レアレ テーブル ─ 航空力学に着想した彫刻的なフレーム
レアレ テーブルは、20世紀イタリアデザインを代表する建築家カルロ・モッリーノが手がけた、独創的な構造美をもつダイニングテーブルである。1946年、トリノの保険会社ソチエタ・レアレ・ムトゥア・ディ・アッシクラツィオーニ(Società Reale Mutua di Assicurazioni)の本社オフィスのために設計され、航空工学から着想を得た有機的なオーク材のフレームと、それを額縁のように際立たせるガラスまたは大理石の天板によって構成されている。木製の各部材がカスタムメイドの金属ジョイントを介して精緻に組み合わされ、堅牢さと軽やかさを両立させている点に特徴がある。
当初は量産を前提としない一点制作の家具であったが、1990年にイタリアの家具ブランド、ザノッタがモッリーノへのオマージュとしてリエディション(復刻生産)を開始。以来、現代の素材技術と職人技を融合させながら、忠実な生産が続けられている。
特徴とコンセプト ─ 構造美と透明性
航空工学に着想を得た有機的フレーム
レアレ テーブルの中心にあるのは、無垢のオーク材による有機的なフレーム構造である。傾斜した脚部、交差する筋交い、精密なカスタムジョイントが一体となり、繊細でありながら堅牢な骨格を形づくる。曲技飛行にも通じたモッリーノの関心を反映し、個々の部材が結び合って全体を支えるという設計思想が、そのまま家具に翻訳されている。
透明な天板がもたらす額縁効果
天板にクリアガラスを選んだ場合、透明な面を通してフレームの構造がそのまま見えるため、骨格そのものが鑑賞の対象となる。ザノッタの表現によれば、コンパクトで透明な骨格がガラスの天板によって額縁のように縁取られる。構造を装飾として扱うこの発想が、空間においてテーブルを彫刻作品のような存在にしている。
素材の対比が生む佇まい
天板に大理石を選んだ場合は、オーク材フレームの有機的な曲線と、石材の端正で重厚な面が対比を成し、より落ち着いた佇まいとなる。ガラスと大理石という二つの選択肢によって、同じフレームでも空間に与える印象は大きく変わる。
誕生と復刻
1946年、モッリーノはトリノの保険会社レアレ・ムトゥアの本社オフィス用に、テーブルやデスクなどの家具を設計した。「レアレ(Reale)」という名称は、このクライアント企業名に由来する。オリジナルはトリノのアペッリ&ヴァレージオ工房によって、オーク材・真鍮・石材を用いて製作された。
1980年代半ば、ザノッタはモッリーノの家具に着目し、その製造に着手する。1990年、レアレ テーブルがザノッタのコレクションとして正式にリエディションされた。なお、モッリーノの作品に関する知的財産権はイタリア民法第586条に基づきイタリア国家が所有しており、ザノッタは国有財産庁(Agenzia del Demanio)から付与された独占ライセンスのもとで製造を行っている。
2020年には、ザノッタがモッリーノ・コレクションの一環として大型化した仕様を発表。全長を伸ばし、脚の傾斜をより深くしたモデルが加わり、ガラスまたは大理石の天板と組み合わせて選べるようになった。
基本情報
| 正式名称 | レアレ テーブル / Reale Table(品番:2320) |
|---|---|
| デザイナー | カルロ・モッリーノ(Carlo Mollino, 1905–1973 / イタリア・トリノ) |
| デザイン年 | 1946年(オリジナル) |
| 製造ブランド | Zanotta(ザノッタ) / イタリア製 |
| リエディション開始 | 1990年 |
| フレーム素材 | 無垢オーク材(ナチュラル、ブラック塗装、カナレットウォールナット染色)、ワックス仕上げ |
| 天板素材 | エクストラクリアガラス(厚さ15mm、ベベルエッジ有/無)/ 大理石(厚さ20mm、カラーラ・マルキーナ・エンペラドール等、耐汚染性マット仕上げ) |
| サイズ | W160×D80×H72 cm / W180×D90×H72 cm / W200×D90×H72 cm(大型仕様は別途) |
| 接合部 | カスタムメイド金属ジョイント(真鍮) |
| 知的財産権 | イタリア国家所有(イタリア民法第586条)。ザノッタが国有財産庁より独占ライセンスを取得し製造 |
レアレ テーブルのデザインストーリーについて詳しくはレアレ テーブル紹介ページをご覧ください。