丸太の中心側にあり、水を通す働きを終えた部分の材。多くの樹種で外側の辺材より色が濃く、赤身とも呼ばれる。
心材
心材とは、丸太の中心側にあって、水を通す働きを終えた部分の材のこと。多くの樹種で外側の辺材より色が濃く、赤身とも呼ばれる。英語では heartwood。
解説
樹木は樹皮のすぐ内側にある形成層で太る。外側へ新しい細胞が積み重なるため、内側の組織は年を追って古くなる。一定の年数を過ぎると、そこに残っていた生きた細胞が樹種ごとの成分をつくって周囲に行き渡らせ、やがて死ぬ。この移り変わりを心材化といい、水を通す働きと養分を蓄える働きはここで終わる。沈着した成分に色があるため、心材は濃く見える。ヒノキやクリのように色の差がはっきり出る樹種がある一方、カエデやブナのように心材と辺材の区別がつきにくい樹種もある。
沈着した成分は、心材の性質そのものを決めている。腐朽菌やシロアリに対する抵抗は辺材より高く、建築では柱や土台に心材が選ばれてきた。含水率も辺材より低い。養分を含む辺材はその逆で、菌や虫の被害を受けやすい。ただし耐朽性の程度は樹種による差が大きく、心材であれば腐らないということではない。
家具の木取りでは、樹心を含むかどうかが問題になる。木材の乾燥収縮には方向による差があり、年輪の接線方向は半径方向のおよそ2倍縮む。樹心を含む材(心持ち材)では、外周が縮もうとしても内側がその割合で縮まないため、木口から放射状の割れが入る。建築の柱に背割りを入れるのは、この割れを一箇所に集めて位置を決めておくためである。家具では樹心を外して挽くのが一般的で、無垢材の天板や脚に樹心の周辺が使われることは多くない。
この前提を逆に用いた例もある。e15のバッケンツァーンは樹心を含む部分から四本の脚を取り、乾燥の過程で入った割れをそのまま残す。割れを通るように材を斜めに切ることで、脚の稜に楔形の面が現れる。乾き方は一本ごとに違うため、割れの位置と幅は個体ごとに異なる。
辺材との違い
一本の丸太のなかで、心材と辺材は連続して存在する。一枚の板に両方が現れることもあり、色の差が縞のように出た材は源平と呼ばれる。
| 比較項目 | 心材 | 辺材 |
|---|---|---|
| 位置 | 丸太の中心側 | 樹皮に近い外周側 |
| 樹木での働き | 通水と貯蔵を終えている | 水を通し、養分を蓄える |
| 色 | 濃い(赤身)。樹種により差は様々 | 淡い(白太) |
| 含水率 | 低い | 高い |
| 耐朽性・耐蟻性 | 抽出成分により高い傾向 | 養分を含み被害を受けやすい |
Reference
- 技術情報 No.128 木材乾燥の基礎(長野県林業総合センター)
- https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/gijyutsu/documents/128-3.pdf
- 技術情報 No.135 木材の強弱(長野県林業総合センター)
- https://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/gijyutsu/documents/135-3.pdf
- 製材|木質建材の種類と特徴(日本木材総合情報センター)
- https://www.jawic.or.jp/syurui/01.php