概要
シエナ・クッションは、アルヴァ・アアルトが1954年に設計した図案「シエナ」を用いたクッションカバーである。イタリア・シエナの大聖堂に見られる大理石の縞模様を出発点とする。
平行な直線の反復で構成される。素材は100%のキャンバスコットンによる。
特徴・コンセプト
図案は平行線の反復による。線は方向を持つため、生地を回転させれば縞の向きが変わる。花や図形の反復では単位の区切りが現れるが、直線は端まで連続するため裁断の位置を選ばない。
「シャドウ・シエナ」と呼ばれる仕様では、2色の縞をわずかにずらして重ねる。一色の縞では線の幅が一定になるが、ずらして重ねれば重なった箇所と重ならない箇所で濃度が三段階に分かれる。
キャンバスコットンは280g/㎡の厚みを持つ。薄い生地では縞が下地の色に影響されるが、厚みがあれば印刷した色がそのまま出る。カバーはファスナーで着脱できる。配色は複数用意される。
エピソード
アアルトは1924年にイタリアを訪れ、以後も同地を繰り返し訪ねている。シエナの大聖堂は、白と黒の大理石を交互に積む構成をとる。石材そのものの色で縞が生じるため、塗装や装飾を加えずに模様が現れる。
図案は1954年に制作された。同時期のムーラッツァロの実験住宅では、煉瓦の積み方を変えた面を並べる試みが行われている。
同じアルテックの家具と組み合わせて用いられる。直線の図案は、曲げた木の輪郭に対して対比をなす。
評価と影響
直線の反復は、単位の区切りを持たない図案にあたる。手描きの揺らぎで周期を隠すマリメッコ ラシマット クッションや、輪郭を溶かすリキッド・レイヤーズとは方法が異なるが、いずれも裁断の位置を選ばない。
同じアアルトによるパイミオチェアやテーブル81、サヴォイ・ベースが曲線で構成されるのに対し、シエナは直線のみを用いる。シエナ・クッションの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
アルヴァ・アアルトの設計思想や経歴について詳しくはアルヴァ・アアルトプロフィールページをご覧ください。
アルテックの歴史や他の製品について詳しくはアルテックブランドページをご覧ください。
基本情報
| 製品名 | Siena Cushion / シエナ・クッション |
|---|---|
| デザイナー | アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto) |
| デザイン年 | 1954年 |
| ブランド | Artek(アルテック) |
| 素材 | キャンバスコットン100%(280g/㎡) |
| サイズ | 40×40cm / 50×50cm |
| 仕様 | ファスナー開閉式、インナークッション別売 |
| カラー | ブラック×ホワイト、ブリック×サンド、グレー×ライトグレー、サンド×ホワイト 他 |
| お手入れ | 40℃洗濯機洗い可、ドライクリーニング可 |
| 生産国 | フィンランド |
参考文献
- Artek公式ウェブサイト - https://www.artek.fi/
- Finnish Design Shop - https://www.finnishdesignshop.com/
- Alvar Aalto Foundation - https://www.alvaraalto.fi/
- Design Stories, Finnish Design Shop Magazine
- Vitra Design Museum Archives