丸太から切り出した木材を、接着や積層をせずそのまま板材・角材として用いるもの。厚みの全体が同じ木でできている。
無垢材
無垢材とは、丸太から切り出した木材を、接着や積層を経ずにそのまま板材・角材として用いるもののこと。厚みの全体が同じ一本の木でできている点が、加工木材との違いである。
解説
木材は水分の出入りによって寸法が変わり、その変化量は方向によって大きく異なる。繊維に沿う長さ方向はほとんど動かないのに対し、年輪に沿う方向はその数倍動く。成形合板や集成材が繊維の向きを組み替えてこの差を打ち消しているのに対し、無垢材にはそうした仕組みがない。したがって、幅の広い一枚板ほど季節による伸縮が大きく、木取りや乾燥の管理が仕上がりを左右する。
木取りにも性格が出る。年輪に対して直角に近く挽いた柾目は木目がまっすぐ並び、動きが比較的小さい。年輪に沿って挽いた板目は山形の木目が現れて表情が豊かだが、板の表裏で年輪の曲率が異なるぶん反りが出やすい。同じ樹種でも、どこからどう挽いたかによって挙動が変わる。
家具では、この動きを止めるのではなく逃がす設計が取られる。天板を幕板に固定する際に長穴やスライド金具を用い、幅方向の伸縮を許すのはそのためである。動きを完全に拘束すると、木材は逃げ場を失って割れる。無垢材の家具に見られる納まりの多くは、この前提から導かれている。
置き場所と仕上げも、使ううえでの前提を変える。直射日光や冷暖房の風が当たり続ける面は局所的に乾き、反りや割れの引き金になる。仕上げでは、木の内部に浸透させるオイルであれば乾いてきた頃合いに自分で塗り重ねられる反面、水や汚れは染みやすい。ウレタン塗装やラッカー塗装は表面に樹脂の膜をつくるため水には強いが、傷が膜に達したときの部分的な補修は難しくなる。オークのような硬い樹種を選んでも、この関係は変わらない。
使い続けるうえでの利点は、表層が失われないことにある。突板は表面の薄い層を削り切ると基材が露出するが、無垢材は深い傷でも研磨して仕上げ直せる。数十年単位で状態を回復させながら使えるのは、この構造による。一方で、幅の広い材や大きな節のない材は産出量が限られ、乾燥に時間もかかるため、価格は高くなる。
Reference
- 製材|木質建材の種類と特徴(日本木材総合情報センター)
- https://www.jawic.or.jp/syurui/01.php
- 集成材|木質建材の種類と特徴(日本木材総合情報センター)
- https://www.jawic.or.jp/syurui/02.php