 | 石膏(硫酸カルシウム二水和物) | 方解石を主とする変成岩 |
| モース硬度 | 1.5〜2 | 3程度 |
| 光の透過 | 薄く挽くとよく通す | ほとんど通さない |
| 主な用途 | 照明のシェード、彫刻、器物 | 天板、床材、彫刻 |