Zanotta(ザノッタ)
Zanottaは、イタリア・ロンバルディア州ノヴァ・ミラネーゼに本社と工房を置く家具メーカーである。1954年にAurelio Zanottaがソファと肘掛け椅子の製造業として設立した。当時この分野は張り師の工房が担っていたが、同社は外部の建築家・デザイナーに設計を委ねる方式を採り、1960年代以降は既製品の転用や新素材の導入によって、従来の家具の構成から外れた製品を手がけた。2023年4月にCassinaに買収され、Haworth Lifestyle Design傘下のブランドとなっている。
事業と製造の実体
Zanottaの生産はイタリア国内で行われ、その大半はノヴァ・ミラネーゼの工房が担う。同じ敷地にはZanotta: Labと呼ばれる展示・体験の施設が併設されている。
製造の性格を決めているのは、他分野の既製部品を家具の部材として取り込む手法である。メッツァドロでは農業機械の座席を座面に、板ばね状の鋼材を支柱に、木材を足掛けに用いる。セラでは自転車の鞍と球形の台座を組み合わせる。いずれも部材の多くを他業種から調達するため、加工よりも部品の選定と接合部の設計が製造上の課題になる。
もう一つの系統は、構造体を持たない製品である。1968年のSaccoは、袋に発泡樹脂の粒を詰めるだけの構成で、枠も詰め物の成形も用いない。使用者の姿勢に応じて形が変わるこの方式は、家具の骨組みという前提そのものを外したものにあたる。
製品群のうち、少量生産の手仕事による品目はZanotta Edizioniの名称で区分されている。
沿革
創業と方針の転換
1954年、Aurelio Zanottaがノヴァ・ミラネーゼで会社を設立した。当初はソファと肘掛け椅子を製造している。当時の張り地家具は張り師の工房が担う分野だったが、Zanottaは設計を外部の建築家・デザイナーに委ねる方式を採り、実用品としての家具から外れた製品開発へ進んだ。
1960年代、この方針は具体的な製品として現れる。Achille CastiglioniとPier Giacomo Castiglioniによるセラとメッツァドロは1957年に構想され、1970年から生産に入った。いずれも既製の工業部品を家具の部材として用いる構成を採る。1968年にはPiero Gatti、Cesare Paolini、Franco Teodoroの設計によるSaccoが発表された。
製品群の拡張
1970年代以降、Zanottaは20世紀前半の設計の再生産にも範囲を広げた。Marco Zanusoが1947年に構想した肘掛け椅子Maggiolinaの生産は1972年に始まっている。Carlo Mollinoのアラベスコ・テーブルとカヴール デスクも同社が扱う。
設計者との協働は継続的に行われ、Gae Aulenti、Alessandro Mendini、Bruno Munari、Ettore Sottsass、Enzo Mariらが加わった。Enzo Mariのトニエッタ、Achille Castiglioniのジョイ 712 回転ブックケースはこの流れに属する。
資本の移動
2023年4月5日、ZanottaはCassinaに買収され、Haworth Lifestyle Designのブランド群に加わった。同グループにはCassina、Cappellini、Ceccotti、Karakter、Poltrona Frau、Luxury Living、JANUS et Cie、Luminaire、Interniが属する。買収後もZanottaは運営上の独立性を保つとされている。2024年、創業70年に合わせてミラノに新しい旗艦店が開設された。
デザイナーとの協働
Zanottaの製品開発は、社内の意匠部門ではなく外部の設計者との協働によって進む。創業者が張り地家具の慣行から離れる方針を採った時点でこの体制が定まり、設計者が持ち込む構成を製造の条件へ翻訳する作業を自社が担ってきた。既製の工業部品を用いる製品では、部品の調達先の確保も同社の役割に含まれる。
20世紀の協働相手には、Achille & Pier Giacomo Castiglioni、Carlo Mollino、Gae Aulenti、Alessandro Mendini、Bruno Munari、Ettore Sottsass、Enzo Mari、Marco Zanusoが挙げられる。
Achille Castiglioniの設計思想や経歴について詳しくはAchille Castiglioniプロフィールページをご覧ください。
Enzo Mariの設計思想や経歴について詳しくはEnzo Mariプロフィールページをご覧ください。
Alessandro Mendiniの設計思想や経歴について詳しくはAlessandro Mendiniプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
既製部品を転用した製品には、Castiglioni兄弟のメッツァドロとセラがある。前者は農業機械の座席、後者は自転車の鞍を座面に用いる。同兄弟の設計では書棚のジョイ 712 回転ブックケースも扱う。
Carlo Mollinoの設計では、曲げ加工した合板を用いるアラベスコ・テーブルと、机のカヴール デスクがある。Enzo Mariのトニエッタ、卓のレアレ テーブル、寝台のタラモ ベッドも現行の製品にあたる。
枠を持たない椅子Sacco、およびスチールパイプから吊した袋に合板を差し込む構成のMaggiolinaも、継続して生産されている。
基本情報
| ブランド名 | Zanotta(ザノッタ) |
|---|---|
| 設立 | 1954年 |
| 創業者 | Aurelio Zanotta |
| 本社・生産拠点 | イタリア・ロンバルディア州ノヴァ・ミラネーゼ |
| 資本関係 | 2023年4月よりCassina傘下。Haworth Lifestyle Designのブランド群に属する |
| 事業内容 | 家具の設計、製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.zanotta.com |
Reference
- Zanotta - Company
- https://www.zanotta.com/en-us/company
- Zanotta - Cassina acquires Zanotta
- https://www.zanotta.com/en-us/magazine/lifestyle/cassina-acquires-zanotta
- Cassina - Cassina acquires Zanotta
- https://www.cassina.com/ww/en/news/cassina-journal/cassina-acquires-zanotta.html
- Architonic - Zanotta
- https://www.architonic.com/en/b/zanotta/3100151