このページについて

ミングレン・テーブルは、ジョージ・ナカシマが1960年代に設計したテーブルである。一枚板の天板を、同じく一枚板の脚が支える。縁は樹皮を除いた形をそのまま残し、割れの箇所には蝶の形をした契りを埋める。現在はアメリカのナカシマ・ウッドワーカーズと、日本の桜製作所が製作している。

このページでは、2つの製造元の違い、受注制作の進み方、寸法と使用人数の関係、経年変化と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ミングレン・テーブルは全品注文製作であり、使用する木材の個体差により寸法や重量が一点ごとに異なる。以下の仕様は、桜製作所およびジョージ・ナカシマ・ウッドワーカーズで製作される標準的な仕様をまとめたものである。

正式名称 ミングレン・テーブル / Minguren Table(ミングレン I、ミングレン II、ミングレン III)
製造ブランド ナカシマ・ウッドワーカーズ(アメリカ)と桜製作所(日本)。桜製作所は1964年からライセンスを受けて製作しており、ニューホープの工房以外で唯一の製作者にあたる
主要素材 天板は主にブラックウォールナット。契りにはローズウッドを用いる。オーク、チェリーなど他の樹種も選べる
サイズ(参考) ミングレン I ダイニング:天板長 約1,500mm以下(5フィート以下)、H約700mm
ミングレン II ダイニング:天板長 約1,800mm以上(6フィート以上)、H約700mm
※桜製作所 参考例:W1800×D940×H705mm / W2365×D1075×H700mm
天板厚:約45mm
重量 約78kg〜(サイズ・木材により大幅に変動)
仕上げ ナカシマ・ウッドワーカーズはオイル仕上げ。桜製作所ではオイル仕上げとウレタン塗装から選べる
参考価格帯(税込目安) いずれの製造元も価格を公表していない(2026年8月19日確認)。受注制作のため、板材を選定したうえでの見積もりによる。板の樹種・寸法・厚み、契りの本数で価格が変わる
付属品・オプション 注文の際に板材を選べる。寸法の指定にも応じる
特徴的な技法 天板と脚に一枚板を用いる。縁は樹皮を除いた形を残し、割れの箇所には蝶の形をした契りを埋める
バリエーション 天板の長さでミングレン I(約1,500mm以下)とミングレン II(約1,800mm以上)に分かれる。ミングレン III のほか、コーヒーテーブル、エンドテーブル、デスクの仕様がある
使用人数目安 ミングレン I:2〜4名 / ミングレン II:4〜8名(天板サイズにより変動)

2つの製造元

この設計の家具は、アメリカのナカシマ・ウッドワーカーズと、日本の桜製作所が製作している。桜製作所は1964年からライセンスを受けており、ニューホープの工房以外で唯一の製作者にあたる。

比較項目 ナカシマ・ウッドワーカーズ 桜製作所
所在 アメリカ・ペンシルベニア州 日本・香川県
仕上げ オイル オイルまたはウレタン塗装から選ぶ
板の選定 工房で選ぶ 工房で選ぶ
納期・輸送 輸入となる 国内での輸送
価格 公表なし(見積もりによる) 公表なし(見積もりによる)

選び分けの目安

仕上げを選びたい場合
桜製作所ではオイルとウレタン塗装から選べる。ウレタン塗装は塗膜をつくるため水分が染み込みにくいが、部分的な補修が難しい。オイル仕上げは水分が染み込むいっぽうで、研磨とオイルの塗り直しで対処できる。
板を見てから決めたい場合
いずれも工房で板を選ぶ工程がある。日本国内であれば、桜製作所の工房を訪ねやすい。
輸送の条件を考える場合
アメリカからの輸入では、輸送の期間と費用が加わる。

使用感と設置条件

天板の形

縁が不規則なため、端に物を置ける位置が場所によって変わる。最も狭い箇所と最も広い箇所で奥行が異なることがある。人が座る位置を決める際は、この幅の変化を踏まえる。

蝶形の契りは天板の面にわずかな段差を生じる場合がある。紙を置いて字を書く場面では、契りの位置を避けることになる。

寸法と使用人数

ミングレン I は天板の長さが約1,500mm以下、ミングレン II は約1,800mm以上を目安とする。桜製作所の製作例では、幅1,800×奥行940×高さ705mm、幅2,365×奥行1,075×高さ700mmといった寸法がある。天板の厚さは約45mm。

1人あたりの必要な幅を600mm程度とすると、幅1,800mmで長辺に3人ずつが座れる。ただし縁が不規則なため、実際に使える幅は最も狭い箇所で決まる。

搬入と設置

重量は約78kgから、寸法と樹種によって変わる。一枚板の天板は分割できないため、天板単体の寸法が搬入経路を通るかを確認する。

脚も一枚板による。天板と脚が分かれて納品される場合も、それぞれが相応の重量になる。床の耐荷重も確かめておく。

経年変化とメンテナンス

木に起きること

ウォールナットは紫外線を受けると色が明るくなる。多くの木材が濃くなるのに対し、この樹種は逆に進む。直射日光の当たる範囲から先に変化するため、置き場所によって差が出る。

一枚板は幅方向に伸縮する。湿度の変化が大きい環境では、既存の割れが動くことがある。蝶形の契りは割れの進行を止めるが、伸縮そのものは止められない。

仕上げごとの手入れ

オイル仕上げは塗膜をつくらないため、水分が付くと染み込む。輪染みは表面を研磨してオイルを入れ直すことで対処する。年に一度程度、オイルを塗り重ねる。

ウレタン塗装は塗膜が水分を防ぐ。日常の手入れは拭き取りで足りるが、塗膜が傷んだ場合の部分的な補修は難しい。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。汚れは固く絞った布で拭き、すぐに乾いた布で水気を取る。
水分
オイル仕上げでは、コップの結露や汁が染み込む。気づいた時点で拭き取る。
置き場所
直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は割れを招く。

修復

オイル仕上げの傷や輪染みは、表面を研磨してオイルを入れ直すことで対処できる。割れが進んだ場合や契りの追加が必要な場合は、製作した工房に相談することになる。

どこで買うか

受注制作の進み方

いずれの製造元も価格を公表しておらず、板材を選定したうえでの見積もりによる。板の樹種・寸法・厚み、契りの本数で価格が変わる。

板を選ぶ工程が含まれるため、注文の前に候補となる板を確認することになる。納期は板材の確保状況と受注の状況によって変わる。

実物を確認する

縁の形と木目は板ごとに異なり、写真では判断できない。桜製作所は香川県に工房とショールームを持ち、ジョージ・ナカシマ記念館も同社が設立している。

中古の流通

相場は寸法・樹種・製作年代・製造元によって幅があり、一定していない。ナカシマ本人の在世中に製作されたものと、その後の工房によるものが流通する。

確認箇所は、天板の割れの進行、契りの緩み、天板と脚の接合部、仕上げの状態、来歴を示す資料の有無である。仕上げがオイルかウレタン塗装かによって、その後の手入れの方法が変わる。

購入前チェックリスト

  • 製造元の選択(ナカシマ・ウッドワーカーズ/桜製作所)
  • 仕上げの選択(オイル/ウレタン塗装。桜製作所の場合)
  • 設置場所の寸法(板の形に従うため、任意の寸法は選べない)
  • 縁の最も狭い箇所での有効な奥行
  • 搬入経路(一枚板の天板は分割できない)
  • 床の耐荷重(約78kgから)
  • 契りの位置(紙を置いて字を書く場面では段差が出る)
  • 置き場所(直射日光・暖房の風・床暖房を避ける)

よくある質問

価格はどのくらいですか?
いずれの製造元も価格を公表しておらず、受注制作のため板材を選定したうえでの見積もりによります(2026年8月19日確認)。板の樹種・寸法・厚み、契りの本数で価格が変わります。
どこで購入できますか?
アメリカのナカシマ・ウッドワーカーズと、日本の桜製作所が製作しています。桜製作所は1964年からライセンスを受けており、ニューホープの工房以外で唯一の製作者にあたります。板を選ぶ工程が含まれるため、注文の前に候補となる板を確認することになります。
2つの製造元はどう違いますか?
仕上げが異なります。ナカシマ・ウッドワーカーズはオイル仕上げ、桜製作所はオイルとウレタン塗装から選べます。ウレタン塗装は塗膜が水分を防ぎますが部分的な補修が難しく、オイル仕上げは水分が染み込む一方で研磨とオイルの塗り直しで対処できます。輸送の条件も異なります。
寸法を指定できますか?
天板は板の形に従うため、任意の寸法は選べません。縁が不規則なため、実際に使える幅は最も狭い箇所で決まります。ミングレン I は天板の長さが約1,500mm以下、ミングレン II は約1,800mm以上を目安とします。
何人が座れますか?
1人あたりの必要な幅を600mm程度とすると、幅1,800mmで長辺に3人ずつが座れます。ただし縁が不規則なため、実際に使える幅は最も狭い箇所で決まります。
蝶形の契りは何のためにありますか?
板の割れの箇所に埋めて、進行を止めるための部材です。天板の面にわずかな段差を生じる場合があり、紙を置いて字を書く場面では契りの位置を避けることになります。板の伸縮そのものは止められません。
搬入できますか?
一枚板の天板は分割できないため、天板単体の寸法が搬入経路を通るかをご確認ください。重量は約78kgから、寸法と樹種によって変わります。床の耐荷重もお確かめください。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。オイル仕上げは塗膜をつくらないため水分が染み込みます。コップの結露や汁は気づいた時点で拭き取り、年に一度程度オイルを塗り重ねてください。ウレタン塗装は拭き取りで足ります。直射日光、暖房の風、床暖房は急な乾燥により割れを招くため避けてください。