概要

イームズ ハウス バードは、チャールズ&レイ・イームズが所有していた木製の鳥のオブジェを製品化したものである。イームズ夫妻の設計ではなく、アメリカの民芸品として収集された品にあたる。イームズ邸のリビングに長く置かれ、夫妻が撮影した写真にも繰り返し登場した。現在はヴィトラがイームズオフィスとの契約のもとで製造している。

特徴・コンセプト

木の塊と針金の脚

本体は木を削り出した塊で、脚は細いスチールのワイヤーによる。重い胴体を細い線材が支えるため、接地部が視界からほぼ消える。胴体の輪郭が床から離れて見える構成にあたる。

形は頭から尾まで一続きで、羽や目といった細部の彫り込みを持たない。もとが狩猟用のデコイであり、遠くから鳥の形と認識されることが目的だったことによる。

素材と展開

定番はアルダー材にブラックラッカーを施した仕様で、ウォールナット材にクリアラッカーを施した仕様も展開される。製造はドイツで行われる。

エピソード

原型は、イリノイ州ヘンリーのチャールズ&エドナ・パーデュー夫妻が制作した鳥のデコイにさかのぼるとされる。パーデュー夫妻は1930年代以降、狩猟者向けのデコイ制作を手がけた工芸家である。黒いカラスのデコイは、単純な形と深い黒色により、1950年代には狩猟以外の層からも関心を集めた。

イームズ夫妻は民芸品を数多く収集しており、この鳥もその一つとして手元に置かれた。1952年のハーマンミラーのカタログには、チャールズが撮影した鳥と椅子を組み合わせた写真が使われている。ワイヤーチェアと鳥を並べた広告写真も知られる。

評価と影響

ヴィトラは2007年、オリジナルの三次元計測データをもとに製品化した。2023年には着色した限定の仕様も展開されている。

ヴィトラでは、同じく設計者の手によらない収集品を製品化した例としてウッデンドールがある。またイームズ エレファントは、イームズ夫妻自身の設計による動物の形をとる。

基本情報

名称 イームズ ハウス バード / Eames House Bird
由来 チャールズ&レイ・イームズの収集品(設計によるものではない)
ブランド ヴィトラ(Vitra)
製品化 2007年(三次元計測データをもとに再現)
デザインの成立国 アメリカ(原型)
分類 オブジェ
主要素材 本体:アルダー材(ブラックラッカー)またはウォールナット材(クリアラッカー)/脚:スチールワイヤー
サイズ 幅85mm × 奥行278mm × 高さ276mm
製造国 ドイツ
原型の制作年代 1910年頃とされる

Reference