概要
エロス ダイニングテーブルは、アンジェロ・マンジャロッティが1971年に発表した大理石のテーブルである。接着剤やボルトを使わず、天板の重さだけで脚と天板を結合する。当初はスキッパーが製造し、2009年以降はアガペカーサがスタジオ・マンジャロッティの監修のもとで生産している。
特徴・コンセプト
重さで留める
脚の上端は、上に向かって広がる円錐台の形に削り出される。天板にはこれに合う開口が空いており、脚を差し込むと円錐の斜面が開口の縁に当たる。天板が重いほど脚は開口に食い込み、結合が締まる。荷重が接合を緩める方向ではなく、締める方向に働く。
接着剤やボルトを使わないため、分解して運べる。石は接着すると剥がすときに割れやすいが、この方式なら持ち上げるだけで外れる。
天板の切り欠き
天板の隅や縁には曲線の切り欠きが入る。脚を差し込む開口の周囲には力が集中するが、石は引張りに弱く、細く残った部分から割れやすい。あらかじめその部分を落としておくことで、弱い箇所を残さない。構造上の要請から生まれた形が、そのままこのシリーズの外形を決めている。
形状の展開
天板は正方形、長方形、楕円形、円形、三角形が用意され、形ごとに脚の数と位置が変わる。ダイニングテーブルでは楕円形と長方形が主にあたる。大理石はビアンコ・カラーラ、ネロ・マルキーナ、グリジオ・カルニコなどから選べる。
エピソード
マンジャロッティは、接合具を用いずに部材を嵌め合わせる家具を継続して手がけた。エロスに続き、インカス(1978年)、エッチェントリコ(1979年)、アーゾロ(1981年)が同じ原理で展開されている。
アガペカーサによる生産では、オリジナルの図面にもとづいて製作され、天板の裏面に認証マークが刻まれる。
評価と影響
素材の性質から構造を導くという方向をとる。石の重さを弱点ではなく結合の手段として使う点に特徴がある。天然石を用いるため、同じ形でも模様は個体ごとに異なる。屋内での使用を前提とする。
アンジェロ・マンジャロッティの設計思想や経歴について詳しくはアンジェロ・マンジャロッティプロフィールページをご覧ください。
アガペカーサの歴史や他の製品について詳しくはアガペカーサブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | エロス ダイニングテーブル / Eros Dining Table |
|---|---|
| デザイナー | アンジェロ・マンジャロッティ(Angelo Mangiarotti) |
| ブランド | アガペカーサ(Agapecasa/2009年〜)/スキッパー(Skipper/1971年〜) |
| 発表年 | 1971年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ダイニングテーブル |
| 主要素材 | 大理石(天板・脚部とも無垢) |
| 構造 | 円錐台の脚を天板の開口に差し込み、天板の重さで結合を締める。接着剤・ボルト不使用 |
| 天板形状 | 正方形、長方形、楕円形、円形、三角形 |
| 大理石の種類 | ビアンコ・カラーラ、ネロ・マルキーナ、グリジオ・カルニコほか |
| 使用環境 | 屋内 |
Reference
- Eros | Agapecasa
- https://www.agapedesign.it/en/agapecasa/eros/