このページについて

アラベスコは、カルロ・モリーノが1949年に設計しザノッタが製造するローテーブルである。曲げた合板が輪郭を描き、そこへ上下2枚のガラス板を載せる。合板には複数の開口が抜かれる。

このページでは、正規品の仕様とライセンスの経緯、寸法と設置の条件、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

現行のアラベスコCMは、ザノッタ社が製造している。カルロ・モリーノの作品・図面・文書に関する知的財産権はイタリア民法第586条に基づきイタリア国家に帰属しており、ザノッタはアジェンツィア・デル・デマニオからの独占ライセンスのもとで生産する。ザノッタはこれを「復刻」ではなく「オマージュ」と位置づけ、オリジナルの設計を尊重しながら現代の製造技術に適合させている。

正式名称 アラベスコCM / Arabesco CM
オリジナル製造 アペッリ・エ・ヴァレジオ(イタリア)
現行製造 ザノッタ(イタリア)
ライセンス イタリア国有財産庁からの独占的なライセンスによる
フレーム 曲げた合板にオーク突板を貼る。ワックスを含むニス仕上げ
天板(上段) 強化ガラス。厚さ10mm
棚板(下段) 強化ガラス。厚さ8mm
接合 合板とガラスを、内部のネジによる金具で固定する
サイズ 幅1,290 × 奥行530 × 高さ450mm
仕上げバリエーション オーク(透明度の高いガラスと組み合わせる)と、黒く染めたオーク(灰色のガラスと組み合わせる)の2種
参考価格帯(税込目安) ザノッタは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。仕上げで価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
納期 受注生産。納期は取扱店に確認する
主な収蔵先(オリジナル) V&A アラベスク(1949年) 収蔵番号 W.7-1985

アラベスコの構造の要は、一枚の曲木合板から成形された有機的なフレームにある。オリジナルの製造では、薄い木材の層を重ねて接着し、加熱しながら曲げる手法が用いられた。フレームに設けられた複数の不規則な開口部は、必要な箇所にのみ材を残して質量を抑え、視覚的な軽さを生むための工夫である。曲線と逆曲線が組み合わさった構造は、強度を保ちながら宙に浮くような印象を与える。上段のガラス天板と下段のガラス棚板という二層構成は、雑誌や小物を置く棚としての実用性も兼ねている。

ライセンスについて

設計者の作品にかかる権利はイタリア国有財産庁が管理しており、ザノッタは同庁から独占的なライセンスを受けて製造している。設計者の遺族やブランドが権利を持つ他の復刻とは、経緯が異なる。

正規品はこのライセンスに基づいて製造される。購入の際は、正規取扱店を通じることでこの点を確認できる。

類似商品・競合との比較

ローテーブルは、天板を何が支えるかで性格が分かれる。曲げた木で輪郭をつくる方式では、脚と枠の区別がなくなる。

比較項目 アラベスコ タヴォロ・コン・ルオテ(車輪付きテーブル) ブックワーム
構造 曲げた合板が輪郭をつくる ガラス板にキャスターを直接付ける 曲げた帯が棚をつくる
天板 ガラス2枚(上下) ガラス1枚 該当しない
下段の収納 あり(棚板が1枚) なし 棚として使う
寸法 幅1,290×奥行530×高さ450mm 正方形4種/長方形2種 長さを選ぶ
移動 本体を持ち上げる キャスターで転がす 壁に固定する

選び分けの目安

下段に物を置きたい場合
アラベスコは上下2枚のガラスを持ち、下段が棚として使える。雑誌などを収められる。
細長い場所に置く場合
幅1,290×奥行530mmと、奥行に対して幅が大きい。ソファの前に沿わせる配置に合う。
設置後に位置を変える場合
アラベスコは持ち上げて動かす。キャスターを備える製品では、押して転がせる。

使用感と設置条件

曲げた合板の構造

合板を曲げて輪郭をつくるため、脚と枠の区別がない。1本の連続した帯が床から立ち上がり、天板を支えて再び床へ戻る。

合板には複数の開口が抜かれる。この開口によって、見る角度ごとに背後の見え方が変わる。壁際に置く場合と、部屋の中央に置く場合で印象が異なる。

2枚のガラス

上段は厚さ10mm、下段は8mm。下段は棚として使え、雑誌などを収められる。

いずれも透明または灰色のガラスで、下段に置いたものが上から見える。何を置くかが外観に影響する。

寸法と設置

幅1,290×奥行530×高さ450mm。奥行に対して幅が大きく、ソファの前に沿わせる配置に合う。

高さ450mmは一般的なソファの座面に近い。座ったまま手が届く高さである。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

合板の表面はオークの突板で、ワックスを含むニスで仕上げられる。塗膜は薄く、擦れると木部が現れる。突板のため、深い傷では下地の合板が出る。

曲げた部分は応力がかかった状態にある。湿度の変化が大きい環境では、この箇所から変化が現れる可能性がある。

ガラスは経年で変質しない。いっぽうで割れると補修できない。

日常の手入れ

合板の部分
乾いた柔らかい布で拭く。水分を残さない。研磨剤はニスの仕上げを損なう。
ガラス
ガラス用の洗剤で拭ける。合板との接する箇所には洗剤を付けない。
置き場所
直射日光と暖房の風を避ける。合板の曲げた部分に負担がかかる。

修理

ガラスと合板は内部の金具で固定される。緩みが生じた場合、取扱店を通じて相談する。合板の曲げた部分は補修が難しい。

どこで買うか

取扱店の調べ方

ザノッタは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決めるのは仕上げである。オークと透明のガラス、黒く染めたオークと灰色のガラスの2種から選ぶ。受注生産のため、納期は取扱店に確認する。

実物を確認する

合板の開口による見え方は、置く場所によって変わる。壁際に置くか部屋の中央に置くかで印象が異なるため、設置場所を想定して確かめられるとよい。

2つの仕上げは、木の色とガラスの色の双方が異なる。

中古の流通

当時のアペッリ・エ・ヴァレジオによる個体と、ザノッタによる再生産品が流通している。両者は仕様が異なる。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、ガラスの欠けとひび、合板の突板の剥がれと傷、曲げた部分の状態、金具の緩みである。

購入前チェックリスト

  • 仕上げの選択(オーク+透明ガラス/黒く染めたオーク+灰色ガラス)
  • 設置場所の寸法(幅1,290×奥行530×高さ450mm)
  • 置き方(壁際か部屋の中央か。開口の見え方が変わる)
  • 下段に置くものが上から見えること
  • 直射日光と暖房の風を避けられる位置か
  • 納期(受注生産)
  • 中古の場合、合板の曲げた部分と突板の状態

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ザノッタは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。仕上げで価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
ザノッタの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。受注生産のため納期もあわせてご確認ください。
ライセンスはどうなっていますか?
設計者の作品にかかる権利はイタリア国有財産庁が管理しており、ザノッタは同庁から独占的なライセンスを受けて製造しています。設計者の遺族やブランドが権利を持つ他の復刻とは経緯が異なります。
仕上げは何種類ありますか?
2種です。オークと透明度の高いガラスを組み合わせたものと、黒く染めたオークと灰色のガラスを組み合わせたものがあります。木の色とガラスの色の双方が異なります。
下段は使えますか?
使えます。上段は厚さ10mm、下段は8mmのガラスで、下段は棚として雑誌などを収められます。ただしガラスは透明または灰色のため、下段に置いたものが上から見えます。
設置に必要な寸法を教えてください。
幅1,290×奥行530×高さ450mmです。奥行に対して幅が大きく、ソファの前に沿わせる配置に合います。高さ450mmは一般的なソファの座面に近く、座ったまま手が届く高さです。
収蔵されている美術館はありますか?
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館が収蔵しています(Arabesque、1949年、収蔵番号W.7-1985)。
手入れはどうすればよいですか?
合板の部分は乾いた柔らかい布で拭き、水分を残さないでください。研磨剤はニスの仕上げを損ないます。ガラスはガラス用の洗剤で拭けますが、合板と接する箇所には洗剤を付けないでください。直射日光と暖房の風は合板の曲げた部分に負担がかかるため避けてください。