彫刻のようなテーブル、Tobi-Ishi Table

Tobi-Ishi Tableは、英国を代表するデザインデュオ、エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーがB&B Italiaのために創作した記念すべき初めてのプロジェクトである。2012年の発表以来、このダイニングテーブルはその彫刻的なフォルムと東洋の精神性が融合した独創的なデザインにより、現代デザインのアイコンとしての地位を確立した。伝統的な日本庭園の飛び石から着想を得たこのテーブルは、禅の思想が体現するバランスと調和の概念を三次元の造形として表現している。

日本庭園の美学から生まれたデザインコンセプト

Tobi-Ishiという名称は、日本の伝統的な庭園において装飾的に配置される磨き上げられた飛び石に由来する。バーバーとオズガビーは日本の芸術と文化に深い造詣を持っており、この庭石が持つバランスと調和の概念を、家具デザインに昇華させることを企図した。日本庭園における飛び石は、単なる機能的要素ではなく、空間における瞑想的な移動を促す精神的な装置として機能する。このテーブルは、そうした東洋の美学と哲学を西洋のモダンデザインの文脈に巧みに翻訳した作品である。

デザイナーたちは、禅の精神性を具現化するために、従来のテーブルデザインの常識を覆す構造を採用した。四本脚や中央の支柱という伝統的な支持構造を放棄し、直角に配置された二つの垂直な台形の支柱によって天板を支える革新的な手法を選択した。この構造は、見る角度によって全く異なる表情を見せる動的な彫刻性を生み出している。

視点によって変化する彫刻的フォルム

Tobi-Ishi Tableの最も顕著な特徴は、その彫刻的な構造にある。天板は支柱から大きくオーバーハングしており、この張り出しと直角に配置された垂直の台形支柱との組み合わせが、古代と現代の要素を併せ持つ独特の造形を生み出している。観察する角度によってテーブルの形状が変化して見えるこの視覚的効果は、静的な家具でありながら、動的な芸術作品としての性質を付与している。

この視覚的変容は、空間における存在感を高めるだけでなく、使用者との対話的な関係性を構築する。ダイニングルームを移動する際、あるいは着座する位置を変える度に、テーブルは異なる表情を見せ、空間に新たな視覚的興味を提供し続ける。このような特性により、Tobi-Ishiは単なる機能的家具を超え、空間の主役となる彫刻的オブジェとしての役割を果たすのである。

素材の探求とバリエーションの展開

Tobi-Ishi Tableは、形態と素材の均衡を探求する姿勢を通じて、多様な解釈を可能にしている。当初、このテーブルはB&B Italiaが開発した実験的な素材を用いて製作された。手作業で塗布されるセメントグラウトの表層は、デザインの記念碑的な性格を補完する重厚感を持っていた。この素材は、石の質感と現代的な技術を融合させ、日本庭園の飛び石という原点への視覚的な回帰を実現している。

多様な仕上げオプション

その後、デザインの成功を受けて、Tobi-Ishiは素材の選択肢を拡大していった。白いカッラーラ大理石と黒いマルキーナ大理石のバージョンが加えられ、天然石が持つ優雅さと洗練性が新たな解釈を提供した。さらに、オーク材を用いたバージョンは、より温かみのある自然な雰囲気を演出する。

ラッカー仕上げのバリエーションも充実しており、16色のサテン仕上げに加え、キャンディレッドやスモークブルーといった光沢仕上げの洗練された色彩が用意されている。これらの多様な仕上げオプションにより、Tobi-Ishiはあらゆるインテリアスタイルに適応し、空間に独自の個性を付与することが可能となっている。

シリーズの進化と展開

オリジナルのダイニングテーブルの成功を受けて、Tobi-Ishiファミリーは拡大を続けている。2015年には、同じ禅の精神性を継承したローテーブル版「Tobi-Ishi Low」が発表された。このバージョンは、リビング空間における彫刻的な焦点として機能し、ダイニングテーブルと同様の視覚的興味を提供する。

2017年には、屋外使用を想定した「Tobi-Ishi Outdoor」が導入された。セメント製のこのバージョンは、屋外環境の厳しい条件に耐えうる耐久性を備えながら、オリジナルデザインの彫刻的美学を完全に保持している。また、ラウンド型に加えて、両端が丸められた長方形バージョンも展開され、より多様な空間ニーズに対応している。

デザイン界における評価と影響

Tobi-Ishi Tableは、発表直後から批評家たちによって広く称賛された。このテーブルは、東洋の精神性と西洋のモダニズムを融合させた稀有な成功例として認識され、文化的境界を超えたデザインの可能性を示した。機能性と彫刻的美学を驚くべき形で統合したこの作品は、21世紀の家具デザインにおける重要な到達点として位置づけられている。

権威ある第23回コンパッソ・ドーロ賞のプログラムに選出されたことは、このデザインの卓越性を証明している。国際的な審査員によって評価されたこの選出は、Tobi-Ishiが単なる商業的成功を超えて、デザイン史における重要な貢献として認められたことを意味する。

世界中の主要な美術館やデザイン機関がTobi-Ishiをコレクションに加えており、その中にはロンドンのデザインミュージアム、ニューヨークのメトロポリタン美術館、シカゴ美術館などが含まれる。これらの機関による収蔵は、このテーブルが一時的な流行を超えた永続的な文化的価値を持つことを示している。

バーバー&オズガビーとB&B Italiaのパートナーシップ

Tobi-Ishiは、エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーがB&B Italiaのために手がけた初めてのプロジェクトであり、この協働関係の始まりを象徴する作品である。両デザイナーは1996年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで建築を学んだ後、イーストロンドンにスタジオを設立した。彼らのアプローチは、実験と革新への強調、そして素材と色彩に対する探究的な態度によって特徴づけられる。

バーバーとオズガビーは、2004年にジャーウッド賞を受賞し、2007年には「王室産業デザイナー」の地位を授与された。2013年には、デザイン産業への貢献により大英帝国勲章オフィサー(OBE)に叙された。彼らの作品は産業プロセスや新技術との密接な関係を反映しながらも、ファインアートとの親和性を保っている。このバランスの取れたアプローチが、B&B Italiaの高度な製造技術と結びついたことで、Tobi-Ishiのような革新的な作品が実現したのである。

基本情報

デザイナー エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビー(Edward Barber & Jay Osgerby)
ブランド B&B Italia(ビーアンドビーイタリア)
デザイン年 2012年
分類 ダイニングテーブル
素材 MDFウッドファイバーパネル、高密度ポリウレタン樹脂、オーク突板、無垢オーク材、セメント、大理石(カッラーラ、マルキーナ)、ラッカー仕上げ
形状バリエーション ラウンド、長方形(両端丸型)
シリーズ展開 Tobi-Ishi(ダイニングテーブル、2012年)、Tobi-Ishi Low(ローテーブル、2015年)、Tobi-Ishi Outdoor(屋外用、2017年)
受賞歴 第23回コンパッソ・ドーロ賞プログラム選出
収蔵 ロンドン・デザインミュージアム、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、シカゴ美術館ほか