概要

PK71は、ポール・ケアホルムが1957年に発表したネストテーブルである。ステンレス鋼のフレームとアクリルの天板で構成され、大・中・小の3点が入れ子に収まる。上面からも側面からも正方形が現れる構成をとる。

概要

PK71は、3点のテーブルを入れ子式に格納できるネストテーブルである。サテン仕上げのステンレススチールによる立方体フレームの上に、ブラックまたはホワイトのアクリル天板を載せた簡潔な構成をとる。各テーブルの外寸は約1.5cmずつ異なり、ビスやボルトを用いずに溶接で組み上げられている。3つを重ねた状態でも正方形の連続が保たれ、個別に分離して配置すればリズミカルな空間構成をつくることができる。

デンマーク家具の主流であった木材ではなく、スチールを主要素材として選んだ点が、ケアホルムの作品の特徴である。PK71でもその方針は一貫しており、構造材として扱われることの多かったステンレススチールを、家具の造形として用いている。

特徴・コンセプト

PK71の特徴は、あらゆる方向から見て正方形となる三次元的な造形にある。ケアホルムはこの作品で正方形のモチーフをすべての次元に展開し、後のPK54ダイニングテーブルのベースにもつながる立方体の構成を示した。

素材の選択

天板にアクリルが用いられる。大理石なら重量が増し、細いフレームでは支えきれない。アクリルは軽く、枠に載る部分の切り欠きも精密に加工できる。素材の選択が、フレームを細く保つという条件から導かれている。

溶接による一体構造

フレームは金具を用いず溶接で接合される。ボルト留めなら接合部に金具の厚みが加わるが、溶接なら断面をそのまま保てる。細い部材で正確な正方形を保つには、この方法が要る。天板のアクリルは小口に溝が施され、見えがかりが薄く仕上がる。

自由な配置と彫刻性

3点は並べても離しても、重ねても使える。各テーブルの外寸は約1.5cmずつ異なるため、重ねたときに輪郭がわずかにずれて重なりが読める。

生産の経緯

PK71は、1957年に製造パートナーであるアイヴァン・コルド・クリステンセン(Ejvind Kold Christensen)のもとで生産が始まった。コルド・クリステンセンは1955年から1980年のケアホルムの死去まで協働関係を続けた。1980年のケアホルムの死去、そして1982年にフリッツ・ハンセンがPKコレクションの製造と販売を継承し、以来PK71はデンマークの工房で生産され続けている。

評価

同じケアホルムによるPK22 ラウンジチェアPK80 デイベッドも、鋼を主要素材とする点で共通する。木を主流としたデンマークの家具のなかでは例外的な選択にあたる。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。同館の記録では制作年が1963年とされ、発表年の1957年とは異なる。

  • MoMA ネスティングテーブル(1963年) 収蔵番号 297.1999.1-3

基本情報

正式名称 PK71™ ネストテーブル / PK71™ Nesting Table
デザイナー ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm)
デザイン年 1957年
製造ブランド Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)/ デンマーク
構成 大・中・小 3点のネストテーブル(セット販売)
素材(フレーム) サテン仕上げステンレススチール(溶接構造)
素材(天板) アクリル
カラーバリエーション ブラックアクリル天板 / ホワイトアクリル天板
サイズ(大) W280 × D280 × H285 mm
サイズ(中) W265 × D265 × H270 mm
サイズ(小) W250 × D250 × H255 mm
製造国 デンマーク
美術館コレクション ニューヨーク近代美術館(MoMA、収蔵番号297.1999.1-3)