概要

アラベスコ・テーブルは、カルロ・モリーノが1949年に設計したコーヒーテーブルである。曲木合板の脚部とガラスの天板を組み合わせる。オリジナルはトリノの家具工房アペッリ・エ・ヴァレジオが少数を製作した。現在はザノッタが「アラベスコCM」として製造している。

特徴・コンセプト

不要な部分を抜く

脚部は一枚の合板を連続的に曲げて成形される。フレームには不規則な曲線の開口が複数設けられ、必要な箇所にだけ材が残る。合板は面のまま使えば重くなるが、応力のかからない部分を抜けば質量が減る。曲線と逆曲線が組み合わさることで、開口を設けても強度が保たれる。

天板の輪郭

ガラス天板の輪郭は不規則な曲線を描く。モリーノは、画家レオノール・フィニが描いた横たわる女性像の素描から胴部の輪郭をトレースし、天板の形に用いた。

二段の構成

上段の天板と下段の棚で構成される。上段は10mm厚、下段は8mm厚の強化ガラスによる。合板のフレームはオーク材の突板で仕上げられ、金属の留め具で接合される。

エピソード

製作にあたっては、モリーノのスケッチをもとに実物大の図面が起こされ、職人との協働で曲線が実現された。カーサ・オレンゴやポンティ家といった個人の空間のために作られた作例が知られている。

1950年、イタリア政府が主催した巡回展「Italy at Work」に出品され、アメリカ各地の美術館を巡回した。

カルロ・モリーノの作品・図面・文書に関する知的財産権はイタリア民法にもとづきイタリア国家に帰属しており、ザノッタはアジェンツィア・デル・デマニオからの独占ライセンスのもとで生産している。

評価と影響

現行のアラベスコCMは、ナチュラルオークまたはブラックステインオークの曲木合板フレームにワックス仕上げを施す。ナチュラルオークにはエクストラクリアガラス、ブラックステインオークにはスモーキーグレーのガラスが合わされる。

合板を曲げて構造とする点ではイームズ LCW(プライウッド ラウンジチェア)と共通するが、アラベスコは開口を抜いて質量を減らす方向にある。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。

  • V&A アラベスク(1949年) 収蔵番号 W.7-1985

基本情報

名称 アラベスコ・テーブル / Arabesco Table(現行品はアラベスコCM)
デザイナー カルロ・モリーノ(Carlo Mollino)
ブランド ザノッタ(Zanotta)/アペッリ・エ・ヴァレジオ(オリジナル)
発表年 1949年
デザインの成立国 イタリア
分類 コーヒーテーブル
主要素材 曲木合板(オーク突板)、強化ガラス、金属金具
構造 一枚の合板を曲げ、応力のかからない部分を開口として抜く
サイズ 幅129cm × 奥行53cm × 高さ45cm
ガラス厚 天板10mm、下棚8mm
収蔵 V&A(W.7-1985)

Reference