概要
ミングレン・テーブルは、ジョージ・ナカシマが1960年代に展開した一枚板のテーブルのシリーズである。厚い一枚板の天板を、同じく厚い木のベースで支える。ダイニングテーブルからローテーブルまで複数の形式がある。
名称は、ナカシマが1960年代に加わった日本の職人集団に由来する。現在も注文に応じて製作されている。
特徴・コンセプト
一枚板で支える
天板とベースの両方に一枚板を用いる。角材を組んだ脚では部材ごとに接合部が生じるが、板をそのまま立てれば継ぎ目が要らない。天板の長さに応じてベースの形式が変わり、5フィート以下では一本脚に近い構成、6フィート以上では支点を分ける構成をとる。
フリーエッジと自然な表情
天板の縁は直線に切り揃えず、木の外形をそのまま残す。製材で直線に落とせば寸法は揃うが、材の幅の一部が失われる。縁を残せば同じ木からより広い天板が取れる。節や割れも除かずに用いる。同じ手法はナカシマ フリーエッジテーブルにも見られる。
蝶形の契りの役割
割れの生じた箇所には、蝶形の契りを嵌め込む。木は繊維方向に沿って割れが進むため、直交する部材を跨がせれば進行が止まる。天板と異なる樹種を用いるため、位置が外から判別できる。補修の痕を隠さず、そのまま面に見せている。
エピソード
讃岐民具連との縁
「ミングレン」という名称は、彫刻家の流政之らが1963年に香川県で設立した職人集団「讃岐民具連」に由来する。ナカシマは1964年にこの集団に加わり、日本での協働にちなんでこのシリーズを名付けた。
この縁は、東京での複数回にわたる個展や、ナカシマデザインの製造ライセンスを持つ桜製作所との長い関係につながっている。
板を選ぶところから始める
一枚板の家具では、材の寸法と表情が先にあり、そこから形が決まる。同じ図面でも板が違えば別の姿になる。
そのため製作は注文ごとに進む。使う板を選び、縁の形や割れの位置を見たうえで、ベースの形式と寸法を決める。
評価と影響
材の欠点とされてきた要素を除かずに用いる方向は、コノイドチェアのように部材を規格化する構成とは前提が異なる。同じ設計者の仕事のなかで、両方が並行している。
製作は、ペンシルベニア州ニューホープのジョージ・ナカシマ・ウッドワーカーズと、香川県高松市の桜製作所の2つの工房に限られる。いずれも注文を受けてから板を選び、一台ずつ仕上げる。
ジョージ・ナカシマの設計思想や経歴について詳しくはジョージ・ナカシマプロフィールページをご覧ください。
桜製作所の歴史や他の製品について詳しくは桜製作所ブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ジョージ・ナカシマ(George Nakashima) |
|---|---|
| デザイン年 | 1960年代(讃岐民具連の設立は1963年) |
| デザインの成立国 | アメリカ |
| 分類 | ダイニングテーブル/ローテーブルほか |
| 製造元 | ジョージ・ナカシマ・ウッドワーカーズ(米国ペンシルベニア州ニューホープ)、桜製作所(日本・香川県高松市) |
| 主な材料 | アメリカンブラックウォルナット、ローズウッド、ブビンガ、イングリッシュオーク、チェリーなど各種無垢材 |
| バリエーション | ミングレン I(5フィート以下)、ミングレン II(6フィート以上)、ミングレン III |
| 特徴的な技法 | 一枚板使用、フリーエッジ(ライブエッジ)、バタフライジョイント、オイル仕上げ |
| 製作地 | ニューホープ(ペンシルベニア州、米国)、高松(香川県、日本) |