概要
アンジェロ・マンジャロッティ(1921-2012)は、イタリアの建築家である。部材を接着や金具で留めず、重さと形状の噛み合いだけで組む構成を扱った。1971年のエロスは、大理石の脚を天板の孔に差し込み、円錐状の断面が自重で固定される卓である。建築でもプレキャストの部材による工法を扱った。
バイオグラフィー
1921年2月26日、ミラノに生まれた。ミラノ工科大学で建築を学び、1948年に修了している。
1953年から1954年までアメリカに滞在し、イリノイ工科大学で教えた。
1955年にミラノで事務所を開き、建築と製品の設計を並行して行った。工場、教会、住宅を手がけている。
1971年にエロスを発表した。2012年に没している。
デザインの思想と方法
部材を接合するには、通常は接着剤か金具を用いる。マンジャロッティが扱ったのは、部材の形状と重さだけで固定するという方式である。異種の材料が混ざらず、分解もできる。
円錐で自重を利用する
エロスでは、脚の上端を円錐状に削り、天板の孔に差し込む。天板の重さで円錐が孔に食い込み、固定される。接着も金具も要らない。
大理石の性質を用いる
大理石は重く、削り出しで形が作れる。重量があるため、自重による固定が成立する。軽い材料では同じ方式が使えない。
分解できるようにする
持ち上げれば脚が抜ける。運搬と保管の際に分解でき、部材ごとに扱える。石の卓は重いため、この条件は実用上の要求にあたる。
建築でも同じ方式を扱う
工場や教会の設計では、工場で成形したコンクリートの部材を現場で組む工法をとった。部材の形状で位置が決まるという点が共通する。
代表作にみる方法
エロス(1971年)
大理石の脚の上端を円錐状に削り、天板の孔に差し込んだ卓である。天板の重さで円錐が孔に食い込み固定される。接着も金具も要らず、持ち上げれば分解できる。→エロス ダイニングテーブル
エロスの系列
食卓のほか、低い卓と腰掛けが用意された。円錐による固定という方式は共通する。
プレキャスト工法による建築(1960年代〜)
工場で成形したコンクリートの部材を現場で組む工法をとった。部材の形状で位置が決まるという点が家具と共通する。
教会の設計
ミラノ近郊などで教会を設計した。プレキャストの部材による構成をとる。
時計・照明の設計
時計と照明も手がけた。材料は変わるが、部材の関係で構成を決める手順は共通する。
評価と影響
マンジャロッティは一般に、部材の形状と重さだけで固定する構成を扱った建築家と評価されている。接着剤も金具も用いないため、異種の材料が混ざらない。
建築ではプレキャストの部材による工法を扱った。部材の形状で位置が決まるという点が、家具と共通する。
エロスは1971年の設計で、現在も生産が続いている。円錐による固定という方式が変わっていない。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。イタリア国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド / 場所 |
|---|---|---|---|
| 1953-1954年 | 教育 | イリノイ工科大学 | シカゴ、アメリカ |
| 1955年 | 事務所 | ミラノに事務所を開設 | ミラノ、イタリア |
| 1971年 | テーブル | エロス ダイニングテーブル | Skipper / Agapecasa |
| 1971年〜 | 家具 | エロスの系列(低い卓・腰掛け) | Skipper / Agapecasa |
| 1960-2000年代 | 建築 | 工場・教会・住宅 | イタリア各地 |
| 1960-2000年代 | 製品 | 時計・照明 | 各社 |
プロフィール
| 生没年 | 1921年2月26日〜2012年 |
|---|---|
| 出身地 | イタリア・ミラノ |
| 国籍 | イタリア |
| 活動拠点 | ミラノ |
| 分野 | 建築、家具、時計、照明 |
| 主な協働ブランド | Agapecasa、Skipper |
Reference
- Agapecasa
- https://www.agapedesign.it/en/agapecasa/
- Fondazione Angelo Mangiarotti
- https://www.fondazioneangelomangiarotti.org/