クルミ科クルミ属の広葉樹とその木材。家具では紫を帯びた濃い褐色の心材だけを使う。日光を受けると濃さがほどけ、明るい褐色へ移っていく。
ウォールナット
ウォールナットとは、クルミ科クルミ属の落葉広葉樹とその木材のこと。家具に用いられるのは主に北米東部を原産とするブラックウォールナット(Juglans nigra)で、アメリカンウォールナットとも呼ばれる。
解説
この材を特徴づけるのは、心材と辺材の色の差が大きい点である。心材は紫を帯びた濃い褐色を示し、外周の辺材はほぼ白に近い淡色になる。両者は同じ丸太から採れるが、家具に使われるのは通常この心材だけで、辺材は色が揃わないため外される。
心材だけを使う方針は歩留まりに直結する。幹が比較的細く、家具に用いない髄の部分も太いため、丸太一本から取れる家具材は多くない。カール・ハンセン&サンは、心材のみを使うことと利用率の低さを、この材の性格として並べて説明している。無垢のまま広い面を採るのが難しく、突板として面積を稼ぐ使われ方が多いのも同じ事情による。
材質はやや重硬で、気乾比重は0.62〜0.64程度とされる。衝撃を受けても割れにくく、乾燥後の狂いが少ない。塗装や接着の乗りもよいため加工の自由度が高い。銃床に長く用いられてきたのは、衝撃に対する粘り強さによる。
経年変化の向きには注意が要る。時間とともに色を深める材が多いなかで、ウォールナットは日光を受けると紫を帯びた濃さがほどけ、明るく落ち着いた褐色へ移っていく。購入した直後がもっとも濃く、そこから明るくなる材だと考えるとよい。日の当たり方が偏れば色ムラになるため、置き場所と、天板にものを置いたままにしないことが手入れの前提になる。
表記だけでは樹種を特定できない点も押さえておきたい。ヨーロッパ産のヨーロピアンウォールナット(Juglans regia)は同じ属だが色も木目も異なり、日本のオニグルミは近縁ながら別の材にあたる。国内では北米産をウォールナット、国産のものをクルミと呼び分けることが多い。
ナカシマ フリーエッジテーブルは、製材で樹皮側の輪郭を落とさず残した天板に、主としてこの材を用いる。板ごとに異なる縁の形、辺材の色の違い、割れに嵌め込んだ蝶形の契りがそのまま意匠になるのは、色の幅と木目の不規則さが大きい材だからこそ成り立つ扱いである。
Reference
- Walnut|Wood types|Materials(Carl Hansen & Søn)
- https://www.carlhansen.com/en/en/materials/wood/walnut
- ウォールナット(ブラックウォールナット)|世界の樹種紹介(丸米商会)
- https://www.maruyone-trade.co.jp/species086/
- 製材|木質建材の種類と特徴(日本木材総合情報センター)
- https://www.jawic.or.jp/syurui/01.php
- アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)
- https://www.ahec-japan.org/